「サメ・ゾンビ・ナチス」三つ巴スプラッター映画!『スカイ・シャーク』はトム・サヴィーニ印のゴア描写も必見!

「サメ・ゾンビ・ナチス」三つ巴スプラッター映画!『スカイ・シャーク』はトム・サヴィーニ印のゴア描写も必見!
『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

■全部乗せ欲張りセットな衝撃サメ映画!

あなたは映画鑑賞中、ナチス・ドイツと、ゾンビと、空飛ぶサメの群れを、「一度の作品内で全部観たい」などと思ったことはないだろうか。あるほうがちょっとおかしいが、もしあるならそんなあなたにうってつけのサメ映画が存在する。日本国内では2021年2月に上映予定の新作サメ映画『スカイ・シャーク』だ。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

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その企画概要こそ数年前から度々話題になっていたものの、長引く撮影に公開延期を繰り返しているうちに、かの『シャークネード』シリーズ(2013〜2018年)が完結し、一時期のトンデモ系サメ映画ブーム自体が一定の落ち着きを見せることに。そのためもはや公開は絶望的かと思われていたが、それでもなんだかんだでようやく完成した本作、若干旬を逃した感はあるにせよ、やはり今春もっとも注目すべき作品のひとつに挙げられるだろう。

というわけで今回は、この全部乗せの欲張りセットめいたサメ映画『スカイ・シャーク』を紹介していこう。

一体何の話だ!?「ヒメルスファウスト計画」VS「プロジェクト・デッド・フレッシュ」

第二次世界大戦中にナチス・ドイツが開発した新薬“K7B”。この薬を用いて男性は不死身の超軍人に、女性はゾンビに強化するという極秘プロジェクト<ヒメルスファウスト計画>は、激しい戦火とドイツの劣勢に伴い歴史の闇に葬られた。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

だが突如として現代社会に蘇ったナチス残党は、ジェットエンジンと生体ステルスカモフラージュ機能を備えたサメを駆り、手始めにフランクフルト行きの飛行機を強襲。ナチス残党と20頭の空飛ぶサメの群れは、そのまま世界中で破壊活動を開始する。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

生殖能力に難はあるものの、わずか20頭で世界各国と渡り合えるという“スカイ・シャーク”の繁殖プロジェクトをナチス残党が成功させてしまった時点で、人類に勝ち目はなくなる。限られた時間の中で、かつてK7Bの研究開発に関わったリヒター博士とその二人の娘は、ゾンビ計画(プロジェクト・デッド・フレッシュ)なる奥の手で対抗するが……というのが本作の概要である。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

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トム・サヴィーニ御大によるスプラッタな特殊効果は見もの!

監督・製作・編集・その他諸々はマルク・フェーゼ。そして本作には特殊効果のスーパーバイザーとして、特に『13日の金曜日』シリーズ(1980年ほか)で知られる、あのトム・サヴィーニが参加している。

そのR18+のレーティングとトム・サヴィーニのクレジットが物語っている通り、本作は強烈なスプラッター描写が売りの一本だ。のっけからナチス軍の攻撃で飛行機乗客の頭が砕けるわ、喉が裂けるわ、空飛ぶサメにバラバラにされるわ、ぺしゃんこに潰されるわ、サメ映画には珍しい血しぶき全開のゴア表現が目白押し。その後も要所要所にかなり強めのスプラッター演出が挟まるため、この手のバイオレンス・ムービーが好きな方にはたまらない作品に仕上がっているだろう。

ストーリーラインは「ナチスが新兵器を携えて復活してきたので倒す」という、ただそれだけの至ってシンプルなものだが、ド派手なスプラッター物という上記のコンセプト的にそこが問題視されるようなことはあるまい。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

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ただし中だるみ気味の中盤と、102分というちょっぴり長めのランニングタイムに関してはおそらく評価が分かれるところだろう。特に中盤でメインキャラクターの一人、リヒター博士が戦時下のナチス・ドイツとK7Bの回想を行うシーン、そして後半で世界各国の要人がリモート会議を行うシーンと、ゾンビ計画(プロジェクト・デッド・フレッシュ)の概要を解説するシーンは、取るに足らない脇役キャラクターの動向から枝葉末節に至るまでやたら細部が描写されており、その結果、尺を取り過ぎて作品のテンポを削いでしまっている。

『スカイ・シャーク』(c) 2020 Fusebox Films GmbH

もうひとつ、本作の目玉はどちらかというと超人化したナチス・ドイツ兵の活躍にあり、空飛ぶサメの存在感はかなり添え物的であることも併せて申し上げておきたい。とはいえ、サメ・ゾンビ・ナチスという設定面での出オチだけでは終わらせず、きっちり別の見所も用意した上でそこそこまともなものを作っている点は評価されてしかるべきだ。

唯一無二のサメ映画には違いないこの『スカイ・シャーク』、グロテスクなものが苦手でなければ、ぜひ一度お試し頂きたい。

文:知的風ハット

『スカイ・シャーク』はヒューマントラストシネマ渋谷にて2021年2月19日(金)〜2月25日(木)まで上映、シネ・リーブル梅田は上映日未定

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