毒親の呪詛攻撃にピッピちゃんは耐えられるか? 喪服ウォーズも勃発した『明日の約束』第2話

毒親の呪詛攻撃にピッピちゃんは耐えられるか? 喪服ウォーズも勃発した『明日の約束』第2話

フジテレビ系『明日の約束』番組サイトより

「ランドセルの中にしまってあったラブレターは破って、捨てておきました。日向(ひなた)がこんなにいやらしい子だったなんて、ママはショックです」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。なんか古臭くて野暮ったいタイトルだなぁと思っていたら、日向が小学生の頃に母親の尚子(手塚理美)から強制的に書かされていた交換日記の名前だったんですね。第1話に増して、第2話のエンディングで明かされる交換日記の内容がキョーレツ。尚子の毒親ぶりに、視聴者もショックです。どうやら、その回のテーマとリンクする形で日向と尚子の過去の因果関係が明かされていく模様です。

 かなり綿密に練られた脚本ですが、残念なことに第2話の視聴率は初回の8.2%からさらに下がって、6.2%に(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。自殺した高校生の心の闇を探るという重たいストーリーに付いていけない人は、早々に去っていったようです。毒親バトルがこれから本格的に始まり、ドラマとしてはぐんぐん盛り上がりそうな気配なんですけどね。一度去った視聴者とゴミ回収車は待ってはくれません。

 前回、不登校が続いていた高校1年生の吉岡圭吾(遠藤健慎)から「先生のことが好きになりました」と告白されたスクールカウンセラーの日向先生(井上真央)ですが、自宅に帰った圭吾はなんと首吊り自殺! 日向先生は圭吾の担任・霧島先生(及川光博)と校長(羽場裕一)と3人で吉岡家へ向かいます。ここで圭吾の父親(近江谷太朗)が初登場。「妻が取り乱すので、お引き取りを」と門前払いを喰らわせます。圭吾に過干渉していた母・真紀子(仲間由紀恵)とは対照的に、長男が自宅で死んだにもかかわらず、感情を乱すことなく冷たい対応に終始する父親。圭吾はクラスメイトたちからは無視され、家庭にも居場所がなく、日向先生に懸命にSOSを発信していたことが分かり、日向先生はどんよりと落ち込みます。

 綾瀬はるかの弾むおっぱいで視聴率も弾き出している『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)のようなエロ要素はまるでなさげな『明日の約束』ですが、第2話は井上真央、仲間由紀恵、さらにNHK朝ドラ『ひよっこ』で注目された佐久間由衣が、喪服ウォーズを繰り広げます。森田芳光監督の葬儀に喪服姿の北川景子がノーメイクで現われ、すっぴんでの美形ぶりが大変な話題になりました。普段と違ったナチュラルメイクと泣き崩れた表情にセクシーさを感じるマニアは少なくありません。

 いつにも増して地味に、ブラックフォーマルでまとめてきた日向先生は、校長と霧島先生の後ろに隠れるようにして圭吾のお通夜会場を訪ねますが、ここでも圭吾の母・真紀子から「圭吾の棺の前で土下座してくれますか」と凄まれ、焼香できないまますごすごと退却します。泣きはらした表情ながら、しっかりとパールのネックレスとイヤリングで飾り立てている真紀子の存在感ったら。井上真央主演ドラマですが、お通夜シーンの主役は完全に仲間由紀恵です。後からひょこひょこ現われた、圭吾の幼なじみ・香澄役の佐久間由衣はそれこそ、ひよっこレベルです。喪服の着こなしに、女優陣の視殺線が交叉する怖い怖いシーンでした。
 喪服姿のまま疲れきって自宅に帰ってきた日向先生は、玄関を開けてさらにドッと疲れるはめに。驚いたことに恋人の本庄(工藤阿須加)がリビングで母親の尚子と楽しげに談笑しているではありませんか。自殺騒ぎを聞きつけ、日向のことを心配して本庄は駆け付けてきたようですが、本庄と交際していることを尚子に伝えていなかった日向は、どちらに対しても気まずくて仕方ありません。本庄にはまったく悪気はないのですが、純粋な善意が日向を追い詰めてしまいます。

 子犬のようにキラキラした眼差しで「連絡しても、日向は『心配ない』と言うでしょ?」と訴える本庄を怒るわけにはいきません。圭吾の自殺で動揺している生徒や霧島先生には「感情を抑えるのはよくない」と説いていた日向先生ですが、日向先生自身がどんどんストレスを溜め込んでいく結果に。本庄を最寄り駅まで送っていく日向先生ですが、駅名が「極楽寺」とはあまりにも皮肉です。日向先生の心はすでに地獄の一丁目に差し掛かっています。

 そして第2話最大の見せ場へ。本庄を駅まで見送った日向が自宅に戻ると、本庄の前ではニコニコしていた尚子が毒親モードで待っていました。文鳥のピッピちゃんを相手に「ひどいわよねぇ、ピッピ。3年も付き合っていたのにママに内緒にしてたなんて。あぁ、イヤらしい! ママに隠れてコソコソと付き合って」。

 さらには尚子の口から耳を疑うような暴言が……。

「えらそうにスクールカウンセラーなんて言ってるけど、そんなことやってるから生徒を自殺させちゃうのよ!」

 成人して働いている娘の職業から恋愛まで、日向の人生を全否定です。実の母親の容赦ない仕打ちに、日向はひと言も返せません。ただ二階の自室に逃げ込み、「母は人の心を傷つける天才です」と心の声でつぶやくことしかできません。

 自殺した圭吾は「明日が来るのが怖い」という言葉を残していたそうですが、日向先生も同じ心境でしょう。日向先生の明日が心配です。そして、もっと心配なのが、尚子が飼っている文鳥のピッピちゃんです。日向先生が家にいない間もずっと尚子のポイズントークを浴び続けて、体調に悪影響を与えないか気になります。植物だったら枯れてしまいそうなくらい、尚子のポイズン度は高いです。最終回までピッピちゃんが元気なことを祈ります。

 エンディングに流れる次回予告を見ると、第3話では真紀子はジャーナリスト(青柳翔)を味方に取り込み、日向先生のいる高校に宣戦布告する模様。ついにモンスターマザーとしてフル稼働です。仲間由紀恵vs井上真央vs手塚理美の三つ巴女優バトルの行方に大注目です。
(文=長野辰次)

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