福士蒼汰インタビュー 「君にかかっているからね」にドキッとした

福士蒼汰インタビュー 「君にかかっているからね」にドキッとした

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沙村広明原作の同名コミックを三池崇史監督が実写映画化した『無限の住人』は、剣客集団・逸刀流に両親を殺されてしまった少女・凜が不死身の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼し、両親の仇を討つために戦い続ける"ぶった斬り"アクションエンターテイメント。流儀や格式に囚われず、勝つことのみを目指す剣客集団・逸刀流の統主であり、凜の父親を殺した張本人である天津影久を演じたのが俳優の福士蒼汰。初の悪役を美しくも暴力的に演じきった福士に、本作への思い、そして完璧すぎる彼の人間らしい一面について話を聞いてきた。


■ 第一声は「君にかかっているからね」

ーー三池監督とは『神さまの言うとおり』以来、2度目の共演ですね。

福士:三池監督とお会いするのは久しぶりだったので、衣装合わせのときに改めてご挨拶をしに行ったんです。そしたら、第一声で「君にかかっているからね」と言われて、ドキッとしました(笑)。


ーー確かに、それはドキッとしてしまいます(笑)。

福士:すごく大事な役だし、自分には見合わないくらい美しい役だと感じていたのですが、それほど期待してくださっているんだと思うと、より気合が入りました。


ーーそんな作品の中でも重要な役である天津影久は、福士さんにとって初の敵役でしたね。

福士:天津は作品としては敵役という立場ですが、完全に悪とは言い切れない人物だと思うんです。悪だと思って行動しているわけではないし、自分の中の正義を貫いている。その表し方が極端なだけで、自分の信念を貫く男なんだなと思って、いつも通り演じていました。


ーー役作りで意識したことなどはありますか?

福士:剣(斧)を抜いた瞬間に暴力的になっていく、でもその中にも美しさがあるというのは常に意識していましたね。監督にも「暴力的かつ美しく」と言われていたので。


ーーなるほど。決してブレることなく、自分の意志を貫く天津は、何事に対してもまっすぐな福士さんとも共通する部分があるように思えました。

福士:僕はむしろブレるタイプで、結構人に流されやすい方だと思います。こだわりがないわけではないんですけど、天津ほどの行動はとれない。しかも、天津は自分の身に起きたできごとではなく、祖父に起きたことがきっかけで行動しているので、本当に強い信念だなぁと思いました。


ーー普段から体を鍛えていると伺ったのですが、アクションシーンではそれが存分に活かされたのでは?

福士:今回は殺陣の稽古を数ヶ月前からやらせていただいていたんですが、武器が武器なだけに(鎌のような形をした斧)、現場で習得していくことの方が多かったんです。「あ、ここであの動きはやっぱりできないね」となって、現場ごとで殺陣をつけていただいて、その場で覚えるということが多くて。なので、慣れておくためにもなるべく自分の武器を手に持ち歩くようにはしていました。


ーーその場で教えてもらって、すぐに実演できるのが凄いです。

福士:ここまで本格的なアクションをちゃんとやるのは初めてだったので緊張もしました。だけど、体を動かすことは好きだったので、楽しみながら演じられました。


ーー万次を演じられた木村さんとの共演はいかがでしたか?

福士:現場では本当に、刺激をいただいて。かっこよさももちろんですけど、1つ1つ芝居への本気度合いがひしひしと伝わってきて、それが役に入るとより増長されるんです。殺陣の瞬間や剣を交えるシーンでも木村さんに引き込まれるというか、木村さんの引力にすごい力で引っ張られる。引っ張られつつ、自分の持っている実力以上のものを引き出してもらいました。


ーーちなみに、福士さんが万次のような不死身の身体を持ったらどうしますか?

福士:斬っても蘇って…というのは面白いと思うけど、数十年生きたら飽きる気がします。最初は楽しんでも、最終的には万次のようにどうやったら死ねるかなと考えるんじゃないかと思います。


■これからは家族へ恩返しを

ーー本作では、家族のために凜が動き出しますが、福士さんが家族の絆を感じるときはどんなときですか?

福士:言葉がなくても伝わるところ。何を考えているか、何も言わなくても分かってくれるときに家族の絆を感じます。あとは、無償の愛を注いでくれているなと感じたときもです。両親と一緒にいると、自分はずっと子供なんだなと思うことがあります。


ーーそろそろこれは頼るのをやめようかな…ということはありますか?

福士:最近はようやく頼ることから卒業できたので、逆に恩返しをしたいなと思います。


ーー例えばどんなことを?

福士:今でも、家族で定期的にご飯に行くんですけど、ご馳走したり、ちょっとした旅行に行くとか、そういう時間が作れたらいいなと。


ーーいま、こうやってご活躍されていることも、1つの恩返しになっているかもしれません。

福士:どうなんでしょう?自分は目の前のことをやっているだけですけど、そう思ってくれていたら有難いです。


■欠点は、○○しすぎるところ

ーーお休みの日は何をされていますか?

福士:長いお休みがあったら海外に行きます。あとは、映画をみたり、勉強したり。


ーーお休みの日でも、お仕事に繋がることをされているんですね。

福士:仕事に繋がることしか、いまはしてないです。自分でもおかしいなと思いますけど(笑)。いまの仕事をしていると、次々と自分に必要なことが見えてくるので、昔よりも貪欲かもしれません。


ーー家族思いで、真面目で、かっこ良くて…欠点はないのでしょうか?

福士:全然あります!最近はあまりないですけど、昔は友達と遊ぶときに数時間遅れたりすることもありました。「なにしてんの?」「寝てた」みたいなことが(笑)。実は、ダラダラするのも好きなんです。


ーー人間らしい一面もあるのですね。ダラダラというのは、寝っ転がって漫画を読んだり?

福士:漫画は普段あまり読まないようにしています。それも、漫画が好きすぎてハマっちゃうからなんですが。


ーーあえて、読まないようにしているということですか?

福士:はい。同じように海外ドラマも好きなので、一度見始めてしまうと寝る間を惜しんで没頭しちゃうんです。そこがダメなところかもしれません。


ーーやりたいことに没頭してしまう部分は長所でもあり、短所でもあるんですね。

福士:そうだと思います。本当に寝なきゃいけないときも寝なかったりするので(笑)。


■「38歳で顔が濃くなるんです(笑)」

ーー少女漫画の中から飛び出してきたかのような好青年の役柄が多かったのが、最近は役の幅が広がってきているような気がします。

福士:それは自分でも感じています。昨年もいろいろな役をやらせていただいたのですが、今までやってこれていなかった作品性や役柄ができていることが、すごく嬉しいです。


ーー次はどんな役に挑戦したいですか?

福士:なんでもこい!って感じです。今は、いろんなものに自分から挑戦して、それをクリアしていくために、どうやってアプローチしていけばいいのかを模索するのが楽しい時期なので。どんな役がきても楽しんでやっていけるのかなと思っています。


ーー最後に、10年後はどんな役者さんになっていたいか教えてください。

福士:占いによると、38歳で顔が濃くなるらしいです(笑)。だから10年後は、顔が濃くなる4年前かぁ…。


ーーいまの濃さのままの34歳ですね(笑)。

福士:国内外問わず、いろんなところでいろんな人たちとお仕事をしていたいなと思います。日本での作品はもちろんですし、アジアでもヨーロッパでもアメリカでもいろんなところで、いろんな人とお仕事ができていたらいいなと。


ーーそのときは英語もペラペラ?

福士:そのときまでには、ペラペラになりたいですね。もしかしたら、ブログも全部英語になっているかもしれません(笑)。


映画『無限の住人』は4月29日(土)より公開中。

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