『Iターン』大物極道のようなすごみのムロツヨシ、迎え撃つ田中圭が史上最高のカッコ良さ!

『Iターン』大物極道のようなすごみのムロツヨシ、迎え撃つ田中圭が史上最高のカッコ良さ!

テレビ東京『Iターン』

 

 9月20日に放送された『Iターン』(テレビ東京系)の第11話。ヤクザの事務所にカチコミに行く、サラリーマンのムロツヨシ。彼が体現したのは、堅気の食えなさ、狡猾さ、そして強さだ。

第11話あらすじ 金属バットを振り回すムロツヨシ

 狛江光雄(ムロツヨシ)は、妻の敦子(渡辺真起子)に電話し、「会社、クビになるかもしれない。でも、家族を不幸にすることはしないから」と伝え、行きつけのホルモン店に向かう。そこへ、狛江に呼ばれた刑事の城島豊(河原雅彦)がやって来た。狛江は「市民の味方である警察がヤクザと手下なんて、情けないですね」と挑発し「正義なんざ、なんの銭にもならんやろが!」という言葉を城島から引き出した。狛江は一部始終をひそかに録音しており、「これを世に出す」と城島にほのめかす。城島が罪をでっち上げて狛江を逮捕しようとしたとき、うしろの席に座っていた男が城島の首にプラスチック爆弾を巻きつけた。その正体は、戦争時だけ招集される元傭兵で、岩切組組員の坊野洋平(阿部進之介)だ。坊野に脅された城島は、竜崎剣司(田中圭)が関東の極道・藤堂(蟹江アサド)と手を組んで阿修羅町を手に入れようとしていること、その手引きをしているのは青葉銀行支店長・瀬戸川達郎(手塚とおる)であることを白状した。

 狛江と坊野は岩切組にこの情報を持ち帰り、岩切猛(古田新太)は翌日の竜崎組へのカチコミを宣言。狛江は金属バットを振り回して覚悟を見せ、カチコミへの参加を岩切に認めさせた。

 当日の朝、目を覚ますと枕元には岩切の姿が。岩切は狛江に「“自宅に酔いつぶれた岩切がいて、もうやってられない”と竜崎に泣きつけ」と命じた。数名の手下を狛江宅におびき寄せることで、竜崎の事務所を手薄にしようという作戦だ。指示通り、竜崎に面会した狛江は「自宅に岩切がいる」と泣きつくが、竜崎に「猿芝居するな」とあっさり見破られてしまう。そのタイミングで、城島から竜崎の携帯に「あの広告屋、岩切を裏切りよったで。今朝、警察に“岩切が自宅で寝てる”って通報があったわ」と連絡が入った。坊野の脅しによる城島からの虚偽報告を信じた竜崎は、数名の組員を狛江の自宅に向かわせた。

 その後、トイレに行くふりをして狛江は非常口から岩切を竜崎組の事務所に侵入させる。その先には日本刀を持った神野晃(般若)が待ち構えていたが、岩切は金属バットで神野を撃退。先に進んだ岩切は竜崎の座るデスクに拳銃を向けたが、そこに座っていたのは竜崎ではなく黒田啓二(田本清嵐)。呆気に取られる岩切に、組員の陰に隠れていた竜崎が発砲。岩切はその場に倒れ込んだ。そこに藤堂と瀬戸川支店長が現れる。早く岩切を撃つよう藤堂は竜崎をけしかけるが、竜崎は岩切と狛江を地下室に連れて行くよう組員に指示。竜崎は藤堂に「俺に命令するな」とすごんだ。一方、地下室に連れて行かれた岩切は「すまんのう、巻き込んで」と狛江に告げ、意識を失った。

 周りに振り回され続け、そのたびに情けない泣き顔になっていたムロが変わり始めている。

 岩切組の情報を要求してくる河原に対し「竜崎組長は情報をいくらで買ってくれるんですか?」と迫る不遜な態度が堂に入っている。首にプラスチック爆弾を巻きつけられた河原に「もう、この件に介入しないでください。……約束できますか?」と釘を刺す際の声のトーン、すごみは、まるで本物の大物極道のよう。ムロの顔つきがどんどん漢になってきているのだ。

 最もムロの強さを感じさせたのは、カチコミの作戦会議をする直前に「作戦よりも大事なことがある」とチワワの昌三さんの散歩を申し出た場面である。流されない意志の強さ。あそこは胆力を感じさせた。

 しかし、昌三さんの前だけでは本音がこぼれるムロ。

「白状してもいいですか? 僕ねえ、実は……すごく怖いんです。これで人生が終わるかもしれない」

 ムロの言葉を聞く昌三さんの顔は、迷える者の声を受け止める度量の大きさを漂わせている。頼もしいのだ。『Iターン』のTwitter公式アカウントは9月20日に昌三さんの画像をアップ。そのハッシュタグには「真のボス」と記されていた。なるほど。

 そういえば、ムロは家族にも電話で弱気を吐き出していた。

「あのなあ、敦子。俺……会社クビになるかもしれない。でもなあ、信じてくれ。家族を不幸にするようなことはしない。アルバイトでもなんでもしてどうにかするよ」

 極道に揉まれ、覚悟することができた堅気のムロ。彼の成長と本音は、強さと弱さは表裏一体だと表している。サラリーマンは弱くもあり、強くもある。何しろ、岩切組と竜崎組が抗争するよう裏で絵を描いていたのは堅気の手塚なのだ。手塚はかつて「銀行も表の顔だけじゃない」と口にしていた。堅気の食えなさ、狡猾さ、したたかさ、そして強さを体現しているのがムロと手塚だ。

「皆さん。僕は明日、人生で最初で最後のカチコミに行きます。正直、今でも膝がブルブル震えています。でも、これはきっと武者震いに違いありません」(ムロ)

 人生で最初も何も、普通の人にカチコミの機会なんて訪れないだろうが、ムロは古田と2人で竜崎組にカチコんだ。

 迎え撃つ田中の頭がキレるのだ。ムロの猿芝居を見抜き、古田が乗り込んでくることを完全に予測。組長席にほかの者を座らせ、別の角度から古田を撃ち抜いて見せた。簡単に人を信用しない性分と洞察力、冷静な性格が田中の特徴だ。

 今夜放送の12話で、ついに最終回。どうやら田中は藤堂と手塚の真意に気づき、この2人とも対立するらしい。簡単に人を信用しない性分と洞察力、冷静な彼の性格が今夜も発揮されるということ。

 となると、「古田 vs 田中」の対立構造が一気に崩れ、予想外の結末に着地する可能性は十分だ。ドラマはすでに原作小説とは違う展開に進みかけており、行く末の予想が立てにくい状況にある。

 毎週、『Iターン』の放送が終わるや、田中圭ファンによる「カッコよかった!」という歓喜のツイートがSNSにあふれかえるのは恒例なのだが、11話の田中はカッコ良すぎた。“萌え”成分の高い演技をする機会が増えた田中。そう考えると「カッコいい!」のリアクションがここまで上がるのは、『Iターン』の竜崎役が初めてな気がする。

(文=寺西ジャジューカ)

関連記事(外部サイト)