『執事 西園寺の名推理2』スーパー執事、爆弾処理からフィギュアスケートまでこなす万能アピールで逆に魅力を損なう?

『執事 西園寺の名推理2』スーパー執事、爆弾処理からフィギュアスケートまでこなす万能アピールで逆に魅力を損なう?

テレビ東京系『執事 西園寺の名推理2』番組公式サイトより

 上川隆也がハイスペックな執事役で主演を務めるドラマ『執事 西園寺の名推理2』(テレビ東京系)の第3話が10日に放送され、平均視聴率5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.5ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 資産家の奥様・伊集院百合子(吉行和子)が後援するフィギュアスケートのチャリティー・イベントに足を運んだ西園寺一(上川)は、フィギュア選手の井上美波(庄司理紗)が、週刊誌のフリー記者・松田裕紀(山口馬木也)の殺害未遂&失踪事件を起こしたことを知り、調査に乗り出します。

 松田が腹部を刺されたのは昨夜の23時30分頃。携帯電話の通話記録から23時55分にその場にいたことが判明し、さらに現場近くの防犯カメラに走る姿が映っていたため、美波は犯行を疑われてしまったのです。

 美波と松田の接点を探った西園寺は、1年前に原田玲奈というフィギュア選手のシューズに細工をしてケガをさせ、引退に追いやった犯人として、松田が美波を非難する記事を書いたことを突き止めます。実際、玲奈が引退したことによって美波は、その後の大会で上位入選するようになったのですが、美波のライバル・渡辺楓(田辺桃子)もまた成績が良くなったため、西園寺は楓の策略なのではないかと疑います。

 そして西園寺は早速、楓と面会をするのですが、美波との不仲説はガセネタだということが判明。それどころか2人は一緒に練習をする仲で、昨夜も22時までリンクに居残っていたことが発覚します。

 その後、松田の身辺調査に切り替えた西園寺は、週刊誌の編集長・春日晃之(羽場裕一)からスクープを取るようプレッシャーを受けていたことや、美波の『知られざる裏の顔』と題した特大のスキャンダル記事を書いていたことを知るのでした。

 松田の部屋からはタブレットが紛失しているため、スキャンダルを揉み消すために美波が犯行に及んだのではないか……。そんな疑いを抱く西園寺ですが、防犯カメラに映る美波が手にするチケットのようなものが気になり、松田の領収書を調べることに。その結果、宮城への夜行バスの乗車券を購入していたことが発覚するのですが、同地には美波が亡き母親と滑った思い出のスケートリンクがあることを知り、急いで現地へと向かいます。

 するとそこには、美波の命を狙う春日の姿が。1年前、スクープを出すことに焦っていた春日は、玲奈の事件の犯人が美波だとでっち上げて松田名義で記事を執筆。しかしその後、松田が不正を弾劾する記事を書いたために刺し、そのデータが入ったタブレットを美波が持ちだしたために奪いに来たというわけだったのです。

 そこへタイミングよく駆けつけた西園寺が春日を撃退。意識を取り戻した松田と美波は和解し、一件落着となったのでした。

 今回はフィギュアスケートがテーマということで、浅田真央と亡き母親との関係性や、羽生結弦が東日本大震災の被害で練習場を失ったエピソードなど、現実のフィギュア選手を意識したようなエピソードが散りばめられていました。

 それはまあいいのですが、美波と松田の関係性が最後までハッキリせず、不完全燃焼といった感が否めませんでした。松田は美波のことを愛していたのか、あるいはただスケーターとして尊敬していただけなのか。宮城への夜行バスのチケットをなぜ用意したのかも、説明がなかったためさっぱりわかりませんでした。

 そのため、松田がスキャンダルではなく実は褒め記事を書いていたことを知り、意識を取り戻した彼に対して美波が涙を流しながら「ありがとう」と呟いたラストシーンに関しても、制作陣の意図とは裏腹にまったく感動が起きませんでした。

 また、今回は西園寺がフィギュアスケートの演技を披露するシーンがありましたが、いくらなんでもキャラ設定に無理があるように感じてしまいました。前回は爆弾処理をしましたし、あまりに常人離れしすぎているため、もはや視聴者を笑わせにかかっているようにしか思えません。

 前シーズンは常識の範囲内で“なんでもできる”感があったのですが、今シーズンは悪ふざけなのか、あるいはバージョンアップさせすぎてしまったのか、万能すぎるため逆に西園寺の魅力が損なわれてしまっているように思えます。欠点があるからこそ長所が輝くわけですし、オールマイティーなキャラを演じる姿が魅力的に映るのは、その役者のファンだけなのではないでしょうか。そのあたりが視聴率の低下に表れているような気がしてなりません。

 次回は西園寺の隠し子騒動が巻き起こるようですが、今までにない魅力を引き出す展開になるのか注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

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