小林愛実、デビューリサイタル以来のホールへ再び

小林愛実、デビューリサイタル以来のホールへ再び

小林愛実

2015年のショパン国際ピアノコンクールで、日本人では10年ぶりのファイナリストとなった小林愛実。今、世界的に注目されている若手ピアニストのひとりだ。その彼女が、11歳の時に開いたデビューリサイタル以来、12年ぶりに福岡シンフォニーホールで演奏する。

「デビューリサイタルのことはよく覚えています。あの思い出深いホールで再び演奏できるなんて」と嬉しそうに語る小林。今回、ショパンとシューマン、ロマン派を代表するふたりの作品でプログラムを構成した。「デビューリサイタルでもショパンを演奏したんです。ショパンは、クラシックをあまり聴かない方でも馴染み深い曲が多くて、優雅でロマンティック。初期と後期では大きく作風が変わるので、時代を通しての変化を感じていただけたら嬉しいです。シューマンの『謝肉祭』は、小さな20曲からなる1つの作品で、いろんなキャラクターが次々に登場するので、飽きずに(笑)聴いていただけると思います」とクラシック初心者にも楽しめるポイントを教えてくれた。

山口県出身。レッスンのために東京、アメリカへと環境を変えながら音楽への向き合い方も変わってきたという。特に、20歳で挑戦したショパン国際ピアノコンクールは大きな転機となった。「以前は本能的・感覚的に演奏することが多かったんですが、作曲家の意図や作品の背景を学び始めてからは、作曲家が何をどう伝えたかったのかということを考えるようになりました。そして自分がそれをどうやって聴く人に伝えるか。自分が感じるままに弾くことももちろん大切ですけどね」

現在はアメリカ・フィラデルフィアを拠点に活動しているが、クラシックの本場であるヨーロッパへの移住も考えているという。「今回演奏するショパンやシューマンもそうですが、ヨーロッパ出身の作曲家が多いので、自分もそこに身を置いてみたい。もっと勉強して、音楽の幅を広げたいんです。弾く人の性格はもちろん、それまで経験してきたものも音楽に色濃く表れると思うので」と今後の夢を語ってくれた。

「まだ若いし、学ぶべきことはまだまだたくさんありますが、デビューから12年生きてきた分(笑)、音楽にも深みが出ていると思います」と、自分自身の変化も楽しんでいる様子。そして、その日のその瞬間を聴衆と共有できるコンサートホールの空間が好きだという。「作品のひとつひとつに敬意を持ち、純粋に楽しんで演奏しています。ホールに広がるピアノの響きを皆様と共に感じながら、その作品の素晴らしさを伝えることができればすごく幸せです」

『小林愛実 ピアノ・リサイタル』は7月12日(金)福岡シンフォニーホールで開催。チケットは発売中。