キャッシュレス還元の落とし穴 ポイント賦与は税金がかかるかもしれないって知ってた!?

キャッシュレス還元の落とし穴 ポイント賦与は税金がかかるかもしれないって知ってた!?

さんきゅう倉田

「ポイント還元でもらったポイントも、税金がかかるって知ってた!?」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。10年前に東京国税局を辞めて、吉本興行で芸人になりました。当時は国家公務員だったので税金からお給料をもらい、現在は税金の記事や講演会でお金をもらっています。今も昔も税金で生活していますね。

 10月から、キャッシュレス還元事業がはじまりました。はじめてのことなので、わけがわからないと思いますが、まあ、“クレジットカードや電子マネーでお金を払うとポイントが貯まったり、値引きされたりする”と思ってください(対応していないお店もたくさんあります!)。
 
 ではどうしてこんなややこしい制度が始まったかというと、「増税で物が売れなくなると困る」とか、「現金で支払うと時間もかかるしお店が現金を管理するコストもかかるし国が貨幣を造るコストもかかる」などの理由があります(細かい理由を挙げたらきりがない!)。
 
 キャッシュレス還元に対応しているお店では、5%か2%の還元があります。キャッシュレスで買い物をしたときの取扱いは、決済方法によって異なります。

 例えばJCBの場合、ポイントを付与して銀行口座からの引き落とし時にポイント分を引き落とし額から引いてくれます。

 これ以外にも、いつでも使えるポイントの付与やその場で値引きをする場合があります。つまり、値引きとポイント付与とその中間が混在しているのです。

 では値引きとポイント、どっちが得なのでしょうか? この問いに対してもし、あなたがどちらも同じだと思っているのなら、数学が苦手かお金について何も考えていないことになります。家電量販店で、ポイント20%還元につられてモノを買ったことがありませんか?

 20%のポイントがもらえるのと、20%の値引きは意味がまったく違います。計算してみましょう。

→ポイントの場合

1万円を支払うと、2000円分のポイントがもらえます。このポイントを使うと、2000円分の物が買えるので、1万2000円分の物を、1万円で買ったことになります。

→値引きの場合

さて、1万円を支払うと、いくら分買えるでしょうか? なんと、1万2500円分買うことができます。1万2500円の20%引きが、1万円になるからです。

 つまり、値引きのほうが得、ということがわかります。

ポイント付与だと、税金がかかる!

 値引きとポイントは税金の面でも違いがあります。値引きは、その商品の値段が変わったのと変わりません。スーパーの野菜は毎日同じ金額ではありませんし、お惣菜がタイムセールになることもあります。セールのときに商品を買ったからと言って、買い物上手とほめられることはあっても、税金はかかりませんよね。こういうのは、一般的な、お店とみなさんの取り引きの範ちゅうです。

 でも、ポイントは、「もらえる」。

 ポイントをもらった人は、ポイントを使って、物と買ったりサービスをうけたりする権利がありますよね。つまり、ポイントがもらえるシステムは、お店との贈与契約なんです。あなたはお店から、ポイントの贈与をうけたのです。(※そのお店や商品、決済の方法、ポイントの内容によって扱いがちがいます)

 では、ポイントをもらったら、どうすればいいのでしょうか? お店からもらったポイントは使用すると、一時所得という所得になり税金がかかります(むずかしければ忘れてください)。

 でも、年間50万円までなら税金がかかりません。まぁポイントをそんなにたくさんもらう人はめったにいないはず(5%還元のお店で、1000万円分の支払い!)。もし、もらったら、もらってから考えてください。

☆今回のポイント
「値引きが得、ポイントは50万円分使ったら税金がかかるかも」

 値引きとポイントを同じだと考えていた人は、まだまだお金の勉強が必要です。正しい知識を身につけて、損をしないようにしましょう。

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

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