「モンスターアイドル」でシンデレラガール誕生!? 天然すぎる発言でクロちゃんにボディブロー!

「モンスターアイドル」でシンデレラガール誕生!? 天然すぎる発言でクロちゃんにボディブロー!

『水曜日のダウンタウン』公式サイトより

 安田大サーカス・クロちゃんがメンバーを選抜し、新たなアイドルグループをプロデュースする企画「MONSTER IDOL」の3週目が、11月20日の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で放送された。

<これまでのあらすじはこちらから>

夢をかなえるため、クロちゃんの口臭を我慢したナオ

 今回は沖縄合宿の2日目。プロデューサーであるクロちゃんはグループ名と歌詞を担当することになった。まず手始めに、歌詞へ挿入する(予定の)ポエムをクロちゃんは9つ用意してきていた。詩の内容は以下だ。

・かけぬける風にたくした想いを言葉で伝える事ができなくなってる
・私をラビリンスの住人にしたてあげたのは誰
・鏡に写る私にルージュで伝言したんだ
・悲劇のヒロインを1人で演じるのはもうやめたい
・おりひめとひこぼしの関係をロマンティックに感じなくなったのはいつから?
・名も無き神があたえた試練にバケツの水をひっくり返して叫んでた
・方程式じゃ答えられない感情にうつむいて逃げだしてしまったんだ
・かきむしりたくなるような日常
・闘いもしないうちから負け犬のレッテルをはられたんだ

「ラビリンス」や「ルージュ」など、令和らしくないワードが目につく微妙な出来栄え。笑いをこらえ、「すごく良い歌詞だなと思いました」と平気でウソをつく候補生たち。この瞬間、辺りは完全に「笑ってはいけない〜」の様相を呈していたから不憫だ。

 ちなみに、クロちゃんが考案してきたグループ名の候補案は「時とラビリンス」と「ミルキーボム」だった。不可解に「ラビリンス」というカタカナを執拗に推すクロちゃん。結局、この2案に関してはWACK代表取締役の渡辺淳之介氏がやんわりと却下して事なきを得た。

 その後、クロちゃんはお気に入りの候補生・カエデを含む3人の女の子とジャグジー風呂へ入った。「MONSTER IDOL」では、芸能界で夢をつかもうとする女の子に中年プロデューサーがセクハラする場面が頻出する。若い女の子をはべらせ、ジャグジーに浸かって我が世の春を謳歌したクロちゃん。この光景、一般人がアイドルプロデューサーに抱く妄想の暗部を具現化している感がある。実は、ひそかに風刺なのだ。

 合宿1日目でクロちゃんからスパイに指名されたアイカは、従順に活動に励んでいた。バーベキューの食材の買い出しの合間、クロちゃんの1番のお気に入り・ナオにカマをかけたのだ。

アイカ「クロちゃんと2人で話したことあるの?」

ナオ「何回かな? 2回」

アイカ「えっ、そんなあるの!? ウチ1回もないのに。どうだった?」

ナオ「いやまぁ、“気持ち悪いなぁ”って(笑)。まぁその、実際プロデューサーさんじゃなかったら思ってる……っていうか、今も思ってるけど。実際、クロちゃんが来たときに思ったのは、若干口臭かったりするの(笑)。もう、モロに伝わってくる。でも、アイドルになるためにはしょうがないのかなぁ」

 この直前、ナオはクロちゃんと沖縄美ら海水族館で2人きりでガッツリ語らい、「クロちゃんの1番になりたい」「LOVEです」「私も(クロちゃんのことが)好きです」と涙ながらに打ち明けていた。つまり、彼女の涙とLOVEの言葉は営業トークだったということ。アイカもアイカで「クロちゃんと2人で話したことは1回もない」と断言しているし。2人ともウソをつくのがうまい。

 特に、ナオの態度から察したのは「夢をかなえるには嫌なことも我慢しなければならない」というアイドルの厳しい現実だ。この企画は芸能界の闇の一部をサラッと公開している。何度も言うが、やっぱり風刺だ。

 アイカを呼び出したクロちゃんは、スパイ活動の成果を報告させた。ここで、ナオの“口臭発言”を知って大ショックを受け、「今、臭くないでしょ!?」とアイカに詰め寄った。アイドルを目指す候補生は、嫌なことも我慢しなければならない。だから、アイカはためらいながらも「……におい、何もしないですね」「大丈夫です」と返答した。でも、クロちゃんはさらにアイカに迫る。

クロちゃん「大丈夫? 大丈夫っていうのは、スパイがアイカちゃんだけだと思ってるじゃん。もう1人いるかもよ? ウソついてたら、その子が俺に報告するかもよ」

アイカ「あぁ……少し臭いです。少し」

「ナオちゃんについての報告はウソじゃないよね?」というニュアンスでカマをかけていたクロちゃん。なのに、アイカは口臭についての念押しと勘違いし、「臭いです」と白状してしまった。つまり、彼女も陰では「クロちゃんの口が臭い」とコソコソ言っていたということ。でも、ほかにスパイがいたらウソがバレてしまうから本音を告白したという顛末だ。

 このやりとりがバズった。あまりにも天然な対応をしたアイカに対し「アイカ推しになった」「天然でかわいすぎる」「好感度爆上がり」「腹が痛い」「この子には絶対残ってほしい」と、称賛ツイートが続出したのだ。

 いつの間にか「誰が1番のお気に入りになる?」を観察するサバイバルゲームになっていた同企画。いや、真の最終目的はアイドルグループを作ることである。そういう意味で、アイカはデビュー前からファンをゲットしたということ。「臭いです」発言を契機に、一気にデビューへの階段を駆け上り始めた。ある意味、これはシンデレラストーリーだ。

 一方のナオは、最下位(6位)で合宿2日目を通過している。はっきり言って瀬戸際の状況だ。順位発表の際、これ見よがしにナオを一瞥してから別の子に合格通知を渡すくだりは、クロちゃんの性格と復讐心を如実に表していた。困惑するナオを自室に呼んだクロちゃんは、さらにナオにプレッシャーを与えた。

クロちゃん「どうだった? 今日の発表」

ナオ「意味がわからなかった……。また6位だった……。何か理由がありますか?」

クロちゃん「自分が一番わかってるんじゃない?」

ナオ「私、何かクロちゃんに嫌なことしましたか?」

クロちゃん「ううん。だって“俺のことを好き”とか言ってくれてるしさ、プロデューサーとしても好きなんでしょ? で、恋愛感情でも好きなんでしょ? ……本当? ……全部俺わかってるからね。全部だよ」

ナオ(泣きだす)

クロちゃん「泣かなくていいんだよ、もう泣くのはわかったから。泣くのは大丈夫」

ナオ「すみません、泣いて」

クロちゃん「いいよ、全然。涙流したらちょっとスッキリするだろうしさ。スッキリして、もう1回考えてみたらいい。自分がどうするべきなのか。俺は見守ってるから。俺はウソつきが一番嫌いだからね」

「全部わかってる」とだけ言い、核心ぼやかせたままプレッシャーをかけ「自分でどうすべきか考えて」と悔い改めさせたクロちゃん。反省を促し「もう、クロちゃんのことは悪く言えない」と深層心理に植え付ける彼の手法。加えて「もう泣くのはわかった」と突き放すことで、演技はもう通用しないとナオをさらに追い詰めている。マインドコントロールに関して、クロちゃんは抜かりがないのだ。

 もうひとつ、重大な事実がある。この面談によって、ナオはアイカがスパイだと気づいたはずだ。2人の間に確執が生まれることは必至である。

「MONSTER IDOL」の目的はアイドルグループの結成だ。もしもナオとアイカが共にデビューまでこぎ着けたら、プロジェクト始動前からグループ内の不仲が明らかな、キナ臭いグループになりそうだ。疑心暗鬼のメンバーしかいない、着火寸前の新アイドルグループ。

 1週目のレビューでも書いたが(参照記事)、カメラがある時点でクロちゃんは己の役割を察している。言わば、“クズ”を売りにするクロちゃんという芸人をクロちゃん自らがセルフで演じている構図だ。そういう意味で、プロデューサー・クロちゃんからリアルを感じることはほとんどない。芸人としてクズを全うしているだけの状態だ。

 この企画は、候補生の相関図を見どころにしたほうが絶対に面白くなる。候補生 VS 候補生の図式が生まれるであろう、今夜放送4週目からが真のスタートと捉えている。

 あとひとつ、懸念がある。無事にグループがデビューし「これから応援してください!」と言われても、「MONSTER IDOL」がそんな穏便に終えられる企画ではないことは明らかだ。表と裏の顔が明らかになったナオをアイドルとして応援しづらいし、スパイ活動に熱心なアイカからアイドル性を感じることは困難である。

 結局、逆アップをかまされたクロちゃんが最後にひどい目に遭う……というオチになるのだろうか? でも、それは前企画「モンスターハウス」でやった。もっと言えば、深夜にとしまえんでクロちゃんを見世物にするというアイデア自体も弱火だった。

 すべてを引っくり返す、斬新なエンディングは、果たして待っているのだろうか? アイドルグループの未来以上に、その点に期待している。

(文=寺西ジャジューカ)

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