毒蝮三太夫が『ごごナマ』で船越英一郎に夫婦問題をぶっこみまくる! その毒舌は、愛に溢れた荒療治だ

毒蝮三太夫が『ごごナマ』で船越英一郎に夫婦問題をぶっこみまくる! その毒舌は、愛に溢れた荒療治だ

『人生ごっこを楽しみなヨ』(角川新書)

 毒舌を売りにするタレントが数多い昨今だが、「毒を吐くには“免罪符”が必要だ」とはよく言われる話。

 例えば有吉弘行の場合、「地獄を見た」と自身で公言する低迷期が「やさぐれて当然」というバックボーンにつながったかもしれない。マツコ・デラックスはそもそも“異型の人”だし、オカマタレントに毒舌の免罪符が持たされるのは世の常である。

 同じことを言っているにもかかわらず「この人になら言われてもOK」というラインが、人の内には存在する。不思議なものである。

 

■「夫婦仲良く!」と檄を飛ばす毒蝮と、目が泳ぐ船越

 

 毒舌の元祖といえば、やはり毒蝮三太夫の名を挙げないわけにはいかない。お年寄りに向かって「ジジイ、ババア! このくたばり損ないが!」と語りかける彼のトークには愛を感じるし、その毒舌が受け入れられるのも当然だろう。

 そんな毒蝮が、11月16日放送『ごごナマ』(NHK)に出演した。「毒舌なのに愛される理由」と題し、「ジジイ!」「ババア!」と言い放つコミュニケーション術に番組はフォーカスを当てている。

 それにしても、毒蝮の放つ言葉は、いちいち至言だ。「俺にとって、これは毒舌じゃない。ただのしゃべり言葉」だと断言する彼。事実、言われた当人が笑顔になり「元気が出た」と帰っていく姿を見れば、人が恨みに思う非難中傷の類ではないことは明白である。

 この毒蝮の“しゃべり言葉”の砲弾が、この日、思わぬ相手に何発も放たれている。それは、司会の船越英一郎。

 確認しておくと、毒蝮と船越は役者として過去に二度も父子を演じたことがあり、また2人は日大芸術学部の先輩後輩の間柄にある。毒蝮は船越のことを「英一郎!」と呼ぶほどの仲睦まじさだ。

 この距離感を計算に入れてか、毒蝮は船越に向かっていきなり「英一郎、お前んところも落ち着いて! お互いにプライベートは大丈夫か?」と、ぶっこみにいく。対して「ええ、ウチは落ち着いております」と返す船越。

 初っ端からヒヤヒヤもののやり取りだが、ここまでは、まだ助走。この日、毒蝮は“悪気”からではなく“心配”という感情から、船越へのぶっこみを連発していったのだ。

 ジャケットにTシャツという船越のファッションを見て「いつもTシャツなんだねぇ。そんなに貧乏なの?」と私生活の状況を探りにかかるかと思いきや、「顔が良くなってきたよ!」と船越の顔つきを褒める毒蝮。「あっ、そうですか?」とリアクションする船越であったが、顔が良くなってきた理由として毒蝮が持ち出すのは、やはり夫婦問題だ。

毒蝮 顔が良くなってきたよ! 家のこともホッとして。

船越 いやいや、ありがとうございます。

毒蝮 そうだろ? 落ち着いて。人相良くなったよ。京都の尼僧院の阿弥陀様みたいな顔になったよ。

 ここで、たまらず美保純が助けに入る。

美保 人相悪い時もあったんですか?

毒蝮 あったよ〜! やっぱり出るよ、顔に!

美保 あっ、溜まってる時? いろいろ。

毒蝮 うん、ストレスが溜まれば。やっぱりね。でも、俺はいつも機嫌のいい人を作りたいなと思ってる。

 このやり取りを傍らで聞く船越の表情は、まさに“苦笑い”という表現がピッタリで、「ハッハッハ」と笑い声を上げながら、毒蝮の言葉を終始受け流しっぱなしだ。

 まだ、終わらない。まだ、いじるのだ。自身の愛妻家エピソードを語っている際、それを聞く船越の表情を見て「目が虚ろだな、お前! 今、泳いでたよ(笑)」と指摘する毒蝮。船越は首を横に振りながら「全然、泳いでません(苦笑)」と否定していたが、それにして毒蝮のツッコミはキツすぎる。

 まだまだいく。船越が日芸の後輩であると思い出すや「しっかりしろ、お前! いいか? 夫婦仲良くだぞ!」と檄を飛ばす毒蝮。しかし、船越と松居一代は離婚調停中。それを知る美保が「もう終わったんじゃないですかね?」と助け舟を出すと、船越も苦笑いで「もう終わりました、そこ」と発言。「新しく(恋が)もしあったらやり直すんだって、人生」と、美保が船越の思いを代弁し、なんとか場を丸く収めた。

 

■毒蝮流、笑いに変える荒療治

 

 一連の騒動によって船越の動向が一時期は注目されたが、彼は通常運転を貫いた。松居一代による動画投稿も、いつしか沈静化。もはや「あれは何だったんだ?」という状態に落ち着いている。

 そして、今では船越が騒動についてネタにされる場面を各番組でチラホラと目撃することは可能だ。状況が好転したことの表れだろう。

 確かに、今回の毒蝮ほど船越への“いじり”をガッツリする人は皆無だった。ただ、これは時が過ぎたことの証な気がしてならない。

 また、船越にとっても「蝮さんにいわれるならしょうがない」という心境だったのではないだろうか? 他のタレントがやれば場の空気がピリ付きそうな気もするが、毒蝮の人徳とキャリアに今回は救われた。

 この日、毒蝮は船越に対して「彼も苦労した」とねぎらいの言葉をかけている。人生は山あり谷ありだが、笑いに変えてしまえればもう大丈夫。「臭いものに蓋をする」の逆を行く、毒蝮流の荒療治である。
(文=寺西ジャジューカ)

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