平野レミ、伝説の生放送第6弾『もてなし家族に福きたる!』朝から「チン汁」発言でNHKをかき乱す

平野レミ、伝説の生放送第6弾『もてなし家族に福きたる!』朝から「チン汁」発言でNHKをかき乱す

「NHKオンライン」より

 16日の朝、ご存知「生ける放送事故」こと平野レミ先生の型にとらわれない奔放な調理スタイルを堪能できる半期に一度の(一部にとっての)大型娯楽特番『もてなし家族に福きたる!平野レミの早わざレシピ』(NHK総合)が放送された。

 今年1月の放送以来半年ぶり、第6弾となる今回も「生放送で何品作れるか?」「どんな奇抜なメニューが登場するのか?」と楽しませてくれつつも、予定調和をぶち壊す破天荒ぶりをかましてくれた我らがレミ先生。

「NHK」「午前中」「料理番組」という縛りをもろともしない、今回起きた「事件」とは?

■半分、青(い)汁?

 まず、朝ドラの終了後すぐ、つまりこの番組の開始すぐ、『半分、青い。』出演者である中村雅俊を迎えて作り上げたのが、青汁を牛乳で割ったその名も「半分青い汁」。先生のレシピ名は基本ダジャレだ。

 これだけなら、ただの飲みやすく(?)マイルドにした青汁なのだが、それをプラスチックストロー規制の流れをいち早く取り入れ、長ネギの筒で飲ませるというこだわりぶり。

 しかし、中村が飲み出した瞬間「すごくまずいけどね」と身も蓋もなく言い放つ。このあけすけ感がたまらない。

 正確には「体にとっても(いい)=良薬口に苦し」と続けて言うための「すごくまずいけどね」発言で、そもそもこのメニューは『半分、青い。』に寄せたネーミングありきで、番組側に頼まれて作ったと思われるが、それでも自身の料理をはっきりと「まずい」と言って笑える人柄がたまらない。

「でも全然(味は)大丈夫ですよ」と、中村もいつもの人柄の良さを見せていたが、それに対し「大丈夫だってさ! よかったね」と他人事として喜ぶレミ先生。一枚というか、一次元うわ手だ。

「半分、苦い。」との中村の上手いコメントに、手を叩いて喜ぶレミ先生を見ていると、もうレシピとか味なんてどうでもよく思えてくる。

■「チン汁」はすごく美味しい?

 そして今回のクライマックスはなんと言っても「くるくる角煮」の時に飛び出した珍ワード。

 この料理は豚バラスライスで作る時短角煮風料理。下ごしらえした豚バラ肉(ぐるぐる巻き)をしばらく電子レンジで加熱し、その時に出た肉汁をタレに入れることで美味しくなるという旨の説明をしている時に、その事件は起きた。

「何が大事かってこの『チン汁』よ!」

 確かにレンジすることを「チン」と表現してはいたものの、朝8時台のNHKとは思えないパワーワードが炸裂。

 その瞬間ニヤリと悪い顔になる父親役の中山秀征。

「チンした豚の汁ですね」と進行の塩田慎二アナウンサーがすかさずフォローを入れるも、「略してチン汁」と蒸し返す中山。

 それを受け「このチン汁がすごく美味しいのね」と意味深に加速してしまうレミ先生。

 さらに悪乗りして意味なく「チン汁」と発する中山に釣られ、先生もオウム返しに「チン汁」と繰り返す。パブロフのレミ。

 いたたまれなくなったのか、ずっとスルーしていた妻役の吉田羊が「何度も言わなくていいです」と無邪気な先生(71)をたしなめる。

 しかしレミ先生は逆に「なんで? なんで?」と食いついてしまうという地獄のループ。正確には「なんでなんでなんでなんで?」と4回言っていた。鈴木蘭々の如く。

 笑顔の塩田アナが「早くいきましょう」と社員生命を懸けて割り込む。

 厳密には笑顔というか、気を抜くと不謹慎な笑い方をしてしまいそうな表情を、フラットな「笑顔」で塗りつぶしている感じ。それでもたまに含み笑いが溢れていた。これは仕方ない。

 ちなみにこのくだりの際、長女役の小芝風花は嵐が過ぎ去るのを待つべく、懸命に気配を消していた。

 顔を強張らせた小芝がやっと笑えたのは、レミ先生の知り合いのフランス人が「肩こり」と「片栗(粉)」を間違えていたという、唐突な小噺の時。同情しかない。

■先生がやや慣れてしまった感も……

 他にもレミ先生は、景気付けのように布巾や食材(今回はパクチー)を調理台や鍋に叩きつける、もしくは叩きつけるように放り込むといった意味のない強肩ぶりを披露してくれたり、パセリを木に見立てて「おっ立て」たり(カフェオレパスタ)、ピータン豆腐にゼラチンを入れ強度を堅牢にして、天高く「おっ立て」たり(おっ立てピータン豆腐)と、前回の「おったて鯛」に続くおなじみのおっ立て癖(へき)を見せてくれた。

 今回気になったのは、レミ先生の「時間に追いやられる切迫感」が薄まっており、おしゃべりに夢中になって手を止めてしまうなど、仕方ないことなのだが若干の「慣れ」を感じてしまったこと。

 前回までにあった「時間内に終わらせないと本気でヤバイ!」という必死さがなく、そのため今回は序盤からフルスロットルで突っ走る、あのしっちゃかめっちゃかな高揚感が薄まってしまったように感じた。

 それでも「チン汁」といったワードが出るあたりさすがなのだが、次回からはもっと追い込むような縛りなり、ペナルティを設け(先生すみません)、先生のむき出しな「野生」を喚起していただきたい。果たしてそれがNHKとして正解なのかは別として。
(文=柿田太郎)

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