波瑠『サバイバル・ウェディング』、石原さとみ『高嶺の花』に惨敗も、「最高の最終回」と視聴者大絶賛のワケ

波瑠『サバイバル・ウェディング』、石原さとみ『高嶺の花』に惨敗も、「最高の最終回」と視聴者大絶賛のワケ

日本テレビ系『サバイバル・ウェディング』番組公式サイトより

 22日に最終回を迎えた波瑠主演『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)。視聴率は8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と0.4ポイントアップしたものの、これまでの推移を見ると、10.4→10.8→7.6→7.8→9.1→9.1→9.7→7.4→8.0→8.4と、下がったり上がったりを繰り返しつつも、序盤の勢いを保つことはできませんでした。

 しかし、視聴者からは「最高の最終回」との声が上がっているようです……。いったいなぜなのか、まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

■さやかの「選択」は……?

「『riz』で仕事続けたい」と、正直な気持ちを祐一(吉沢亮)に打ち明けたさやか(波瑠)。2人の結婚は一旦保留になり、さやかは婚活コラムの書籍化の話を受けることに決めます。

 そんな中、さやかのライバルでもあった川村製薬の栗原美里(奈緒)から、婚活コラムの王子様は自分であると聞かされ驚く祐一。勝手にネタにされていたとなれば、普通は怒りたくなるのが当然かと思いますが、コラムを読み返した王子は、さやかの元を訪れ「感動した」「仕事続けてほしいとも思った」とまさかの大絶賛。「俺も夢諦めないから。パーティーで必ずインド行きを認めてもらう」と告げて、去っていくのでした。

 その翌日、編集長・宇佐美(伊勢谷友介)にも来るように言われ、さやかは柏木コーポレーションの創立記念パーティーに顔を出します。祐一は父・惣一(生瀬勝久)にインドでの起業を許可してくれるよう頼み込みますが、「どうしても行くなら俺と縁を切ってから行け」と突っぱねられてしまいます。経営者としてさまざまな苦労を経験してきた惣一は、全てを失い、自殺を考えたこともあったそうです。「そんなことを全て受け入れるだけの覚悟ができているのか?」と問われたさやかは、祐一に涙ながら「私たち一緒にいるべきじゃない。ごめん」と謝ります。

 そんな2人の様子を察し、惣一に一言物申しに行くという宇佐美。せっかく海外版「riz」のスポンサーになってくれたというのに、なぜ自分のためにそこまでするのかと、さやかは止めに入りますが、「お前が俺の部下だからだ」とかっこよくキメて、宇佐美は惣一の元へ。

「コム デ ギャルソンのデザイナーが誰だか知っていますか?」と、OLから転身し、世界的ファッションブランドのオーナーまで登りつめた川久保玲を例に出しながら、これまで腰を低〜くしてごまをすりまくっていた惣一に、祐一の起業を認めるよう、宇佐美は強気な態度で詰め寄ります。

 さらに、「周りからなんと言われても、絶対負けるんじゃねえぞ」と祐一を励まし、さやかには、「今のこの時代、お前の仕事は世界中どこだってできる。恐れずにどんな場所でも飛び込んでみろ!」「大切なのはどんな選択するかじゃない。自分が選択した人生を強く生きるかどうか、ただそれだけだ」と名言を残して、会場を追い出されていきました。

 そんな宇佐美の背中を見たさやかは、「祐一さんの独立を認めてください」「きっとお義父さんみたいになりたいんです」と再度惣一に頭を下げ、さやかの言葉に心を動かされたのか、惣一は「勝手にしろ」と、ようやく認めてくれました。

 そうしてついに覚悟を決めたさやかは、「何年かかっても必ず迎えに来る」と言う祐一に、「私、行くから」「無職になったら、私が養ってあげる」と男前に宣言。2人は今度こそ結婚を決めたのです。

 結婚式当日。祐一の提案もあり、両親が離婚しているさやかは、惣一への謝罪のために坊主になった宇佐美と一緒にバージンロードを歩くことに。赤いじゅうたんの上を歩きながら、「そのドレス、最高に似合ってるぞ。……胸のないやつのほうが似合うからな」と、素直じゃない宇佐美の背中をさやかがど突いたところで終了しました。

■視聴者の期待に応えた幸せな結末

 9話が終了した時点では、いったいどうなることかと思いましたが、視聴者の期待通りさやかは祐一と結婚できたし、婚活コラムの本も出すことができたし、猛反対していた惣一も本当は息子がかわいくて仕方ないようなので、もし祐一が事業に失敗しても何らかの手助けをしてくれそうです。

 それに周りの人たちも、元カレ・和也(風間俊介)は新しい会社で頑張っているようですし、8話でバイトスタッフ・りょうにゃん(小越勇輝)に振られた編集部の奥園ちゃん(ブルゾンちえみ)も宇佐美の戦略のおかげで彼と付き合うことになったりと、絵に描いたようなハッピーエンドを迎えました。

 これには視聴者も、「スッキリ終わってよかった!」「久しぶりに最終回が面白かったドラマ」「綺麗にまとまりつつもハッピーな気持ちになれた最高の最終回で言うことなし!!」と納得のようです。

 筆者としては、本人を目の前にして「祐一を好きになったのだって、かっこよくて、ちゃんとした会社で働いてるから」と、ド直球な本音で結婚を断っておきながら、編集長の言葉で案外あっさり自分の決断をひっくり返したさやかの変わり身の早さには驚いたし、心境の変化については全く理解することができませんでした。結婚って、そういう勢いも大事だったりするんでしょうね、きっと。

 宇佐美はさやかのことをどう思っていたかですが、結婚式で「つらくなったら戻ってきていいんだからな」と思わず涙ぐんでいたところを多香子(高橋メアリージュン)に「本当はさやかのこと好きなんじゃないんですかぁ〜?」と冷やかされ、「好きじゃねえよ!」と否定していました。

 その言葉が本当なら、さやかのために捨て身でクライアントである惣一に楯を突いたり(その後は自宅謹慎となり、取締役への昇進の話も白紙になりました)、結婚式の日に「本当に結婚できたら買ってやる」と言っていたルブタンのハイヒール(詳しくは9話のレビューを参照)をプレゼントしてくれたり、普段はちょっと横暴だけど、部下想いのめちゃくちゃいい上司。両親が早くに離婚しているさやかにとっては、父親のような存在でもあったんじゃないでしょうか。ネット上でも、「最後の最後まで最高の上司」「ひたすらカッコ良かった」「編集長とさやかの関係めちゃすき!」という声がたくさんみられました。

 当初は“奇抜な髪型の変人”くらいにしか思っていませんでしたが、恋愛テクニックで周囲を幸せにできるのに、そのわりに自分のことは全然で、仕事人間かつ部下想い……。宇佐美は個人的に幸せになってほしい人No.1です。

■同じラブコメでも、石原さとみ主演『高嶺の花』とは全く違う

 また、ネット上では、同じく日テレで放送されていた水曜ドラマ『高嶺の花』と比べて、「美男美女のカップルをみると癒やされるんだね……」「顔がよくないとラブシーンがドキドキしないと思い知らされた」「『高嶺の花』よりよっぽどいいエンディング」「視聴率は高嶺の花より下なのが納得いかねー」という意見も。

『高嶺の花』は、美人華道家と自転車屋の冴えない中年男が恋に落ちるという“格差恋愛”を描いたストーリーで、全話平均視聴率は11.4%を記録。『サバ婚』は全話平均8.9%で、今期民放4局のゴールデン・プライム帯の連続ドラマ14作品中、『高嶺の花』に次ぐ9位でした。

『高嶺の花』は時代錯誤的な内容や、石原さとみと銀杏BOYZ・峯田和伸の2人のラブシーンに不快感を示す視聴者が多く、特に女性視聴者からの批判的な声が多かったようです。“美女と野獣”的な設定は、どちらかというと、男性視聴者に夢と希望を与えるようなストーリーだったとも言えるかもしれません。

 一方の本作は、アラサー女性が年下のイケメン御曹司に出会い結ばれるといういわゆる“シンデレラストーリー”。多少のご都合展開はありつつ、元カレに振り回されてボロボロに傷つく描写なんかはとってもリアルで、そのいいバランスが保たれていたため、視聴率的には負けてしまいましたが、女性視聴者からウケがよかったんだと思います。

■“新視聴率女王”波瑠はパワーダウンも……

 NHK朝ドラ『あさが来た』でブレイク後、立て続けにドラマに出演し、主演作が2作連続で視聴率2ケタ台を記録するなど、「新視聴率女王」との呼び声も高かった波瑠ちゃん。先ほども書きましたが、今作は全話平均8.9%と、数字だけ見るとパワーダウンは否めません。

 しかし、見た目こそ崖っぷちのアラサーのわりに最初から綺麗で違和感がありましたが、彼女の素がサバサバしているからなのか、宇佐美との掛け合いのシーンはとってもナチュラルに嫌味なく演じていたし、祐一とのシーンもキャピキャピしすぎず、大げさすぎず、落ち着いて見ることができました。演技に無駄がなく、邪魔するものがないので、何のストレスを感じることなくストーリーに集中することができたんだと思います。波瑠ちゃんの持ち味が十分生かされていて、ハマリ役でした。

 また、宇佐美を演じた伊勢谷さんも、昨年秋に放送された『監獄のお姫さま』(TBS系)で演じたイケメン社長に続き、今回もキャラの濃すぎる役を魅力たっぷりに演じきっていたし、スーパー爽やかイケメン王子を演じた吉沢くんにとっても、世の女性陣、特にお姉様方からの人気をますます集めた出世作になったことは間違いないでしょう。ラストのタキシード姿もかっこよかった!

 さてさて、波瑠ちゃんにとって、日テレ連ドラ初主演となった本作。数字のわりには視聴者の評価が高いようなので、黒歴史化は避けることができたんじゃないでしょうか。「さやかと祐一の新婚生活が見たい!!」という声も多いだけに、スペシャルドラマとして帰ってくる可能性も無きにしもあらず……。

 なお、宇佐美が恋しいという人は、ドラマの原作の続編『サバイバル・ウェディング2 わたし、ひとりで生きていけますが結婚しないとダメですか!?』(文響社)をチェックしてみてはいかがでしょうか。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

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