「トラヴォルタ、うしろー!!」極悪フリーマンの癒やし系ハードボイルド『ポイズンローズ』

「トラヴォルタ、うしろー!!」極悪フリーマンの癒やし系ハードボイルド『ポイズンローズ』
『ポイズン・ローズ』© 2019 by Poison Productions, Inc.

ジョン・トラヴォルタ、モーガン・フリーマン共演のサスペンス・アクション『ポイズンローズ』が2019年11月15日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催中の劇場発信型映画祭「のむらコレクション」(通称:のむコレ)にて公開中。映画ファンならば二度見不可避な豪華キャストだが、まさに貫禄たっぷりのオヤジたちによる綱引きが楽しめる安定感抜群の映画だ。

登場人物ほぼアラフィフ越え! ほのぼのサスペンス・アクション

『ポイズンローズ』、まるで布袋寅泰の曲名みたいなタイトルだが、中身の方は原作・狩撫麻礼と言われても信じてしまいそうな、劇画マンガのような設定からして馴染みやすい。ちなみにのポスターは詐欺……もといデザイナーの良い仕事なので内容の参考にはしないほうが吉。

物語の主な舞台となるのはテキサス州ガルベストン。主人公カーソン(トラヴォルタ)は元アメフトのスター選手だったが、現在はLAで探偵をやっている中年男性。ある依頼を受けて20年以上ぶりに故郷のガルベストンに戻った彼は、大物ブローカーに成り上がったドク(モーガン・フリーマン)ら旧友たちとの再会を喜ぶも、肝心の任務の方は関係者の非協力的な態度のせいでなかなか進展しない。

そんな中、当時の恋人ジェイン(ファムケ・ヤンセン)から娘のベッキーを護って欲しいと依頼され……というのが大筋。お察しの通り、カーソンとドク、そしてジェインの関係が物語の鍵となってくるわけだが、この辺りの設定がなかなか凝っていて見応えがある。

しかしガルベストンといえば、エル・ファニングとベン・フォスターが共演した、ズバリ『ガルヴェストン』という映画もあったが、思わず飛び出したくなるような鬱屈とした街なのだろうか? なんだか住人が不憫である。

おっちょこトラヴォルタを応援したくなる? 細部の雑さも見どころのひとつ

説明的な長い独白や主人公の暗い過去、美女に弱く愛猫家という意外性……等々、いかにもハードボイルドなクライム小説の映画化といった雰囲気。メインキャスト2人の他にも、でっぷり仕上がったブレンダン・フレイザー、美魔女ぶりが眩しいファムケ・ヤンセン、ここ20年くらい見た目が変わっていないピーター・ストーメアなど、地味に豪華なキャストが嬉しい。

それぞれのキャラの年齢設定は一体どうなってんだよと思わなくもない(俳優の実年齢は、トラヴォルタ65歳、フリーマン82歳、ヤンセン55歳)が、のっそりしたアクションと絶妙に緊張感のない銃撃戦など、逆に安心して観ることができて心臓に優しい。カーソンも探偵のくせに、観客全員が気づいていることに彼だけ気づいてないみたいなタイプで、思わず「ヴォルタ、うしろー!」と応援したくなる野暮ったさだ。

そんなカーソンだが、賄賂をポケットにねじ込みながら聞き込みしたり、美女に疑惑を突きつける前にしっかりメイク・ラブしたりと、観客の期待を裏切らないダーティ探偵ぶりが清々しい。そのあたりも、最近はギトついたオーラも落ち着きつつある乾いたトラヴォルタのイメージとマッチしていて、ストレスフリーな演出に貢献している。もちろんツッコミどころが無いわけではないが、そこも含めて癒やし効果抜群の映画と言えるだろう。

なおベッキーを演じているのは若手女優、エラ・ブルー・トラヴォルタ。どうやらトラヴォルタお父さん、娘をフックアップする準備も万端のようだ。

『ポイズンローズ』は2019年11月15日(金)よりシネマート新宿&シネマート心斎橋で開催中の「のむコレ」にて上映

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