韓国初上陸!『孤独のグルメ』雷波少年に出てた“あの人”がゲスト同行するも、やはり五郎は独り飯……

韓国初上陸!『孤独のグルメ』雷波少年に出てた“あの人”がゲスト同行するも、やはり五郎は独り飯……

テレビ東京『孤独のグルメ』番組公式サイトより

「来ちゃいました、初韓国」

 旅ロケっぽい独り言で始まった今回の『孤独のグルメ』(テレビ東京系)は、韓国編。ドラマでは過去に一度、台湾を訪れているが、それ以来の海外。原作では、かつていたパリを再訪し、元カノ(小雪)を思い出しながらアルジェリア料理を食す回があるが、それともまた違うドラマならではのコミカルな雰囲気。地元ゲスト登場も、どこにいようと井之頭五郎(松重豊)はマイペースに一人で飯を食う。第9話「韓国チョンジュ市の納豆チゲとセルフビビンパ」。

(前回までのレビューはこちらから)

■ゲストは『ハングル講座』に出演中の彼と『雷波少年』にも出てた彼女

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 空港から登場かと思いきや、いきなりタクシーでソウルの住宅街に乗り付ける五郎。

「アイウォントゥーゴーヒヤー」

 片言の英語で道行くおばさまに道を尋ねるも、韓国語で答えられて、いきなり撃沈。貿易商という仕事柄、もう少し海外慣れしててもよさそうだが、この頼りない柔らかさがいい。

 なんとか商談先にたどり着くも、その社長(ソン・シギョン)に、すぐ全州に行き、ヨーロッパ向けのアンティーク商品をチョイスしてほしいと頼まれる。

 公式Twitterによると、ソン・シギョンは番組冒頭のナレーションを暗記していたり、過去に登場した店を訪れたりしている番組の大ファン。そのためか五郎と対面するシーンから喜びが溢れてるように見える。ちなみに現在、Eテレでハングル講座にも出演中。

 結局、彼の部下のパク・スヨン(パク・チョンア)に通訳などアシストしてもらいながら、全州市で伝統工芸品(傘や古家具など)を選ぶ五郎。しかし、飯屋の看板を見るなり仕事中なのに腹減りタイム。パクが事務所で資料をまとめている隙に、すぐさま一人で店探し。普通こういう時は同行してる人と飯を食いそうなものだが、ミスター孤食・五郎はおかまいなし。

 座敷タイプの「俺好み」の店を見つけると「言葉わからなくて追い出されたらそれまでだ」と、前向きに覚悟を決め入店。

 ちなみに、パク・チョンアは元ジュエリーという女性グループで、14年ほど前に日本デビューもしており、それ以前にも『雷波少年』(日本テレビ系)でのシンガポールからソウルまで歌を歌いながら旅する企画に参加していたので、そっちの記憶で覚えている方も多いかもしれない。

■とめどなく運ばれる膨大な皿数

 しかし、かつての台湾編では中国語が読めないなりに「海鮮」だとか「排骨」だとか漢字で手がかりをつかめたが、ここでは値段の数字表記以外、メニューのハングルが一切読めない。

 仕方ないので、一番安いのを頼み、出てきたものを見て、その後を考えるという作戦を決行。

 なんとか6,000ウォンの「チョングッチャン」を注文したはいいが「一体俺は何を頼んだんだ」と自問する五郎がおかしい。

 すぐさま、肉や野菜の皿が並べられ、「へーこんな感じかあ」と、ひとまず安心しかけるも、店のおばさんはとめどなく皿を運び続ける。

 すでに7皿。薬味や白米の茶碗入れたら10皿だ。そこに、ぐつぐつ煮えたぎる石鍋まで到着。約600円でフルコースのような品揃え。まさに「おかずのテーマパーク」。品数におののきながらも、ひとまず白米があることに安堵する五郎。

「もう大丈夫。鬼に金棒、俺に白飯だ」

 まずはチェユックポックム(豚肉の唐辛子炒め)で白米を食べ、「美味い!」と喜ぶやいなや、すかさず「違う違う」とおばさんがカットイン。いきなり出鼻をくじかれる。ステンレス製のボウルにおかずを少しずつ入れて、ハサミで切り刻んで白飯と混ぜて食えという。ここでようやく、これがセルフビピンパだと気づいた五郎。

 ナムルを各種(モヤシ、大根、白山菊)に、キムチ、目玉焼き、豚肉唐辛子炒めを入れて、さらに小粒なさつま揚げを甘辛く似たようなものも入れかけると、それは入れずに食べろと、またカットイン。ちょっとしたトラップだ。

 とりあえず、さつま揚げ以外全てハサミで切り刻み、白米と、コチュジャンを入れて、さらにぐつぐつの石鍋のスープの底に沈んでいる納豆も入れろと言われ、驚きながらも従う五郎。

 この石鍋の料理が「チャングッチョン」(納豆チゲ)で、実はメインはこれだ。

 豆腐や野菜も入って煮立つ汁をひとすすり、日本の納豆汁とはまた違う旨さらしい。

 ようやく完成したビピンパに、海苔をたっぷりかけ、かぶりつく。

「これだけいろんなものを適当に混ぜてこんなにおいしくまとまるって、どうなってるんだ?」と驚きながら、スプーンで次々と胃へ投入。

「まさにビビンパマジック」

 五郎の食べっぷりを見て、今度ビピンパを食べる機会があったら是非納豆も加えてみようと強く思った。

 そして、ビピンパには混ぜるなと言われたさつま揚げ。これはオデンという料理で、甘辛味。別にこれも混ぜてもよさそうに思ってしまうが、五郎も「美味いけど、これはビピンパに入れるもんじゃない、危ないとこだった」と言っているので、馴染まない味なのかも知れない。

 さらにサンチュに味噌を塗り、ビピンパを乗せて、巻き巻きしてかぶり付く。さらに大きな白菜キムチの葉でも巻き巻きアレンジ。絶妙な酸っぱさがうまいらしい。こういう作業をしている時の五郎の顔は、いつ見ても楽しそう。

■ようやく食べ終わったと思ったら、さらにもう一品……

 ペロリと1セット目を平らげると、おもむろに上着を脱ぎ、落語家が噺に入るかのごとく、新ビピンパ製造に取り掛かる井之頭亭。

 先ほどは入れなかった「新たな武器」ごま油も投入。

「全てを放り込んで、切るべし切るべし切るべし」

 さらに青唐辛子も入れて、

「肩の力を抜き、腕全体の力がしなやかに器に伝わるように混ぜるべし、混ぜるべし」

 前回の『あしたのジョー』パロディがよほど気に入っているのか、今週も引きずりまくる。

 気になるお味は「誰がなんと言おうと絶対に美味い」というくらい一杯目を凌駕する出来。

「初めて来た全州の街で最高の飯に出会えたことに、心からカムサハムニダ」

「もしも、またこの店を訪れることがあれば、この納豆汁ビビンパに再挑戦しよう。そしてさらなる高みを目指そう。そして見るんだ、誰も見たことのない納豆汁ビビンパの頂点を……! ごちそうさ……」

 いかにも締めっぽい五郎渾身の独り言の終わり間際、当たり前のように運ばれてくる一品。

「え? まだなんかあるの??」

 食いしん坊な五郎が驚くほど、終わらない宴。

 運ばれてきたのは「ヌルンジ」という、おこげを煮たシンプルなおかゆスープ。韓国では定番の締めの一品。

「それにしても600円でこの品数ってどうなってるんだ? いいのか? こっちが心配になるほどのサービスだ」と、改めて驚きを噛みしめる五郎。

 基本、アジアの国は、残すくらい食べさせるのが美徳のような考え方があるので食事の量は多めなのだが、韓国もご多分にもれず、多い。

 教えてもらったばかりの韓国語で「マシーソッソヨー」(美味しかったです)と店の外から声をかけるほど充実した韓国初日。次回は本場で焼肉!「骨付き豚カルビとおかずの群れ」。
(文=柿田太郎)

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