キョドコこと吉岡里帆、涙のロストヴァージン!! 巻きストール=貞操帯だった『きみ棲み』第7話

キョドコこと吉岡里帆、涙のロストヴァージン!! 巻きストール=貞操帯だった『きみ棲み』第7話

TBS系『きみが心に棲みついた』番組サイトより

 下劣男に神の制裁!? ついに結ばれる2人──。そんなサブタイトルが謳われた『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第7話。吉岡里帆演じるキョドコがロストヴァージンする日がやってきました。「マジかよ?」と思わず星名の口調でつぶやいた視聴者もいるかと思います。自己評価の極端に低い女子・キョドコはいかにして処女を喪失したのでしょうか。『きみ棲み』第7話を振り返りましょう。

 小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコは下着メーカーに勤める28歳のOLです。職場の上司である星名(向井理)とは大学時代にこじらせた関係でしたが、異性との交際経験はこれまでありませんでした。第6話で星名がプレゼン会議をうまく誘導したことで、キョドコが参加している新ブランドが正式に発足します。堀田(瀬戸朝香)と八木(鈴木紗理奈)のデザイナー2人体制と決まり、職場のみんなは万々歳です。プロジェクトから外された飯田(石橋杏奈)を除いては。

 職場での自分の居場所をようやく確保したキョドコでしたが、恋愛に関してはまだまだキャリア不足です。漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)と久しぶりにディナーデートしますが、吉崎と元カノである人気作家・成川(中村アン)が最近また懇意にしていることが気になって食事が楽しめません。恋愛とは相手の過去やら周囲の思惑やら、いろんなものから目を閉じて先へ先へと渡る綱渡りのようなもの。でも、キョドコの脳裏には華やかさを振りまく成川の存在がちらついてしまい、吉崎との心の距離を感じてしまうのでした。

 家族愛に溢れ、仕事にも熱心な吉崎ですが、担当する漫画家・スズキ先生(ムロツヨシ)が連載中の代表作『俺に届け 響け!』のテレビドラマ化の話を喜んでいないことが気になっています。『届け 響け』に登場する女装男子を普通の女の子にしたいとテレビ局側が言ってきたことをスズキ先生は納得できずにいたのです。女優デビューさせたい新人がいるというのがテレビ局側の言い分でした。新人を女優デビューさせたいって、つまり芸能プロダクションのゴリ押しってことですよね。大手芸能プロダクションのゴリ押しには、TBSも手を焼いているのでしょうか。しれっと自虐ネタが盛り込まれた『きみ棲み』第7話です。

 どこまで相手の立場になって親身に考えることができるか。そんな問題を突き付けられた吉崎は、さらなる衝撃映像にショックを受けます。吉崎を慕う後輩編集者の為末(田中真琴)がバーテンの牧村(山岸門人)から渡された映像には、大学時代のキョドコが部室でストリップしている姿が記録されていました。交際相手の知られざる過去を知った吉崎、どーする!?

 為末はキョドコがいかにビッチな女であるかを訴えたかったものの、これは完全に裏目に出てしまいます。過去のストリップ映像にキョドコが苦しんでいたことを理解した吉崎は、悪意渦巻く牧村のバーへとカチコミを掛けるのでした。「俺も星名もあんたが嫌いなんだよ」「目の前に悪意があったら、どこまでいい人でいられるんだろうなって」と薄ら笑いを浮かべながら牧村は挑発します。キョドコがいつも首に巻いているネジネジストールは大学時代の星名が巻いたものであることも明かします。キョドコの心は、今も星名に支配されたままだと告げるのでした。

 牧村は雑魚キャラであって、本当の敵ではありません。人間は生まれた環境や過去から逃れることができない―。そんな大きな命題に吉崎は立ち向かうのでした。折しも、元凶・星名もバーへと現れ、「若気の至りでした。まさか小川さんが本当に脱ぐとは」とまるで心のこもっていない謝罪をするのでした。でも、牧村の挑発にも、星名の逃げ口上にも吉崎は惑われません。キョドコをはじめ、みんなが吉崎のことを「いい人」と言いますが、今の世の中は「いい人」なだけで生きていけるほど甘くはないのです。牧村が10年前の盗撮映像を見てニヤつき、キョドコがひとりで落ち込んでいる間も、「いい人」でいるために人知れない努力を吉崎は払ってきたのです。暴力に訴えることなく、吉崎は懐に用意しておいた武器を取り出すのでした。

■原作とドラマ版では異なるキョドコの処女喪失相手

 場面変わって、キョドコのアパート。夜更けに予期せぬ客がドアをノックします。吉崎でした。校内ストリップをやらかした理由を吉崎に打ち明けることができずにいたキョドコですが、吉崎は過去を問いただすことなく一枚の書類を差し出すのでした。それは星名たちと交わした誓約書で、動画はすべて消去すること、脅すようなこともしないと明記されていました。「もう過去に怯える必要はない」と断言する吉崎には、後光が差しているかのようです。キョドコにとっては、神さま、仏さま、吉崎さまです。

「私、幸せです。今、死んでもいいくらい」と泣きながら喜ぶキョドコを、「今は困る」と吉崎は優しく押し倒します。このシチュエーションで、やるべきことはただひとつです。吉崎はキョドコの知恵の輪みたいにネジネジされたストールをほどき始めます。キョドコにとっては、このネジネジストール=貞操帯でした。星名によって装着された貞操帯が10年の歳月を経て、ついに外される瞬間を迎えたのです。「あっ……」「ダメ?」「ダメじゃないです……」というキョドコと吉崎のやりとりが、妙にエロティックに響いて聞こえる第7話のクライマックスでした。

 原作ではキョドコがロストヴァージンした相手は大学時代の牧村でしたが、牧村との初SEXエピソードの代わりにドラマでは校内ストリップが描かれていたので、キョドコの初体験の相手は晴れて吉崎となったのでした。地上波テレビなので露骨なベッドシーンはなく、ストールをほどかれたキョドコが吉崎のキスを受け入れ、なすがまま状態になった後は、あっさり翌朝を迎えます。出社したキョドコを見て、堀田や八木たちは驚きます。それまでずっと巻いていたネジネジストールをキョドコはしていなかったからです。ずっとストールで隠されていた首や胸元が露出しただけで、キョドコのイメージがずいぶんと変わるのでした。メガネっ子アイドルとして売り出した時東ぁみが「裸になるより、メガネを外すほうが恥ずかしい」と言いながらセミヌード写真集を出したことが、なぜか思い出されました。

「私、女の喜びを知りました」と職場のみんなに言わんばかりの勝ち誇った表情のキョドコ。彼女の首にストールがないことに気づいた星名は大ショックです。「マジかよ?」とひとりごちながら、自分が考案した貞操帯を外したキョドコの解放された姿に目を白黒させるのでした。

 落ち込む星名の心理状態に比例するかのように、視聴率は第6話の6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から6.5%へとさらにダウンしました。第7話のエンディングでは、殺人罪で服役していた星名の母親(岡江久美子)に星名のストーカーと化した飯田が接近するシーンが映し出されました。第8話の予告では、星名は「死にてぇ……」としょぼくれています。星名の呪縛からキョドコが解放されたのと同時に、星名はこれから転落人生を転がり落ちることになりそうです。破滅へと向かうデーモン星名にとって、“いちばんの味方”は一体誰になるのでしょうか? 幸せを手に入れたキョドコ以上に、星名が滅びの美学をどう見せてくれるのかがとても気になります。
(文=長野辰次)

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