宮下草薙の食リポは必見!? “次世代リポート芸人”として急浮上

 10月24日放送『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で行われたのは、題して「ロケリポーター芸人」。

『マツコ&有吉 かりそめ天国』(同)の全国キャバクラリポートで気を吐くずん・飯尾和樹はリポーター芸で当代随一の腕前を持っており、80年代の高田純次やゼロ年代のYOU THE ROCKの系譜に連なる存在である。ほかにも大阪で年間300ものロケをこなすかまいたち・濱家隆一や『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)で西田敏行の涙腺を刺激してきたカンニング竹山、銀シャリ・橋本直といった手だれたちがこの日は招集され、各々が独自のロケテクニックを惜しげもなく披露した。

「ロケリポート」と横文字にしてカモフラージュしているが、要は外回りである。濱家いわく、関西の番組はロケに12時間を費やすこともあるらしい。体力が必要な仕事なのだ。だからこそ、若い人材の育成は急務。そこで今回、同番組は「次世代リポート芸人」として宮下草薙・草薙航基を戸越銀座の商店街ロケにチャレンジさせた。

「こういうのはだいたい、宮下(兼史鷹)がやってくれるので……」と不安げな表情で商店街を歩く草薙。確かに、彼はロケが不得手だった。お弁当店で角煮丼を注文し、その場で食リポすればいいものを、なぜかお持ち帰りをリクエストした不可解さ。ビニール袋に詰めてもらい、そのまま淡白にその場を離れるという妙な動線を草薙はたどった。そして、次の取材店に着いてから、わざわざ“持ち込み”として、この店で角煮丼を食すのである。お弁当店で食べていれば質問ができるし、店員とのやりとりも見せられたはずなのに……。

相方と大ゲンカの末、グズりだす草薙

 でも、随分良くなったと思うのだ。昨年、宮下草薙は千鳥司会の『チャンスの時間』(AbemaTV)に若手の注目株として頻繁に起用され、定期的にリポーターの任務を与えられていた。彼らの担当したロケVTRのインパクトは絶大で、良くも悪くも賛否を巻き起こしていたものだ。

 2人の初めての食リポは、かき氷専門店だった。まず、宮下が「めちゃめちゃ濃厚ですね!」と真面目にリポートしようとすると、苦虫をかみ潰したような顔で「大したこと言ってないですよね、別に」と食って掛かる草薙。お笑いに明るくない草薙に宮下がダメ出しするという関係性が、当時の2人の間ではまだ強かった。つまり、草薙は宮下に鬱憤がたまっていたのだ。だから、口論を始めてしまう。「人に偉そうなこと言うほどのコメントではなかった」(草薙)、「お前よりはマシだろ!」(宮下)と店員そっちのけで口ゲンカし、ついには「もうやめよう! やめよう、やめよう。できないし、もう」とスプーンを放り投げる草薙。ストレスの持って行き場が見つからず、草薙がテーブルを手のひらで殴打しまくるという形で、この回のロケVTRはエンディングを迎えた。

 2回目のリポートは、定番のデカ盛りグルメ。以下のやりとりが、ロケVTRのオープニングだった。

草薙「汚い奴がメシ食ってるの、そもそも見ないよ誰も!」

宮下「だって食うの好きでしょ、お前?」

草薙「食うのは好きだけど」

宮下「好きなことを仕事にできるんだから、これほどいいことはないでしょ」

草薙「うるさいな、お前!」

宮下「あ!?」

草薙「説教臭いな、お前」

宮下「かみつくな、変なところに」

草薙「うわっ、なんだコイツ! 1人でやらしてください」

宮下「じゃあ、帰るけどいい? 1人で回せよ? イケるんだな?」

草薙「……俺は全然1人でもできる。でも、いたいならいてもいい」

宮下「なんだ、それ。ダサいわ」

 取材先のとんかつ店に到着すると、草薙は嫌そうに歩を止めた。そして「言わないほうがいいと思ったけど、あんまおなか減ってない」と、ぐずり始めるのだ。ついには「行かない!」と職場放棄を宣言する草薙。なんとか宮下が店内に草薙を連れていき、テーブル席に座った2人。この回は、超特盛のエビフライ丼を制限時間内に食べられるか? がリポートの趣旨である。

 このお店のエビフライ丼が、相当おいしいらしいのだ。「おなか減ってない」とぐずっていた草薙の表情が笑顔になるほど。そして、宮下も「おいしい」を連呼しまくる。本当に何度も言う。すると、草薙が「知ってる、知ってる」「同じもの食ってるから知ってるよ」と食って掛かり始めた。

草薙「さっき言ったし、俺が“おいしい”は。パクるな、俺のやつ」

宮下「なんだ、“おいしい”をパクるって。著作権ねえだろ、“おいしい”に」

 ストレスはたまるし、おなかはすいてないし、いら立つ草薙の箸は完全に止まった。当然、宮下は「食べろ」と草薙をけしかける。限界を迎えた草薙はテーブルを引っくり返そうとしたり、突然「うわーーーーっ!」と叫んで拳を突き上げたり、異常な剣幕と挙動で厨房にいるシェフをビクつかせる始末である。

 なのに、その後も食リポの仕事はめぐってくる。3回目は激辛グルメの食リポだった。草薙は「辛い食べ物が好き」と公言しており、激辛グルメは2人にとってうってつけのはず。なのに、激辛の麻婆豆腐を口にした草薙は「思ったより辛い」と、いきなり弱音を吐いた。

宮下「じゃあ、なんで得意って言ったんだよ」

草薙「お前が“仕事につながるから、そういうの特技として言っていこう”って言うから言ったんだよ」

宮下「お前、豆腐の部分ばっかり食ってねえ? なんで豆腐の部分でごまかしてんだよ。だから、友達いないんだよ」

草薙「(速攻で宮下の脇腹をパンチし)おい、言うな!(続けて宮下の首にパンチ)」

宮下「すぐ暴力だな!」

 実は、太田プロの養成所で「こういう芸人になってはいけない」と生徒に周知させるため、“悪い見本”として彼らの食リポVTRは教材代わりに活用されてしまったそう。その事実を知った草薙は「急落してるから、評価が」と、カメラ前で本気の苦笑いを浮かべていた。もしかしたら、彼も本気でテクニックを磨きたいと考えているのかもしれない。

 飯尾や濱家らのリポーター芸と比べると、確かに宮下草薙はテクニックを論じる存在ではない。でも、2人のリポートはベスト1ではないけれど、確実にオンリー1ではある。いつか、お互いをけなし合いながら宮下草薙が食リポを担当している情報番組を地上波でも観てみたいと思う。必ず、多くの人に絶大なインパクトを与えるはずだ。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

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