“質の高いドラマ”では、もう数字は取れない!? 2017「年間ドラマ大賞」は1ケタ視聴率のTBS系『カルテット』

“質の高いドラマ”では、もう数字は取れない!? 2017「年間ドラマ大賞」は1ケタ視聴率のTBS系『カルテット』

TBS系『カルテット』番組公式サイトより

 エンタテインメントビジネス誌「コンフィデンス」(oricon ME)が主催し、有識者と視聴者が共に支持した“質の高いドラマ”を表彰する「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」が、2017年の年間各賞を発表し、「作品賞」には、TBS系『カルテット』(1月期)が選ばれた。

 同ドラマ出演者では、松たか子が「主演女優賞」、高橋一生が「助演男優賞」、吉岡里帆が「新人賞」を受賞。高橋はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』での演技も評価されたが、2番手で出演したフジテレビ系『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?』(10月期)は、評価の対象から外された。なお、「脚本賞」も同ドラマの坂元裕二氏が獲得した。

 そのほか、「主演男優賞」は、フジ系『刑事ゆがみ』(10月期)の浅野忠信、「助演女優賞」は、NHK連続ドラマ小説『ひよっこ』(17年前期)の和久井映見が選ばれた。

「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」は、15年に設立され、同年7月期より毎クール、有識者と視聴者が共に支持した“質の高いドラマ”を選出している。視聴者約700人を対象に、ドラマ満足度調査(オリコンドラマバリュー)を行い、その累積平均データと、審査員の投票結果とを合計し、最終的には有識者による審査会で決定される。16年より、「年間大賞」が設けられ、同年はTBS系『逃げるは恥だが役に立つ』(新垣結衣主演)が「作品賞」を受賞した。

 17年のクールごとの「作品賞」は、1月期が『カルテット』、4月期が『リバース』(TBS系/藤原竜也主演)、7月期が『ひよっこ』、10月期が『刑事ゆがみ』。そのうち、『ひよっこ』以外の3作品は、平均視聴率1ケタ台に終わっており、ドラマのクオリティーと視聴率が反比例する結果となった。

「テレビ番組は、バラエティが主流の時代で、視聴者の趣向も変わりました。なかなかドラマでは視聴率が取れなくなり、2ケタに届けば、ヒットと呼ばれるようになりました。そのドラマも、質より、気軽に見ることができるコメディタッチの作品が好まれるようになったのが現実です。事例を挙げれば、今期の日本テレビ系『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演)のようなライト感覚の作品が高視聴率を取ったりするわけです。『カルテット』のように、奥深く作られたドラマは敬遠される傾向にあります。その意味では、今後、質の高いドラマでは、もう数字が取れなくなっていくかもしれませんね」(テレビ誌関係者)

 17年は、NHK朝ドラ『べっぴんさん』(芳根京子主演)、『ひよっこ』、そして、テレビ朝日系『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』第5シリーズ(米倉涼子主演)が20%超えを果たした。そのほか、TBS系『陸王』(役所広司主演)、フジ系『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』(山下智久主演)、TBS系『A LIFE〜愛しき人〜』(木村拓哉主演)などが高視聴率をマークした。だが、『ひよっこ』以外の作品は、この賞では、あまり高い評価を得られていない。

 スポンサーあっての民放局にとっては、視聴率は絶対的なもの。質の高いドラマを作ろうとしても、数字が伴わないなら、“数字が取れる作品”を作っていくしかない。このように、ドラマ制作は、とても難しい時代に突入したといってよさそうだ。
(文=田中七男)

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