『俺のスカート、どこ行った?』は正統派学園ドラマだった! 古田新太が女装する必然性はあるのか……

『俺のスカート、どこ行った?』は正統派学園ドラマだった! 古田新太が女装する必然性はあるのか……

日本テレビ『俺のスカート、どこ行った?』

 5月4日に『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)の第3話が放送された。

 原田のぶお(古田新太)は、明日に迫ったテストに向け張り切って授業を行っている。しかし、光岡慎之介(阿久津仁愛)が相変わらず欠席のままだった。テスト当日、校門の前で光岡と会った教師・里見萌(白石麻衣)は、彼の手を引いて教室へ連れていき、光岡はテストを受けることに。しかし、不登校が続いていた光岡は問題が解けず、隣の席の女生徒の解答をカンニングしてしまった。

 光岡は父を亡くし、働く母親(須藤理彩)の代わりに幼い弟妹の面倒を見ている。それを知った原田は、保育園へ弟妹を迎えに行く光岡に付いていった。そして、そのまま光岡の家に上がり込み、「全国の母親が幸せになれるようなサービスをつくりたい」という目標を持っていると光岡から打ち明けられた。

 後日、光岡のカンニング行為が学校に発覚する。決まりでは光岡は全教科0点になるが、「私たちが教えなきゃいけないのは、間違えてももう一度挑戦できる社会の優しさ」と原田は異を唱え、光岡のために2年3組全員が再テストを行うこととなった。

 この決定に不満を口にする生徒は多かった。3組の中心人物である明智秀一(永瀬廉)は、原田に「国語のテストでクラスの平均点が前回より高かったら1つだけ言うこと聞いてくれ」と持ちかけた。

 再テスト2日目、クラスメイトに責められることを気にした光岡は登校しなかった。原田は「お前のカンニングを許さない奴もいるだろう。私がミスくらい許せるクラス作ってやる」と、光岡を学校に連れてきた。クラスメイトに謝罪する光岡。しかし、みんなはあまり気にしていない様子である。テスト終了後、光岡はクラスメイトと仲良く下校した。一方、明智は誰もいない家に帰宅し、1人で涙を流していた。

毎週おなじみ原田の名言

 次第に脚本が整理されてきたか、1、2話に比べ今回はかなり見やすくなった印象だ。真っ先に印象に残るのは、毎度おなじみとも言える原田からの名言。カンニング行為が発覚した光岡に、同僚の長井あゆみ(松下奈緒)は「社会に出ると、一度間違えたら大変なことになる。間違いは許されない」と叱った。原田はそれを否定する。

「間違えることが許されないほうが間違えてるのよ。私たちが教えなきゃいけないのは、一度でも間違えちゃいけない社会の厳しさより、間違えてももう一度挑戦できる社会の優しさじゃないかしら」

 最近は、一度の失敗で集中砲火を浴びる芸能人が多い。子どもたちも、その姿をよく見ているはずだ。でも、「それだけの世の中ではない」と生徒に伝えていきたい。それが、原田の教育方針だった。

 クラス内の人間関係に動きが見え始めた第3話。ようやく、このドラマもエンジンがかかってきた感がある。

 何より、明智と衝突した東条正義(道枝駿佑)のハブられ方にリアリティがあった。といっても、明智が先導して東条をのけ者にしているわけではなさそう。周囲が勝手に明智と東条と天秤にかけ、パワーバランスで明智に付いたという感じだ。

 最も印象的だったのは、放課後の1シーンである。明智に声を掛けたクラスメイトが、勢いで東条の机の上にあった筆箱を落とした場面。すでに、視界に東条が入っていない事実を残酷なまでに表している。筆箱を拾う際の東条の表情には、憤りと切なさがにじみ出ていた。初回であれだけ威勢よく原田に突っかかっていたのに、落差がえぐすぎである。

 さらにリアルだったのは、この場面を目にしながら若林優馬(長尾謙杜)が何もしなかったこと。平凡な学園ドラマなら、若林も一緒に筆箱を拾うだろう。そして、仲良くなったりする。でも、若林は逡巡した。東条は自分をいじめていた張本人。自分をいじめの標的にしていた。最近まで的にしていた自分に助けられても……というためらいが彼にはあったはずだ。加えて、明智への恐怖心もある。原田の檄でマスクは取ったものの、ヒーローに変身したわけじゃない。この辺の心理描写はリアルだった。

『マツコ会議』へのバトンタッチは自然

 帰宅した明智は、なぜか1人で泣いていた。サッカーをやめ、夜はアルバイトに励む日々。家で家族は待っていない。成績優秀でスクールカースト最上位にいる明智は、クラスメイトに本当の自分を見せていないのだ。完璧を演じることで自分を守っているようにも見える。明智は闇を抱えている。

 第3話の主役は光岡だった。学校でトラブルを起こしても、家庭では彼は愛に包まれていた。明智とのコントラストはあまりに鮮明だ。

……と、生徒にフォーカスしてこのドラマを見ると、ちゃんと見どころはつかめてくる。つまり、今作はあまりにも正統派な学園ドラマなのだ。『俺のスカート、どこ行った?』というタイトルだが、教師より生徒に注目したほうがストーリーを楽しむことができる。このドラマが、とりわけジャニーズファンに好評なのも当然だろう。

 そうなると、古田新太が女装をする設定の必然性が疑問に思えてくる。風変わりな教師が過激なメッセージを放てば、実はなんでも良かった?

 ただ、このドラマを見て、後に続く『マツコ会議』(日本テレビ系)をそのまま見続けるのは、自然なバトンタッチではあると思う。

(文=寺西ジャジューカ)

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