M-1グランプリ2019予選で突然注目を浴びた逸材! マセキ漫才の新星「赤もみじ」って何者だ?

 コントのザ・マミィ、漫才の納言。今、波に乗る2組に注目芸人をたずねたところ、くしくも4人の口から同じ名前があがった。その名は「赤もみじ」――。

 メディアで見たこともなければ、wikiのページもない。そんなコンビがなぜ注目されるのか? 超・先物買いのインタビューを行った。

2人 (落ち着かない様子で)今日、何で呼ばれたんですか……?

――最近芸人さんを取材している中で注目の若手を聞いたら、赤もみじさんの名前が次々とあがりまして。

村田 マジですか? 誰が名前挙げてくれたんですか?

――マミィさん、納言さん。4人全員からですね。

村田 おお……!

阪田 ありがたい……。

――正直、赤もみじさんの名前、知らなかったんです。

村田 そりゃそうですよ!

――でも、ゆにばーすさんの単独にも呼ばれているし、澤部渡さん(スカート)もツイッターで推しているし、波が来ている感が半端なかったんで、声をかけさせてもらいました。実際、芸人評価が高まってる感覚あるんですか?

村田 実は今年入ってからですかね、ちょっとだけありまして。人力舎の三福エンターテイメントさんが、僕らのことを言いふらしてくれてたんですよ。

阪田 そのときはまだ会ったこともなかったのに、動画か何かを見てくれたらしくて、いろんな芸人に「今、一番、面白い漫才師知ってる?」「誰ですか?」「……赤もみじ」(笑)。

村田 そこから「三福さんから聞いたよ。赤もみじでしょ?」と言われることが増えました。

――それは刷り込まれますね! お客さんの評価も上がってるんですか。

阪田 最近はやりやすくなってきました。事務所のライブでは、ボケで怒る人というキャラが知られるようになったので。

村田 ただ、よそのライブ出たらキッチンキッチンにスベることがあります。2018年のM-1は2回戦で、「お客さんが映った大きな写真の前で漫才してるのかな?」というぐらい反応がなくて……。最後、スベりすぎて僕も照れ笑いしてました(笑)。でも最近は徐々に反応よくなってきてます。前まではめっちゃ怖がられていたんですよ。僕、むちゃくちゃツバも飛ばしますし。

――村田さんの見た目、いかついですもんね。

阪田 でも根が明るくて、優しいんです。もともとおばあちゃん子で、母子家庭の長男で、責任感強いんですよね。

村田 ……うん。

――意外です。

村田 確かにめっちゃ明るいんです。コンビ結成した当初は、ぼそっと一言で笑わせる東京スタイルに憧れたんです。おぎやはぎさんみたいな。

阪田 センスある漫才がやりたがってたんです。

村田 でも、小さい声を出すのがストレスで、何も楽しくなくなってしまった。それで結成半年ぐらいから、今みたいに大声はりあげるスタイルに落ち着きましたね。

――赤もみじさんのネタは、村田さんが気に入らないことを執拗に責めていきますよね。もともと、ああいうこまかいところに絡んでいく性格なんですか。

村田 漫才で見せてるのは、ちょっと片隅にうかんだ本心を、過度に言う感じですね。普段はあんなに怒鳴ったりするタイプではないんです。日常でためこんで、ライブで血管切れてもいいぐらいに声出してます。

――小さいボケをたくさん入れ込むスタイルではないから、最初お客さんにハマらないと後が大変なんじゃないかな? とも思いました。

村田 そこは大丈夫です。マセキに入る前、1年ぐらい修業をしてたんで。

――修行?

村田 地下ライブに積極的に出て、普通の漫才をやってたんです。ここでネタができたらどこでもできるだろうと。

阪田 ただ、めっちゃスベりましたね。

村田 上半身裸で奇声あげる芸人さんばっかりみたいなライブで、どのイベントでも僕らが一番服着てましたから。そこで鍛えられて、スベるのはイヤですけど、焦らなくはなりました。だからウケてない時間も怖くはないです。

――赤もみじ結成までの経緯を教えてください。

村田 高校生の時から別々にやっていたんです。「ハイスクールマンザイ」に出ていて、僕が3年生、こいつが2年生で知り合いました。霜降り明星さんは僕より2学年上ですね。

阪田 そのころはそんなしゃべってなくて。お互いに顔を知っているぐらいでした。

村田 こいつのコンビは当時の相方がネタ作っていたんだけど、ブラマヨさんのネタをまるパクリしてたんですよ。

阪田 ワードを変えただけで、何が起きるかのフォーマットは一緒でしたね。

――それはウケるんですか?

阪田 高校生なんで、ウケるというより元気がよかったらいいというか……。

村田 僕のコンビは全然でしたけど、こいつは準決勝まで行ってました。その後、僕は大阪でフリーで芸人を1年だけやって、コンビで東京出てきたんです。トータルで4年ぐらいフリーでやってましたねえ。

阪田 事務所の入り方が分からなかったんですよね?

村田 養成所入るためにしていた貯金を、パチスロに使っちゃって……最悪です!

阪田 僕は当時の相方が「東京に行きたい」と言うんで、上京して東京のNSCに入りました。でも解散して、別の相方と組んでやってたんです。

村田 コンビ名「パスタ」、な。エゴサーチしても、10秒前にアップされた“おいしいパスタの画像”しかあがってこない。

阪田 美味しいパスタは日本中の人があげているから、ツイッターの更新も早いんです。

――「パスタ おもしろい」で検索しないと難しそうですね。

阪田 それはそれでおもしろい味のパスタが出てくるんで(笑)。そのコンビでは僕がネタを書いてたんですけど、1年経って、「もうネタ書けない、ムリだ」と思って。ちょうどその頃、村田さんがメシに誘ってくれたんですよ。

村田 僕もコンビを解散して、しゃべるヤツもいなかったんで。

阪田 東京で会ったのは初めてで、何やってるのか聞いたら、「月1回ぐらい舞台に出て、あとはパチンコとか競馬やったりしてヒマしてる」と。おもしろいこともネタ書けるのも知っていたんで、組みたいなと思って。それで前のコンビを解散して、フリーで一緒に始めたんです。

村田 漫才をやりたかったのもあって、こいつと組みました。そこからマセキのオーディションライブに出るようになって、大体1年ぐらいで事務所預かりになるんですけど……。

阪田 ちょうど1年ったころに、村田さんが路上禁煙してる姿をマネージャーさんに見つかったんですよ。それで「おまえらもうクビ」になりかけた。

村田 反省してます。結局、預かりになるまで2年かかりました。それが去年の6月ぐらいですね。

――赤もみじというコンビ名も気になるんですが。

村田 日本っぽい、和のコンビ名がいいと思ってたので、最初は「炎の武蔵」っていう案もあがったんですが、こいつが「それは名乗りたくない」って。元パスタが何言ってるねん!

阪田 いやー、炎の武蔵はちょっと(苦笑)。

村田 そのときバイトが一緒だった(同じ事務所の)ガクヅケの木田くんに、迷ってることを相談したら、「赤もみじ」を提案してくれたんで採用しました。最終的にはケータイアプリのルーレットを使って、「赤もみじ」か「炎の武蔵」かを決めようとなって、一発目に「炎の武蔵」で止まったんです。でも何事もなかったかのように「赤もみじ」に止まるまで回しましたね。

――ガクヅケさんの名前が出ましたけど、仲のいいコンビはいますか?

村田 同じ事務所のフェーは仲いいです。オーディションから一緒で、ユニットライブもやってますし。

阪田 彼らはコントも面白いんですよ。篠原さんの顔の圧が強くて、それ活かしたネタやってます。

――マセキは事務所がファミリーっぽい印象がありますね。

阪田 あー、そうかもしれません。少しだけいた吉本は人数多くて、ほぼフリーに近い感覚でしたけど、マセキは僕らでもウンナンさんに会える環境もあって。事務所に入ってるという感覚ありますね。

村田 先輩がたにもよくしてもらってます、きしたかのさんはコンビで。特に岸さんは一緒にいるとき、お金を一回も払ったことがないです。

阪田 子どもみたいに溺愛されてますね。僕はスタンダップコーギーの三森さんのYouTubeチャンネルを手伝ってるんですよ。昆虫撮るカメラを担当していて、それ終わりでおごってくれますね。寿司と焼肉しか食べているのを見たことないんです!

――ところでこれから世に出るため、「〇〇芸人」を名乗れるような個性ってあります?

村田 僕は借金とギャンブルです。

――そこは今、若手でも上が詰まってるジャンルですよ。

村田 そうなんですよ! しかもその中で比べると、ぼくの借金230万円は少ないほう。実は、相方に借りることもあって、その時は自転車立ち漕ぎして高円寺に向かってます。

阪田 でも一昨年、競馬で200万円当てましたよね?

村田 そうそう。その金で130万円あった借金を返済して、70万円の貯金ができました。でも結局その2週間後、競馬で130万円の借金ができて元に戻ったんですけど、あの時は調子乗りましたね……。サングラス買いましたから(笑)。

阪田 叙々苑も連れて行ってくれて。

村田 こいつと木田くんを連れていって、「好きなだけ食べて!」ですよ。

阪田 結局財布のお金では払いきれなくて、俺が貸してあげたんです。めちゃくちゃダサかったですね!

――昔の芸人気質ですね。

村田 使ってしまいますね。もともと裕福ではなかったので、お金なくても恐怖心ないんですよ。実家、砂壁でしたし。

――あと、阪田さんは芸名が「阪田ベーカリー」。相当なパン好きなんですか。

阪田 パン作りは好きです。今、自主ライブでパン配ったり、パントークの企画もやってますから。でも焦ってます。単なるパン好きレベルで、技量が追いついていないので。

村田 まだメロンパンとちぎりパンの作り方しか知らない。

坂田 芸名にしたのは、マネージャーさんが芸名を変えたがる人なんです。それでパン好きだから「阪田ベーカリー」はどうかと言われて。

村田 それをずっと拒否していたら、元号変わったタイミングで出てきたのが、「令和ベーカリー」。

阪田 親が僕かどうかさえわからない名前はイヤじゃないですか。それでせめて「阪田」の名前つけてほしいと妥協して、「阪田ベーカリー」になりました。難しいこと要求して、簡単な要求を飲ませる詐欺師の手法です!

――最後に、今後の目標を教えてください。

阪田 村田さんの借金返せるぐらいに稼ぎたいです。

村田 一撃で返したい。だから目標は月収230万円。

阪田 その目標、結構しんどいですよ。

村田 あと第7世代と呼ばれたいです。誰も呼んでくれないので。

阪田 入りたいですねえ。

――でも第7世代でくくられる芸人さんを取材すると、そんなに乗り気じゃなかったりしますよね。熱いのは四千頭身の後藤さんとEXITの兼近さんだけという説もあって。

村田 そうなんですか!?

――ザ・マミィさんは第7世代扱いされないから、第8世代を自称してました。

村田 じゃあ僕らもそっちで(笑)。

阪田 鮮度高い方がいいです。

村田 あと出待ちされたいですねえ。ライブの後、声かけてほしくてゆーっくり歩くんですけど、ゆーっくり駅に着きます。

阪田 見た目が怖いんでしょうね。

村田 やっぱりお笑いのモチベーションとしては、いっぱいモテてたいってのがあるんで。それで「村田、あんな可愛い子をふったの?」と驚かれたい。

――最近の若手って、「モテたい」より、純粋にお笑いが好きで芸人になった人、多くありません?

村田 いやー、絶対ウソついてるでしょ。モテたいです!

阪田 僕はモテたい気持ちはそこまで強くないです。前のコンビではネタ書いていて面白くなかったんで、今は村田さんが通った道をついていっていこうと思ってます。

村田 それなら、俺がふった女とおまえがつきあえばいい。「……えっ? あいつと今、つきあってんの?」をやりたいですね!

阪田 趣味悪すぎますよ!

 

●赤もみじ(あかもみじ)
村田大樹(左/ボケ)と阪田ベーカリー(右/ツッコミ)によるお笑いコンビ。マセキ芸能社、マセキユース所属。主な活動は、事務所開催のライブをはじめとした数々の舞台が中心。他社芸人の企画ライブからもお声がかかるほか、自主でユニットライブも手掛けている。M-1予選での実績はまだないものの、2019年に入ってから芸人たちの間でその存在が噂の的に。スーパーマラドーナのYouTube番組でも、「M-1GP 2019」の決勝出場予想枠で名前が挙げられる事態となっている。映像メディア出演はなく1度、AbemaTVの「シモネタGP2018」に出演したものの、なかなか次のお声がかからない状態とのこと。関係者さん、急いで!

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