『さすらい温泉』遠藤憲一と元ICONIQが、石崎ひゅーいの演奏で熱唱! 金剛地武志も加わる豪華ユニット

『さすらい温泉』遠藤憲一と元ICONIQが、石崎ひゅーいの演奏で熱唱! 金剛地武志も加わる豪華ユニット

テレビ東京系『さすらい温泉 遠藤憲一』番組公式サイトより

「遠藤憲一が俳優を引退する決意のもと、温泉で派遣の仲居をやっている」という設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)第10話。

 今回は、改名してなお美人度が加速する伊藤ゆみ(元ICONIQ)がマドンナ。主題歌を担当する石崎ひゅーいの演奏で遠藤とデュエットを披露。振りかえります。

(前回までのレビューはこちらから)

本当の遠藤も温泉好き

 今回も、遠藤のリアル知人に「彼が引退を考えてるらしい」と投げかけるインタビューからスタート。ある知人は「それはない」と否定するが、ある知人は「全然不思議じゃない。あいつだったら辞めちゃいますね」とやけに納得している。

 ただ前回「あんまり驚かないかも、もしそうだったとしても。ていうのは……」と、思わせぶりな編集で終わった知人(伊藤さん)の続きは無し。気になります。

 ちなみに今月発売された本『さすらい温泉 遠藤憲一 極上温泉ガイド』(TAC出版)によると遠藤は本当に温泉好きで、3日くらい休みが続くとすぐ温泉に行くという。

 奥さんの実家が北海道のニセコで温泉だらけとか、昔そこの露天風呂に入ってたらラグビー部の集団が入ってきて、細い身体を見られるのが嫌でのぼせてるにもかかわらず、なかなかお湯から上がれなかったなど、温泉エピソード多し。

 

おしんでも登場する銀山温泉は『千と千尋』のモデル?

 今回の舞台は山形・銀山温泉。

 昨今は大正ロマン溢れる街並みがなんとか映えするらしくさらに人気のよう。

 調べてみるとたしかにテーマパークのような異国感があり、特に夕暮れのトワイライト時に街の灯りが燈ると、一気にその雰囲気は倍増、物語の一場面のよう。

 世に数多とある「『千と千尋の神隠し』のモデルとなった」説がここにもあるのだが、行った人の感想を見ると建物や橋、街灯りなど、近い雰囲気が確かに感じられるよう。

 ちなみに、宮崎先生いわく「いろいろな温泉が入ってて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入ってる」と愛媛の道後温泉以外は、特定の地名での明言はしてはいない(第4話で出てきた渋温泉の金具屋旅館もモデルによくあげられる旅館)。

 だが「お墨付き」はなくとも、幻想的な雰囲気や唯一無二の存在感に変わりはない。

 ちなみに劇中でも触れているがこの温泉を一気に有名にしたのはNHKの朝ドラ『おしん』で、おしん(小林綾子・乙羽信子)の母親(田中裕子)がこの温泉街で働いてました。

 

手島優がいざなうテレ東感

 冒頭、女将役の手島優が登場した瞬間、ジブリ気分もおしん気分も吹き飛ぶ。

 何もしなくてもテレ東感が一気に増強される絶妙なキャスティング。もちろん入浴シーンもありました。

 ちなみにマドンナは手島でなく、歌謡歌手をしていた父親の痕跡を探しにやって来た尾藤優美(伊藤ゆみ)。

 健さん(遠藤は仲居の時は中井田健一と名乗っている)と手島女将で優美の身の上話を聞くシーンは、内容といいメンバーといい同局の『じっくり聞いタロウ』を彷彿とさせる。

 そこで提示された父親・ペリー尾藤の写真。古めかしい青いジャケットに蝶ネクタイ、マッシュルームカットでポーズを決める男性。よく見たら金剛地武志。

 配役に何クセかある今回。面白い。

 30年前、歌手として最後に訪れた地であるこの温泉街で、父親がやり残したと語っていたことを知りたいという優美。生前、仲が悪かった分、その思いは強いようだ。

 尾藤父の手がかりを探す中、健さんが道端でギターを弾いていたミュージシャンに声をかけると、なんと番組の主題歌を歌う石崎ひゅーい。

 一瞬のカメオ出演かと思いきや、「ねえ、こけし好き?」と意味深な質問をぶつけてくる。

 実はこの石崎演じる磯崎はこけし職人。

「この子はよしえって言います」

「名前ついてるんだ……」

 巨大なこけしを抱いた磯崎と健さんのやりとりの後ろで固まってる優美。楽しい。

 よしえを生きた赤ん坊のように撫でたり健さんに抱かせたりする磯崎。

 今をときめく菅田将暉やあいみょんとプライベートで演奏したりしてる人なのに、何をしているんだ石崎ひゅーい。

 ちなみに調べてみると『おしん』で、売られていくおしんに母がこけしを持たせてやるシーンがあるのだが、それがここのこけしらしい。

 感動のアイテムが悠久の時を経てコントの小道具に。ここのこけしを指定したという橋田壽賀子先生も驚かれていることだろう。ご覧になっていたらの話だが。

 

遠藤憲一が初歌唱

 磯崎の話によると、磯崎父が実行委員をやっていたという「銀山温泉歌謡ショー」でオーバーブッキングがあったという。チラシに尾藤父の名前はなく、出演したと思い込んでいた優美はショックを受ける。

 健さんは、いつものようになんでも出てくるトランクバッグから取り出した、なぜか持ってるペギー尾藤と全く同じステージ衣装に身を包み、磯崎の演奏で歌い出す。

 父との思い出の曲「見上げてごらん夜の星を」を聞いて優美は思い出す。

 オーバーブッキングした歌謡ショーのスタッフに無下に断られ、引退を決めていた記念のステージを踏めず泣きながら土下座して出演許可を請う父の姿を。

 金剛地武志の「最後のステージ」にこだわる芝居が胸を打つ。

 優美は忘れていたが、その時横で見ていたのだ。頭を地べたに擦り付けて土下座する父の姿を。娘に約束した最後の勇姿を見せられずもがく男の涙を。

 歌う健さんが本物のペギーの姿になっている。幼い優美が笑顔で拍手を送っている。

 そして健さんの姿に戻ったかと思うともう一本のマイクを優美に渡す。デュエットだ。

 感動的なシーンなのだが、驚異的にマッシュルームヘアが似合っていない健さん。爬虫類顔に丸みを帯びたフォルムは収まりが悪いのか、顔だけアイコラみたいに見えてくる。

 だが、そんなことは御構い無しに銀山温泉の夜景をバックに「親子」の歌声が響く。

 ここは最後金剛地武志の姿にしてあげたい気もしたが、えもいわれぬパワーのあるシーン。後藤庸介監督はバックショットを効果的に使いますね。

 さらに、父が亡くなる前に一人で近くの神社を訪れ、絵馬で娘の幸せを願う願掛けをしていたことがわかる。

 父のやり残したことが全て自分のためだったとわかり感無量の優美。

 健さんはほぼ毎回、その地にゆかりのある歌を口ずさんでいるのだが(今回は花笠音頭)、本気の歌は初めてで、わかっていたけどそんなに上手くはない。しかしまっすぐで誠実な歌い方でした。

 そして、ラストは石崎本人によるギター一本での生エンディング演奏。後ろに普通にお年寄りが足湯に入ってるのに、ギターをかき鳴らしシャウト。かっこいい。

 カオスながら感動的な回となった今回。

 そろそろ最終回かと思いきや、月をまたぎつつ、残り2回ある模様。Paraviで過去作も見られるので復習しながら待ちましょう。
(文=柿田太郎)

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