快進撃が止まらない! 窪田正孝×三池崇史監督『初恋』マカオ国際映画祭に参戦!!

快進撃が止まらない! 窪田正孝×三池崇史監督『初恋』マカオ国際映画祭に参戦!!
「『初恋』のバイオレンス担当です」と語る内野聖陽(撮影:中山治美)

第4回マカオ国際映画祭が現地時間2019年12月5日〜10日、マカオ文化センターなどで開催され、窪田正孝主演&三池崇史監督『初恋』(2019年)が招待上映された。2019年5月に開催された第72回カンヌ国際映画祭「監督週間」で世界初上映されて以降、トロント国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭など世界各国の映画祭で上映され、アメリカでは現地時間2019年9月27日に先行公開されている(日本公開は2020年2月28日(金)より)。何が世界の映画ファンを熱狂させているのか、現地で探った。

『初恋』©2020「初恋」製作委員会

■「お帰りなさい!」原点回帰とも言える三池節炸裂の新作

シンプルに言うと「三池監督、お帰りなさい!」ということなのだろう。『初恋』という胸キュンなタイトルだが、物語は東京・新宿を舞台にヤクザとチャイニーズマフィアのドラッグを巡る抗争劇。新宿+ヤクザと言えば、『新宿アウトロー』(1994年)や『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』(1995年)、『DEAD OR ALIVE』シリーズ(1999年〜)に『龍が如く 劇場版』(2007年)と三池監督の十八番。原点回帰とも言える三池節炸裂の新作発表と、100本以上の作品を製作し続けてきた長年の功績を称えて、アメリカのオースティンファンタスティック映画祭では特別栄誉賞、シンガポール国際映画祭でも名誉賞を受賞している。

『初恋』©2020「初恋」製作委員会

マカオ国際映画祭もとっておきのステージを用意。エッジの効いたジャンル映画を特集する「フライング・ダガーズ部門」で上映され、レイティングは“D”(18歳以下鑑賞不可。日本ではPG12での上映)。

マカオ国際映画祭での上映は18歳以下鑑賞禁止で。(撮影:中山治美)

三池作品への敬意とも言える箔をつけ、土曜日の夜という映画祭の花形の時間にプログラムを組んだ。三池監督も「日本の本当に狭いアパートで撮っていた作品が一人歩きして、こうして世界中の人たちが喜んでいるのを見ると、あらためて映画の力を感じます」と語り、笑みをこぼした。

(写真左から)ベッキー、内野聖陽、窪田正孝、三池崇史監督(撮影:中山治美)

■「具体的に2つぐらい進んでいます」三池監督が明かした進行中のプロジェクト

上映前には、アジアメディアと、インターナショナルメディア向けのミニ会見も行われた。共通していたのは、日本特有のジャンルであるヤクザ映画への関心。アジアメディアからは「アクションシーンに香港映画のスタイルを感じるが、その影響は?」という質問があり、三池監督は「きっかけは香港ではなく、アメリカで製作されたブルース・リーの映画です。彼がいなければ映画の道に進んでいなかった。というか、映画監督を目指していたわけではなく、ブルース・リーになりたかったんです。大人になるにつれて無理だと分かったのですが、ぼくの年代はジャッキー・チェン以前のカンフー映画の影響を受けていると思います。それは映画というだけではなく、人間として影響受けています」と、ブルース・リー愛を熱弁。

海外メディアの取材を受ける三池崇史監督(撮影:中山治美)

「タイトルは『初恋』ですけど、この映画のどこが純愛映画なんですか?」というツッコミには、「純愛映画ですよ。暴力とかいろいろあって、そういう人たちが決して正しいことをやっているわけではないけど、彼らなりに一生懸命生きている。そのなかで男と女が出会って恋に落ちた。どんな人間でも、どんな人生でも、自分の知らないところで誰かの役に立つことが起こるかもしれない。それが純愛だったということです」と、三池監督は胸を張った。

『初恋』©2020「初恋」製作委員会

また、アジア・メディアから中国進出の野望を問われた三池監督は不敵な笑みを浮かべながら、「世界中の監督は、必ず中国のプロジェクトを抱えています。それくらい今の中国のプロデューサーは世界中からおもしろい監督を呼ぼうとしていて、そういう動きが活発になっています。自分の場合は具体的に2つぐらい進んでいますけど、脚本作りの段階で難航しています」と答えた。

■マカオのファンも大興奮!? 窪田正孝の登場に黄色い声援

レッドカーペットでインタビューに応じる窪田正孝(撮影:中山治美)

純愛パートを担当するのが窪田正孝だ。父親の借金のカタとしてヤクザに囚われていたモニカ(小西桜子)を助けたことから、抗争に巻き込まれていく天才ボクサー・レオ役を演じる。窪田が『初恋』で国際映画祭に参加するのはカンヌ国際映画祭に続いて2度目。主演ドラマの多くがアジアで配信されていることから現地での知名度も高く、レッドカーペットに登場した際には「キャー!!」という黄色い声が飛んだ。

レッドカーペットを歩く(写真右から)三池崇史監督、内野聖陽、窪田正孝(撮影:中山治美)

会見中、通訳が登壇者の言葉を中国語に訳している時間をもどかしく思った一部メディアが、おもむろに窪田に近づき日本語で「ボクサー役は苦労しましたか?」と、独自インタビューを試みる一幕もあった。ただ、そんなハプニングも窪田は楽しんでいる様子で「普段、日本という島国で仕事をしているので、海外の人が映画を楽しんでいる様子を肌で感じると、映画が一人歩きしていることや、映画ってこんなに楽しんでもらえるのだなということを実感します」と感慨深げに答えていた。

アジアメディアのミニ会見中なのに、通訳が訳している間に独自で窪田正孝に質問をし始める媒体も……(撮影:中山治美)

公式上映の満席となった会場には、意外な人の姿もあった。マスタークラスのイベントに参加するため、その日マカオ入りしたリリー・ジェームズが、長旅の疲れをものともせず観賞にきていたのだ。

『初恋』の上映を見た英国女優リリー・ジェームズ(写真:マカオ国際映画祭)

翌日行われたマスタークラスのなかで、司会者から『初恋』の感想を問われると興奮気味に「incredible!」と一言。『高慢と偏見とゾンビ』(2016年)や『ベイビー・ドライバー』(2017年)、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』(2018年)、『イエスタデイ』(2019年)など、話題作の出演が続く注目の若手女優に強烈な印象を与えたようだ。

アジアメディアからの質問に答える内野聖陽を、真摯な眼差しで見つめる窪田正孝(撮影:中山治美)

多くのメディアやファンに囲まれながら映画祭のボードにサインをする『初恋』チーム(撮影:中山治美)

『初恋』チームのサイン。誰がどこに書いたでしょう?(撮影:中山治美)

『初恋』の世界行脚はまだまだ続き、2020年はオランダ・ロッテルダム国際映画祭への参加が決まっている。

文:中山治美

『初恋』は2020年2月28日(金)より公開

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