『白衣の戦士!』タイトル回収のナレーションにツッコミ! 結局は、ナースが主人公の恋愛ドラマだった

『白衣の戦士!』タイトル回収のナレーションにツッコミ! 結局は、ナースが主人公の恋愛ドラマだった

日本テレビ系『白衣の戦士!』ドラマ公式サイトより

 19日放送の『白衣の戦士』(日本テレビ系)最終回の視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、9話から1.0ポイントアップ! 

 当初、『ナースのお仕事』(フジテレビ系)のパクリだと批判の声が相次いでいた本作がいったいどんな結末を迎えたのか、まずはあらすじから振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

 

はるかがナースを辞めさせられる!? 最大のピンチも……

 はるか(中条あやみ)と夏美(水川あさみ)が担当することになったのは、医院長の紹介で外科病棟に入院してくることになった都議会議員の五十嵐(東幹久)。彼は重度の甘党で、牛乳アレルギーがあり糖尿病を患っているにもかかわらず、隠れてお菓子をパクリ。病室を抜け出し食堂でシュークリームにかぶりつこうとする五十嵐を、はるかが思わず元ヤンモードで叱りつけると、「こんな看護師すぐに辞めさせろ」と逆ギレ。五十嵐は医院長に直接抗議したことで、はるかには何らかの処分が科されることになってしまいます。

 翌朝、師長・本城(沢村一樹)と指導係の夏美によるフォローのおかげもあって、医院長は「本人から話を聞こう」と便宜を取り計らってくれるのですが、肝心のはるか本人がまだ出勤しておらず、ピンチの状況は変わらず。

 しかし、はるかはただ遅刻していたわけではなく、出勤中に倒れている男性を見つけ、斎藤(小瀧望/ジャニーズWEST)と共に救護にあたり、命を救っていたのでした。

 また、外出許可をもらい娘の学芸会を楽しんだ五十嵐が、出先でパフェを食べてアレルギー反応を起こし病院に運ばれたことで、はるかが口うるさかったのは、五十嵐の体の心配だけでなく、「学芸会に行く」という娘との約束を守らせたかったからだと知り、はるかに謝罪。

 事情を知った医院長ははるかへの処分を取り下げ、無事、ナースの仕事を続けられることになりました。めでたし、めでたし。

・ほかに適任者がいただろうに、なぜ不安要素の多いはるかに五十嵐の担当を任せたのか

・牛乳アレルギーがある五十嵐がシュークリームを食べることを止めたくらいで、はるかが処分の対象になるのは無理がありすぎる

・本城の目の前で「(結婚は)妥協しちゃだめ」「好きこのんでひと回り以上も年上でバツイチで子供もいる人なんて……」と娘・夏美に言い放つ母・幸江が失礼すぎる

・幸江に2人の結婚を認めるよう口を挟むはるかは出しゃばりすぎではないか(フォローするなら夏美ではなく、ボロクソ言われてしまった本城のほうなのでは?)

・はるかの言葉を受けた幸江の心変わりが早い

・そもそも、親に結婚相手(仮)を紹介するのに、なぜいつものあの居酒屋にしたのか(病院のナースたちにバッタリ会ってしまう可能性を考えなかったのか)

 などなど、最終回でも挙げたらきりがないくらい、粗が目立ちました。でもそれを言ってしまうと、そもそも、内線もナースコールもさほど鳴らず、あんなにも人間関係が良好なナースステーションってあるの? と、その存在から疑わなければならないのでこのへんにしておきましょうかね。

 

結局、看護師が恋に奮闘するドラマだった

 最終回の見どころのひとつとなったのが、夏美と本城の恋愛模様。はるかのおかげ(?)で結果的に母にも認めてもらい、夏美から逆プロポーズしたことで、最終回にふさわしい幸せな結末を迎えました。はるかと斎藤も9話のラストでカップルになったし、「仕事に恋に悪戦苦闘する痛快お仕事ドラマ」の「恋」の部分はしっかり描き切ることができていたと思います。

 ただ、「これからこういう物語が始まりますよ〜」という導入的要素がほとんどの第1話から、

 2話:新入社員の苦悩
 3話:担当患者の死
 4話:ギャル娘と父の絆
 5話:ナースと医者の不倫
 6話:熟年夫婦の愛
 7話:シングルマザーと息子の親子愛
 8話:命の尊さと医師の覚悟
 9話:仕事に反対する父親と、反抗する息子

 と、看護師という仕事について毎回テーマを変えて描いてきたわりに、全話を通してみても、はるかは相変わらず感情の赴くままに突っ走っているだけだし、夏美ははるかの面倒を見ながら仕事への熱意をちょっと取り戻したくらいで、仕事面での成長ぶりはそこまで感じられません。大きく変わったこといえば、先ほども書いたように、はるかには斎藤という彼氏ができて、夏美は本城という結婚相手が見つかったことくらいです。

 8話のレビューでも書きましたが、このドラマ、「戦士」というタイトルのわりに恋愛要素が強すぎて、“戦っている感”がないんですよね。

 そのため、「2人が惹かれ合っていくシーンをもっと綿密に詳細に描いた方がよかったんじゃないかと思う」「小瀧くんと中条ちゃん画になるし、普通に恋愛ドラマ見たかった」といった、恋愛ドラマに振り切ったほうがいいという声もあり、お仕事ドラマとしては中途半端な印象が、最終回まで拭えませんでした。ひょっとすると、中条あやみちゃんと小瀧くんのラブストーリーのみに照準を定めたほうが、数字は良かったかもしれません。

 

ラストのナレーションは、アリ? ナシ?

 さて、このドラマが『白衣の戦士!』である根拠ですが、ラストシーンの、はるかと夏美のナレーションにありました。

はるか「看護師の仕事はまだまだうまくいかなくて落ち込むこともあるけれど、患者さんからの『ありがとう』の一言でまた頑張ろうって思える」

夏美「看護師の仕事は小さなミスも許されない。その責任の重さに逃げ出したくなるときもあるけど、いろいろな思いを抱えて頑張っている仲間たちの笑顔と決してあきらめない姿に勇気をもらう」

はるか「私たちは毎日命と向き合っている」

夏美「私たちは毎日命の現場で戦っている」

2人「だから、看護師は、白衣の天使じゃなくて、白衣の戦士なのだ」

 本来ならばストーリーでしっかりみせて視聴者に訴えかけるべきことを、主演2人にナレーションという形で言わせてしまうことで、かえって大げさな感じがして、シラケてしまいました。視聴者からも、「……おおお終わりかいっ!!」「『白衣の戦士なのだ!』って最後までダサい」「ラストで看護師とは……みたいなこと言い始めてふふってなっちゃった」などなどツッコミの声が。

 まあ、医者ではなくナースが主人公のドラマゆえ、大がかりな手術シーンはないし、ナースがいかに奮闘しているのかという部分は、わかりにくさや伝わりづらさがあったのかもせれません。とにかくナレーションがすべてであり、それ以上でもそれ以下でもないんだと思います。はい。

 ということで、最終回のレビューでした。

“『ナースのお仕事』の二番煎じ”と大批評を呼び、初回の10.3%以降はどんどん視聴率を落としたものの、重すぎないストーリーと、注目女優の中条あやみちゃんとジャニーズアイドル・小瀧くんのラブシーンのおかげで(?)終盤にぐんぐん数字を上げ、全話平均は8.7%を記録。思いのほか、踏ん張ったなあという印象です。とはいえ、続編の制作には物足りない数字。

 役者陣のバランスはよかった作品だと思うので、またどこかで勢ぞろいしてほしいものですが、果たして……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

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