三谷幸喜の細かすぎるコダワリが光る!『清須会議』は超豪華キャストが繰り広げるどんちゃん時代劇コメディ

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販売元:東宝
© 2013フジテレビ 東宝

■恩人・伊集院光との真剣勝負から生まれた清州城への想い

10月に入って関東は天気も良くなく、気温も一気に下がって、あの暑かった夏がウソのように何処かに行ってしまい、雨が降ると冬のような寒さだ。大好きな秋は何処に行ったのだ? 薄手の上着を通り越して、もうダウンジャケットを着込んで、小さい秋でも探すしかないか。

読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、戦国の秋! と色んな秋があると思うが、わたくし戦国バカはこの秋、無性に旅行に行きたい。もちろん戦国時代に関連のある名所に行って、観光してからその地の美味しい名産に舌鼓を打ちたいのである。

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ここで戦国雑学を一つ。秀吉は元々、木下藤吉郎秀吉という名前だった。だが出世するにつれて、次第に周りから疎まれるようになっていく。そこで織田家家臣ナンバー1の柴田勝家の“柴”の文字と、ナンバー2の丹羽長秀の“羽”の文字を頂いて、お二人のような立派な武将になれるよう“羽柴”の姓を名乗るのだが、信長亡き後この二人の先輩の頭を押さえつけるような立場になっていくあたりが、秀吉の人たらしと言われる所以であろう。

■史実に基づき身体的なディテールも忠実に再現した超こだわりの時代劇コメディ!

話を映画に戻すと、本作は他にも三谷監督のこだわりが随所に見られる。まずは織田信長の“鼻”だ。肖像画でもわかるように信長の鼻はなかなか立派なのだが、本作における信長はもちろん、弟の三十郎、息子の信忠、次男信雄、三男信孝と織田家の人間は皆立派な鼻で、これは特殊メイクの付け鼻をして撮影されている。

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次に、チラッと2回ほど出てくる明智光秀。信長は家臣にあだ名をつけるのが得意だった。秀吉のことは「禿げねずみ」と呼んでいたらしく、光秀のことは柑橘系のキンカンの様な頭だというとこから「キンカン」と呼んでいたらしい。そしてこの映画に出てくる浅野和之さん演じる光秀が、これまた特殊なカツラで見事にキンカン頭に仕上がっている。この辺りもかなり面白い三谷監督のこだわりだろう。しかし戦国バカの目を一番引いたのが、大泉さん演じる秀吉が右手に派手な柄の手袋のような布を巻いているところだ。

最後に、会議に向かうシーンで、秀吉は服を着てから、気合を入れる感じで手袋をギュッと着ける。観ていて「あれは何?」と思われた方もいると思うが、実は秀吉の右手には指が6本あったと言われているのだ。これについては宣教師のルイス・フロイスの書簡や、秀吉の旧友・前田利家が記した文献に、「秀吉は右手の親指が1本多かった」と書かれているのである。これは多指症という生まれつき指が多い症例で、昔も今も幼い頃に切断することが多いらしい。しかし秀吉は貧しい家の出身だった為そのまま大人になり、関白・豊臣秀吉になった頃に取ったと言われている。だから、まだ羽柴秀吉時代は右手に6本の指があり、それを隠すために手袋のような物を着けていたのだろう。こんな細かい部分まで忠実に描いているのはこの映画ぐらいだろうと、戦国バカは思うのである。

それでは最後に、織田家臣団を表現した唄を紹介しよう。

「かかれ柴田に、退き佐久間、米五郎左に木綿藤吉!」

この唄は、「かかれ柴田=突撃の戦に強い柴田勝家」、「退き佐久間=撤退戦の時に退却しながら戦うのが上手かった佐久間信盛」、「米五郎左=米のように絶対必要な物の例で、織田家に絶対必要な丹羽長秀」という意味。そして「木綿藤吉」とは、木綿の様に丈夫で使い勝手が良い羽柴藤吉郎秀吉のこと。この様に、織田家にはそれぞれの分野で優秀な家臣が揃っていたことが窺える歌なのである。

そんな家臣が集まって織田家の行く末を決める『清須会議』。戦国時代をコメディ映画で味わうのも、この秋いかがかな。

文:桐畑トール(ほたるゲンジ)

『清須会議』はAmazon Prime Videoほか配信中

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