ついに明かされた毒親・尚子の洗脳テクニック!! 視聴率もわずかに上昇の『明日の約束』第4話

ついに明かされた毒親・尚子の洗脳テクニック!! 視聴率もわずかに上昇の『明日の約束』第4話

フジテレビ系『明日の約束』番組サイトより

「小学生のころ、私の持ち物はすべてお母さんが選んでいた。中学生のときは、おしゃれ禁止だった。高校生になると、進学も就職も決められそうだった。みんな、私のことを嫌いなんだって、あの人が言うからそう思ってた。毎日オドオド、ビクビクして、人と話すのが怖かった」

 井上真央がスクールカウンセラーを演じる社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。視聴率は5〜6%代に低迷していますが、サスペンス要素が強まった前回に続き、第4話は井上真央演じる日向(ひなた)先生がスクールカウンセラーになった経緯、毒親・尚子(手塚理美)の左手が不自由になった過去が明かされる重要な回となりました。

 恋人の本庄(工藤阿須加)から日向が母親・尚子のことを異様なまでに嫌っている理由を問われ、できれば親しい人には話したくなかった自分と尚子の関係について日向は打ち明け始めます。それが冒頭の言葉です。

 日向は幼い頃から尚子の徹底した管理下に置かれ、尚子との交換日記という形で、「明日の約束」という名の反省文を毎日書かされていたのです。これはもはや教育や躾ではなく、母親が子どもを支配するための洗脳タイムでした。日向は自分の意思を持つことは許されず、常に独裁者である母親の顔色を気にしながら少女時代を過ごしたのでした。大学に入って心理学を学び始めたのも、親元を離れ、自分自身の心をケアするためだったのです。

「じゃあ、なんで一緒に暮らしているの?」と本庄は例によって子犬のようにつぶらな瞳で、日向が大人になってからも尚子と同居している理由を尋ねます。このストレートな質問に日向はすぐには答えることができません。母親のことは大嫌いですが、100%母親のことを嫌いになれないのが毒親の底なし沼のような恐ろしさなのです。彼女のお陰で大学に進学することができ、ある意味ではスクールカウンセラーというやりがいのある仕事を見つけることもできたわけです。母親のことを全否定することは、日向自身のアイデンティティーも否定することに繋がり、そう簡単には割り切ることができないのです。

 今回も手塚演じる尚子の毒親ぶりから目が離せません。先週は終始ニコニコ顔で「風月庵」の新作和菓子をせっせと配りまくっていた尚子ですが、今週の尚子は「あなたは二重人格者ですか?」と思わせるほどの、豹変ぶりを見せる大サービス。二面性を持つ女の怖さをこれでもかと見せつけます。

 いつものように恐る恐る自宅に帰ってきた日向ですが、リビングで文鳥のピッピちゃんを相手にしているはずの尚子がいません。おかしいなと思いつつ、日向が二階の自室へ上がると、そこには日向の買い置きの文具品を勝手に使い、子どものように無邪気に遊んでいる尚子の姿が。

「ひなちゃんのことが心配だったのよ〜。本庄さんに嫌われたら大変だと思って」

 

■CGなしで、手塚理美の顔が大変身!!

 

 本庄に無断で会ったことを詫びる尚子ですが、それでも日向がそっけない態度をしていると、日向が振り返った瞬間には尚子のもうひとつの顔、毒親顔に変身しているではありませんか。思わず、子どもの頃に観た特撮映画『大魔神』(1966)の変身シーンを思い出しました。

「いい加減にしなさいよ! 誰のお陰で生きてきたと思ってるのッ。あんたのそーゆーとこ、死んだお父さんも嫌がってたわ」

 娘を口撃するのに死んだ父親まで持ち出す尚子のえげつなさ。これこそが、尚子が実の娘を洗脳するための常套パターンでした。日向に何でも話し合える親しい友達ができないようにし、親戚やご近所さんの名前も出して、「みんな、日向のことを嫌っている。日向の味方は母親である自分だけなんだ」と我が子をずっと洗脳し続けたのです。

 普段は耳を塞いで自分の部屋に逃げ込んでいた日向ですが、この夜は部屋の中に尚子がズカズカと上がり込んでいるため、どこにも逃げ場がありません。自殺してしまった圭吾(遠藤健慎)のためにも、スクールカウンセラーである自分がいつまでも毒親に逆らえない子どものままではいられません。意を決した日向はついに尚子に反撃します。

「怒るなら自分の言葉で怒ってよ。はっきり言って。その腕のことだって……」

 日向にとって重く暗いトラウマとなっていた、尚子の左手が不自由になった過去が、日向の回想シーンとして明かされます。日向が高校生のとき、近くの神社の石段から転げ落ちそうになったのを庇ったのは尚子でした。そのときの怪我で尚子の左手は今も障害が残っているのです。自分の身体を犠牲にしてまで娘を守った尚子ですが、そのことで尚子は一度も日向を責めたことがないのです。これもまた、毒親ならではの不可解さです。でもそれゆえ、日向はひとりぼっちで暮らすことになる尚子のことが見捨てられずにいるのでした。日向の恋人・本庄は、こんな2人の共依存関係をどこまで受け止めることができるのでしょうか。

 

■EXILE系で、いちばん長生きしそうな男

 

 前回から本格的に登場した週刊誌記者・小嶋を演じる青柳翔は、今週も絶好調です。圭吾の自殺はバスケ部内でいじめがあったからだという噂にバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がブチ切れ、校内で長谷部が暴れている様子を映した投稿動画をネットにアップする小嶋。そのせいで、長谷部の実名と顔がネット上でさらされる結果に。校長(羽場裕一)、日向先生、バスケ部の臨時顧問となった北見先生(白洲迅)の3人が編集部に乗り込みますが、数々の事件を取材してきた小嶋はまったく動じません。

「今さらうちが削除しても意味ないでしょ。デジタルタトゥーって言葉はご存知ですか? 今は疑わしきは罰せられる時代です。正義に満ち満ちた素晴しい社会じゃないですか」

 劇団EXILE所属の青柳翔のこの憎々しさ! まさに「憎まれっ子世に憚る」です。EXILE系のメンバーの中でも、いちばん長生きしそうじゃないですか。我が子・圭吾を自殺に追い詰めた真紀子(仲間由紀恵)、日向の懸命な反撃を笑ってスウェーバックしてみせた尚子、それに続く第3のヒール・小嶋記者の本格始動に日向先生は大ピンチです。

 尚子や小嶋の見事な暴れっぷりによって、出番が限られてしまっている最凶毒親である仲間由紀恵演じる真紀子ですが、今週も短い出番でインパクトのある効果的な出演となっていました。久々に高校に現われた真紀子は、圭吾と仲のよかった同級生の沢井(渡邉剣)を見つけ、あいさつ代わりのポイズン攻撃です。

「久しぶりね、沢井くん。圭吾がいなくなったバスケット部は楽しいかしら?」

 自殺した親友の遺族から浴びせられるこの口撃は、思春期の少年にはつらすぎます。さらに真紀子は「鎌倉からいじめをなくす会」の顧問弁護士を同伴し、校長や日向先生を威嚇します。マスコミや弁護士を味方につけた真紀子は裁判に訴え出るとのこと。あまりにもハードな展開に、日向先生だけでなく、視聴者もついていくのに必死です。

 圭吾の自殺、バスケ部顧問・辻先生(神尾佑)の襲撃事件……と暗い内容が続き、視聴率も泥舟のように沈みつつあった『明日の約束』ですが、第4話は5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と前回の5.4%よりわずかですが微増しました。ドラマの後半、自暴自棄になった長谷部は「辻先生を襲ったのは俺です」と虚偽の自供によって警察に連れていかれますが、日向先生やバスケ部の仲間たちが力を合わせ、長谷部のアリバイを証明する動画を警察に提出します。ビバ、青春! なんという学園ドラマの王道的な展開でしょう。

 警察から解放された長谷部は「動画でピンチになった俺が、動画に助けられるなんて」と苦笑しますが、これは『明日の約束』にも言えそうです。従来の学園ドラマとは異なる超ハードで斬新なドラマを目指してきた『明日の約束』ですが、分かりやすく視聴者に安心感を与える学園ドラマのフォーマットを使ったところ、視聴率がアップしたわけです。

 日向先生は恋人・本庄と無事に結ばれるのか、それとも母親・尚子との新しい関係性を模索するのか。そして関西テレビは社会派ドラマとしてのテーマ性に徹底的にこだわるのか、それとも視聴率アップによろめくのか。次回の『明日の約束』もいろんな意味で見逃せません。
(文=長野辰次)

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