丸坊主じゃないICONIQがキーマン『海月姫』ラストは、稲荷と佐々木がくっついてほしい!

丸坊主じゃないICONIQがキーマン『海月姫』ラストは、稲荷と佐々木がくっついてほしい!

フジテレビ系『海月姫』番組サイトより

 オタク女子だけが住む共同アパート天水館を舞台とする月9ラブコメディ『海月姫』(フジテレビ系)。天水館買収の危機を救うため、アパレルの富豪(カイフィッシュ・賀来賢人)の誘いに乗り、デザイナーとして海外へ行くことを受け入れた月海(芳根京子)を、仲間が取り戻そうと奮闘する第9話の視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、やや上昇。打ち切りもなかったようで、ラスト2回!

(前回までのレビューはこちらから)

■ファヨンはあのICONIQ

 天水館住人(尼〜ず)や蔵之介(瀬戸康史)、修(工藤阿須加)が月海へ想いを伝えようとゲリラ出演したテレビ番組(『たけ散歩』)を見て涙する月海は、決心がぐらつくが、カイに天水館がなくなると脅され、戻ることを諦める。

 月海はパスポートができるまでの期間、カイの作ったクリエイターが集まるサロンで基礎を学ぶが、そこでデザイナーらしき女子に月海の作った服を「利益にならない服なんて、ただのゴミ」だと否定される。

 カイの部下・ファヨン(伊藤ゆみ)にも大量の焼却待ちの在庫を見せられ「お金を産むために、お金を燃やし続けるんです」と言われるが「それじゃ結局は何も残らないってことですよね」と月海は納得できない。その言葉にハッとするファヨン。その後もファヨンは「これからは馴れ合いでドレスを作っていた時とは違う」と月海にきつく当たるが、真意が見えない。ちなみに伊藤ゆみは10年以上前にエイベックスからデビューしていた、あのICONIQ(アイコニック)。もちろん今回五厘刈りではないが、変わらぬ美貌で終盤のキーマンとなる。

■カイに想いを寄せているファヨン

 海外に行くのは月海の本意ではないはずと信じる蔵之介と修の異母兄弟、兼恋敵コンビは共に月海を探すが、運転手の花森(要潤)の仲間の事情通・すぎもっちゃん(浜野謙太)のアイデアでカイのブランドのモデルオーデションを受け潜入することに(女装した蔵之介のみ)。

 カイのいるホテル(月海の居場所)を聞きだすも、スタッフから「自分の周りの才能ある女と片っ端から寝るのが社長の悪い癖」だと聞き、慌てる蔵之介。

 ホテルで見張っていたファヨンに「あなたは月海さんのなんなんですか?」と問われ、悩みつつも蔵之介は「こ、恋人だよ」と言い切った。だが、その時のファヨンの安堵のリアクションから、カイのことを想っていることを見破った蔵之介は、自分が月海を取り戻せば、カイはファヨンの元に戻ってくる、だから居場所を教えろと持ちかけ、揺さぶる。自分の気持ちは曖昧なのに、人のことはすぐにわかるのは、あるっちゃある話だ。

 蔵之介とのことがあったからなのか「独創的な彼女のデザインは、うちのビジネスモデルには合わない」と詰め寄るファヨンに、共に過ごした孤児だった時代の話を始めるカイ。

「(親になってくれる大人をいつも待っていたが)選ばれたのは、金持ちが捨てた真っ白いシャツを着ていたやつだった」
「月海となら、この世界を変えられる」

 カイは、自分が育てるクリエイターに必ず白いシャツを着せていた。あの手この手で満たされなかった過去への復讐をしているのだろう。

■稲荷と佐々木がくっついてほしい

 月海のパスポートが出来上がる日、「月海奪還の最後のチャンス」(蔵之介)として、都内のパスポートセンター各所を手分けして見張る尼〜ずと助っ人たち。文句を言いつつ律儀に見張る稲荷(泉里香)が、すっかり味方になっている。その際、修と2人でタッグを組んだ稲荷の同僚・佐々木(安井順平)が張り込みつつ、修に尋ねる。

「一度ちゃんと聞きたかったんだけどさ、うちの稲荷翔子は全然脈なし?」

 修を利用しようと色仕掛けで近づいた稲荷は、今や修のまっすぐさにほだされている。

「好きとか嫌いとか、そういう感情は一切ありません」と、はっきり答える修に「それ絶対あいつに言わないでね、一番傷つくやつだから」とフォローする佐々木がいい。

 登場当初、完全に尼〜ずを見下していた稲荷が、必死に聞き込みをするまやや(内田理央)らに心を動かされていく様子も悪くない。前回、修と稲荷がくっついてほしいと個人的な願望を書いたが、よく考えたら佐々木と稲荷って実にいいカップルだ。もはや絶対付き合ってほしい。

 それはさておき、カイ側が仕掛けたであろうおとりに翻弄され、パスポート受け取りの月海を押さえられなかったメンバー。

 なんとか月海は成田に向かったらしいと情報を得るが高速は渋滞……。

 しかし! 鉄オタ・ばんばさん(松井玲奈)が時刻表を脳内で検索、最適なルートを導き出すという大活躍ぶり! ナビタイムとか使えば誰でもわかるんじゃ……とか考えてはいけない。蔵之介にルートを説明しつつ、ばんばの目に見えているであろう多くのウインドウが空中に浮かぶ描写は近未来的で、思わず『マイノリティ・リポート』のトム・クルーズみたい! と叫んでしまいました。ちなみにこの時、松井玲奈が前髪を上げ、初めての「顔出し」。原作では、おそらく次回やるであろう場面で「顔出し」するのだが、長らくばんばの子分と化してきた花森(要潤)がおののく姿が見れたのがよかったです。

 空港に蔵之介と修が駆けつける展開は、いかにも懐かしのザ・月9。

「あなたは我々に消費されるべき人間ではありません」と付き添いのファヨンがギリギリで解放してくれ、間に合わなかったと思って落ち込む2人の前に月海が現れる展開も王道。

 蔵之介と「やったな月海!」「はい! やりました!」」と浮かれかけるも、「本当によかった」と修に唐突に抱きしめられ、固まる月海。テンションの上がった顔が、スッと悩むような顔に変化する芳根の芝居がいい。これは何を意味するのか。

■働く尼〜ず

 今回、「私たちが一人ひとり自立していないと、月海が無事に戻ってきた時、安心して戻って来れない」(千絵子/富山えり子)との思いから、なんと生粋のニート・尼〜ずたちが働き出すというオリジナルの展開に。

 まやや→ティッシュ配り、千絵子→コーヒーショップ店員、ジジ様(木南晴夏)→パソコン事務。そしてばんばさんは企業でまさかの受付を担当、申し込んだ方にも採用した方にもメリットのない謎の人選。しかし、それぞれ過剰に虐げられつつ(ジジ様以外)も慣れない仕事に必死に向き合う姿が熱い。

 月海は帰宅後、天水館がなくなる覚悟で、自分を取り戻すため尼〜ずが動いてくれたことを知る。追い出されるくらいなら明日自ら出て行くと語る尼〜ずと食事をするのも、もうこれが最後。その尼〜ずが稼いだ金で作ったすきやきを頬張りつつ、月海は「おいしい」と涙する。

 そして、修がイタリアで買った指輪を月海にはめつつ「僕と結婚してください」と正式にプロポーズ。それを黙って見つめる蔵之介。三角関係の結末は、もちろん次回の最終回。

 次回はカイが再度、日本に月海を取り返しにやってくるみたいだし、安達祐実の怪演が見事だったノムさんや、その他オールスターキャストも結集。

 シンガポールで月海がそこそこ長く過ごす部分は今回ごっそり省いていたが、どうやら駆け足ながら全17巻のラストまで描くようなので、最後まで見届けたい。とりあえず、稲荷と佐々木がくっつけば筆者的には相当満足です!
(文=柿田太郎)

関連記事(外部サイト)