『Iターン』救いのなかったムロツヨシに初めて見えた光明 ”牧歌的ヤクザ”古田新太と信頼関係芽生える

『Iターン』救いのなかったムロツヨシに初めて見えた光明 ”牧歌的ヤクザ”古田新太と信頼関係芽生える

テレビ東京『Iターン』

 8月2日に放送された『Iターン』(テレビ東京系)の第4話。ドツボ続きでまったく救いのなかった主役・ムロツヨシに、初めて光明らしきものが現れた回だった。同時に、ムロ自身にもひそかなキャラ変が起こり始めている。

第4話あらすじ トイレ中に白い粉を見つけるムロツヨシ

 岩切猛(古田新太)に命じられ、借金返済のため、土沼昭吉(笹野高史)と組んでキックバックを受け取った狛江光雄(ムロツヨシ)。そのお金は岩切への返済に充てる予定だったが、待ち伏せしていた闇金北島(アントニー)に奪われてしまう。無一文になった狛江は竜崎剣司(田中圭)からの甘い誘いを思い出し、竜崎組から500万円を借りることにした。

 岩切が待ち合わせ場所に指定するホルモン店へ着いた狛江は、店に入る直前、竜崎組組員から500万円が入ったバッグを渡された。店内で岩切を待っていると、狛江はおなかの具合が悪くなり、バッグを持ってトイレに向かう。そこでバッグの中を見ると、なぜか白い粉を発見! その後、岩切がホルモン店に到着すると刑事の城島豊(河原雅彦)が現れ、岩切と狛江の持ち物検査をし始める。刑事たちの目が岩切に向いている間、狛江は白い粉を烏龍茶に入れ、グイッと飲み干すことで事なきを得た。竜崎と城島は裏でつながっており、狛江に渡したバッグに白い粉を忍ばして岩切をハメようとしていたのだ。

土地ころがしで大金をつかむ経済ヤクザ VS 内職で折り鶴を作る牧歌的ヤクザ

 古田が仕切る岩切組と田中が仕切る竜崎組の違いが次第に鮮明になってきた。岩切組の組員たちはコワモテだけど、なんかかわいいのだ。かごに造花や折り鶴を積み、仲間と作品を褒め合いながら自転車を漕ぐ光景。土地ころがしで大金を動かす竜崎組とのコントラストはくっきりだ。トップに立つ者のポリシーや倫理観によって、同じヤクザでもまったく違う組織になってしまうということ。

 ヤクザのなんたるかがまったくわからず、事あるごとに慌てふためくムロに決してキレず、敬いながら指導する組員・桜井勇一(毎熊克哉)。ほかの組員から八つ当たりされるムロを献身的にかばう彼は重要人物だ。岩切組にはどこか牧歌的な雰囲気が漂っている。

 彼らに比べれば、意図的な誤植やキックバックを喜々として行う笹野高史のほうがよっぽど怖い。笹野は内職なんかしないだろうし。

 ホルモン店でのすったもんだは、原作小説でもかなり印象的なシーンだった。ここでの流れをムロは好演している。

 竜崎組から借りた金を大事に抱え、トイレでうんこするムロ。出し終わった後、尻を拭こうとしたのに紙がない! 迷った挙げ句、ムロは「1枚くらいいいですよね」と1万円札で拭こうとするのだ。明らかにムロは正気を失っている。普通なら自分のパンツや靴下、もしくはトイレットペーパーの芯を使うなど、もっとマシな手が思い浮かびそうなもの。テンパった人間が陥る判断力の欠如を彼はうまく表現している。

 すると、バッグの中から幸か不幸かムロは白い粉を発見してしまう。トイレの個室で繰り広げられる出来事がジェットコースターすぎて、さすがにかわいそうになってきた。しかも、竜崎組が用意したのは万札ではなく、ただのペラペラの紙だったし。ハメる気まんまん!

 古田がムロからバッグをぶん取ると、客を装っていた刑事たちが古田の身体検査をし始めた。ヤバイと思ったムロは、一か八か白い粉を烏龍茶に入れてグイッと飲み干す。これが、結果的に古田を救う形になった。

古田「そうかあ〜。お前、ワシを守ろうとしたのか」

ムロ「そうですよ! 僕は組長を守ろうとしたんですよ!」

古田「お前の中に、まだそんな男気があったとはな。その目を忘れんな。人間、目が腐ったら終わりやからのう」

 前回までは窮地になっても人に責任をなすり付けようとし、さらにドツボにハマるという負のループから抜け出せなかったムロ。しかし、今回は自らの判断で行動。結果、ギリギリで最悪の事態を免れることができた。ラッキーパンチが奇跡的にヒットし、ピンチをチャンスにしてみせた! まさに、自分で自分の尻を拭ったのだ。さらに、古田との間に信頼関係らしきものまで芽生えている。このドラマが始まって4話目で、初めて見えた光明だ。ただし、竜崎組との対立は決定的なものとなったが……。

田中「あのガキィ……!」

 裏では警察ともつながる田中圭陣営 VS 古田&ムロ陣営という構図がようやくはっきりした今回。そうでなくては、ムロと古田が並んで波打ち際を歩く牧歌的なエンディングもしっくりこないというもの。

 原作小説を参考にすると、『Iターン』はここからだんだん面白くなっていく。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

 

 

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