フランス版「かごめかごめ」ホラー!?『ココディ・ココダ』の“不気味な民謡”が耳にこびりつく

フランス版「かごめかごめ」ホラー!?『ココディ・ココダ』の“不気味な民謡”が耳にこびりつく
『ココディ・ココダ』COPYRIGHT 2019 JOHANNES NYHOLM PRODUKTION, ALL RIGHTS RESERVED

■2020年も無事開催! スペイン発シッチェス映画祭からの厳選上映

『ココディ・ココダ』は、スペイン・バルセロナ近郊で毎年開催されているシッチェス・カタロニア国際映画祭(通称シッチェス映画祭)で上映された、スウェーデン、デンマーク製のホラー映画です。シッチェス映画祭は割とホラーやSF、ファンタジーなどの映画に門戸をひらいている映画祭で、いわゆる“ファンタスティック映画祭”の一つ。日本の『リング』(1998年:中田秀夫監督)『座頭市』(2003年:北野武監督)が過去にグランプリを獲っています。

ガチ怖ムービー大集合! ナチス兵器人形の残酷ホラーコメディ『パペット・マスター』ほかシッチェス映画祭から厳選上映

★いよいよ10/30より開催!★ 東京@ヒューマントラストシネマ渋谷:10月30日(金)〜11月12日(木)■名古屋@シネマスコーレ:11月7日(土)~11月27日(金)■大阪@シネ・リーブル梅田:10月30日(金)〜11月12日(木) https://t.co/vrOlvQxdWQ

— ★10/30より開催★シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020 (@sitges_fanta) October 18, 2020

そして日本でも、この映画祭で紹介されたホラー系のジャンル映画のいくつかを<シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション>と称して特集上映しており、2020年はその中の1本として『ココディ・ココダ』も上映されることになったわけです。

■タイトルの意味はニワトリの“コケコッコー”にちなんだ不気味な民謡

本作のタイトルの意味なんですが、原題は『Koko-di Koko-da』。ただし「Cocococodi, Cocoda」とつづくる“コケコッコー(ニワトリの鳴き声)”の意味で、これが歌詞に伝われているフランス民謡(日本では「夜が明けた」として紹介)が、この映画のテーマ曲になっています。

超怖い怪談本を挿絵まで忠実に映画化! ギレルモ・デル・トロ製作『スケアリーストーリーズ 怖い本』

ホラー度ピカイチのS・キング原作映画! 亡き我が子への想いが生んだ恐怖を描く『ペット・セメタリー』

■殺人鬼ホラー? ダーク・ファンタジー? 不思議な感動を呼ぶ衝撃のラスト

“時間逆行のループ”というと、話題の『TENET テネット』(2020年)やホラーでいうと『ハッピー・デス・デイ』シリーズ(2017〜2019年)などを彷彿させますが、僕は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)も思い出しました。ただし本作はキャストになじみがないし、またアメリカのホラー映画とは違う独特のムードがあるので、ポップコーンを食べながらキャーキャー叫ぶようなノリでもない。一体どうなるの? と見入ってしまいました。そして、この民謡が何度も繰り返されるうちに、ちょっと不気味なメロディに聴こえてきます。例えば、山奥で殺人鬼が「かごめかごめ」を歌いながら襲ってきたら。本当に怖いですよね。そんな感じ。

さらにこの3人組が、それこそティム・バートン風というか『悪魔のいけにえ』(1974年)のあの家族というか、「不思議の国のアリス」とかに出てきそうな感じです。そう、リアルな殺人鬼ホラーというよりダーク・ファンタジーです。とても怖いのですが過激なスプラッター・シーンはほとんどなく、雰囲気と異常なシチュエーションでゾッとさせてくれます。これ以上はネタバレになるので詳しくは書きませんが、なぜこの夫婦にこのような事件が起きたのか? が示唆された時に、ああ、そういうことか……と腑におち、妙な感動がありました。

『ココディ・ココダ』COPYRIGHT 2019 JOHANNES NYHOLM PRODUKTION, ALL RIGHTS RESERVED

事件が夜明けに起きることと、主題歌がコケコッコー=夜明けの鳴き声に触れていることから。“夜明け”が本作のテーマです。曲の使い方とか、ちょっとアーティスティックな見せ方とかは『ミッドサマー』(2019年)にも通じるものがあります。観終わった後、あの歌のメロディを口ずさんでいました。なんか心にひっかかる、不思議な味わいがある映画です。

文:杉山すぴ豊

『ココディ・ココダ』は2020年10月30日(金)より「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」で上映

関連記事(外部サイト)