”トガり芸人”真空ジェシカ ラフターナイト優勝で「胸張ってスベるようになった」!?

 ニューヨーク、空気階段、やさしいズ……。TBSラジオのネタ番組『マイナビラフターナイト』は、お笑いファンの“民意”を敏感に反映した年間チャンピオンをこれまで輩出してきた。そして2019年、いかつい人気のかが屋や宮下草薙らを打ち破り、王者の座に就いたのが真空ジェシカだ。「トガっている」とウワサの絶えないコンビに、おそるおそる記念インタビューを敢行した。

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――『マイナビラフターナイト』チャンピオン大会、優勝おめでとうございます。

2人 ありがとうございます。

――反響はどうですか?

ガク 周りは賞金の100万円の話しかしませんね。「100万円を手に入れた人」扱いになっています。

川北 芸人からは結構「やったな」と言ってもらえるんですけど、一般の人には自分たちから言わないと伝わらないです。人力舎の事務所内でもしばらく話題になっていたのですが、アンタッチャブルさんが突然復活したんで……。

ガク 話題は全部そっちになりましたね。

――ラジオでオンエアされた大会の様子を聴くと、爆発的にウケてましたね。

川北 爆発的にウケました(笑)。でも、どうせ票入らないだろうと思ってたので。僕ら、ズルいことしがちなんで。

ガク チャンピオン大会も、自分らの出番前のママタルトをもじったツカミをしたんです。そういうのって、お客さんからすると「ズルしてる!」と評価を下げるだろうなと。大体、客票がよかったのなんて初めてです。ライブでウケても投票されない。

川北 そもそもウケないことのほうが多いので。

――チャンピオン大会は、完全客票なんですよね?

ガク みたいです。

川北 票を操作してたら、俺らを選ぶわけがない(笑)。

――実力で、かが屋や宮下草薙に勝ったと。

川北 納言にも勝ったし、予選には四千頭身もいたし。

ガク そういうところだけアピールしていきます。どんな大会だったかは言わないけれど。

――同じタイミングで『M-1』準々決勝に進出していましたね。均等に力は入れてました?

川北 『マイナビラフターナイト』に標準を合わせたつもりはないです(笑)。『M-1』の準々決勝は、今年一番だと思っていたネタをかけたんですよ。それがスベったので、僕たちが間違えてました。ツカミが一番ウケて、そこから尻すぼみだったので、すごい低い点数をつけやすかった。

ガク 徐々に盛り下がる……。一番印象悪いやつです。

川北 『ラフターナイト』の打ち上げでアルコ&ピースの酒井さんに「おまえらこっち側だから、『M-1』あきらめろ」と言われたので、もうあきらめます。「こっち側」というのは、賞レースで評価される芸風じゃない、ということだと思うんですけど。

ガク そっちに腹をくくるべきなのかもしれないですねえ。そこまで『M-1』にこだわっているわけではないので、より向いているほうに行きたいです。

――『ラフターナイト』って、お笑い民度の高い番組だと思うんです。芸人さんからすると、チャンピオン大会はどういう位置付けなんですか?

川北 芸人間では、「すごい」となっています。これまでのチャンピオン大会も、メイプル(超合金)さん、カミナリさんと売れている人が出ていますしね。ただいかんせん、歴代の優勝者が渋すぎるんで……。特に空気階段の2連覇(2016、17年)がヤバすぎる。

ガク 本来ないですよ。

川北 そこで優勝して、「俺ら大丈夫か?」とは思います。

――来年はどうします?

川北 オファーがあれば出ます。もうグランドチャンピオンなんで、若手のチャンスを摘むわけにはいかない。

ガク もうステージ上がったつもりでいるんだ……。

――チャンピオン大会を獲りましたが、最近調子よくなってる意識あります?

ガク いやー、ないですよ。ライブではちゃんとスベってるので。

川北 『ラフターナイト』優勝後の事務所ライブでも、文化祭の営業でも。チャンピオンになったから、好きなことやっていいんだと思って、よくないスベり方をします(笑)。胸張って大きく、はっきりスベるようになりました。

――はっきりスベるほうがいい?

川北 そうですね。気持ちいい。

ガク よくないよくない。

川北 今までは小さい声で、テンポ悪くスベってたのが、今はハキハキとテンポよくスベっているんで。

――真空ジェシカさんは、トガっているイメージがあるんですけど。

川北 よく言われますね。NHKのラジオで、そのイメージがついたような……。

ガク 深夜生放送のネタ番組に出て、ツカミで「僕たち、こう見えて受信料払ってないんです」(笑)。それがむちゃくちゃスベって、というかドン引きで。

川北 生まれて初めて“引き待ち”をしました。

ガク 笑い待ちは何度かあるんですけどね。あの時は引く音が聞こえましたから。

川北 その後にボケても、収録現場が「反省してない」「まず謝れよ」みたいな空気になって(笑)。後日、事務所が謝りにいったら、NHKサイドは「最初引いたことでウケづらくなって、もったいなかったですね」って。

ガク めちゃくちゃ優しかったんです。

川北 そういうのもあって、トガっていると言われるんじゃないですか。

ガク でも、トガってるという理由でオーディションに呼ばれるんですけど、「君、どんなエピソードあるの?」と聞かれても、トガってるはずの本人から言えないじゃないですか。それで困ることが多いんです。

――ガクさんはトガり担当ではない?

ガク 僕は違いますね。

川北 僕も別に担当はしてないです(笑)。

?

――『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「トガってる芸人」ランキングでも名前が挙がって、作家の悪口を言うライブをやっているという話もしてました。あれはどんなライブなんですか。

川北 オーディションのネタ見せで作家さんの言ってくることが面白いので、それを再現するライブですね。

ガク 作家役の人を立てて、どういうことを言われたのかをお客さんに見せるんです。

川北 ネタ終わって「お願いします」と頭下げたら、「おまえとは友達になりたくない」とか。「友達探しに来てるのか」と思いました(笑)。あとは「あの劇場のライブに出るくらいなら家にいたい」ライブもやりましたね。

ガク これは「どの劇場が一番悪いか」という話をします。

――トガってますねえ。ちなみにどこ?

ガク ××××です。

川北 駅から遠いし、楽屋がめちゃくちゃ狭い。

ガク 客席もパイプ椅子で……。僕らが1位に決めた1年後になくなってました(笑)。

――ちなみにトガっているイメージは、得ですか損ですか?

川北 ……得ですね。

ガク 得なんかい!

――最近、大学お笑いサークル出身の芸人さんが増えてますよね。真空ジェシカさんは、その先駆けみたいな存在なのかなと。

川北 でも僕らより先に、ヒガ2000さんが売れているんで。

ガク ヒガ2000さんは売れていないんだよ。サンミュージックのピン芸人でしょ。

――ヒガ2000さんは当時のトップ?

川北 トップでした。

ガク 当時からトップだったことないよ。

川北 間違えてました。当時トップだったのはピュンピュン丸でした。

ガク ピュンピュン丸がトップだったことないよ。僕らと同級生で、お笑いの大会出ても成績が残せず、大学院3年目にして大学生の大会で敗者復活に残れるようになったヤツだから。僕らが1年生の時、初めて出た大会で優勝してたのが、ハナコの岡部さんの組んでたコンビ……

川北 あすなろ白書だっけ?

ガク あすなろ白書じゃないよ。それは全身タイツ着て、ダルマを持ってヘンなリズムネタするヤツだろ。

――さっきから「大学お笑いサークルスター列伝」を聞かされているんですか? ちなみに、2人は別々のサークルだったとか。

川北 僕が慶應の「オーケイズ」。彼が「ナイフとフォーク」です。

ガク 「ナイフとフォーク」じゃないよ。それ、どこ大だ?

川北 駒澤大のお笑い集団。

ガク シンヤくんしかいなかったとこね。これ、読んでいる誰もわからないよ。僕は青学の「ナショグル」というサークルでした。

――どうして別のサークル同士で組んだんですか?

川北 結局、大学のお笑い大会って自分のサークルに投票するんで、違うサークルのやつと組むほうがいいなと思って、声かけたんです。そうしたら、まんまと投票が増えました。

――プロ志向の相方を探してたんですか?

川北 そうです。プロ志向の人を探してました。プロ志向じゃないヤツばかりだったんで。その点、(ガクは)プロでも通用する即戦力だと思いました。

――もしかして「プロ志向」という言葉、引っかかりました?

川北 でも彼はちょっとだけ就職しようとしてて、メガネ屋探してたんですよ。

ガク 自分が何が好きかわからなかったんです。ただメガネかけているのは確かだったんで。

川北 一応、確認してきたよね?「僕ってメガネかけてる?」

ガク 確認してないよ。

川北 それって、主観だけかもしれないんで(笑)。

ガク 「客観的にも見てほしい」って言ってた? でも悩んでいるタイミングで声かけられて、「結果出たら考えようよ」と言われたんです。それで最初に出た『学生HEROES!』(テレビ朝日系)という番組に合格したら、テレビにちょいちょい出してもらえるようになって。そのまま人力舎に声かけられて、今に至ります。

――学生時代から芸風は変わりました?

川北 全然変わってないですねえ。やってることも。

ガク 川北はどんどん暗くなっているような……。大学の頃は飲み会行ってるイメージあったんですけど、どんどん人との関わりを断っている印象があります。

川北 彼はウソを言っています。

ガク サークルの代表もやってたし、そういうことができていた。今ではライブ終わったら誰よりも早く帰ることを目標にしているみたいな。

――人とつるまないようにしている?

川北 そんなことないです。ぷよぷよはママタルトやストレッチーズとよく一緒にやってるので、ぷよぷよ界では社交性あります。全然トガってない、ベタな連鎖も組みますし(笑)。

ガク 僕は川北の横にいるから社交性あるように見えるだけで、一般的に見たらそんなでもないです。

川北 でも、彼は社交性あります。出会い系アプリすごいやってるんで。

――どんなお笑いに影響を受けてきたか、興味があります。

ガク 僕は『エンタの神様』(日本テレビ系)、『笑いの金メダル』(テレビ朝日系)、『オンエアバトル』(NHK)あたりを観てました。あと高校時代、テレビでマヂカルラブリーさんを見て、マヂラブさん目当てで∞ホールに行ってました。ヘンなことする人が好きで、今まで見たことないネタをするのが衝撃だったんだと思います。POISON GIRL BANDさんも好きでした。

――川北さんは?

川北 まったく同じです。すべて、彼の隣にいました(笑)。

ガク ずっと隣にいたんだ? 怖いよ。

――ほかにいます?

ガク あっ、逃がしてくれない。

――興味あるんです。教えてください。

川北 芸人になってからですけど、Aマッソさんと……名前出していいの?(笑)

ガク いいんだよ。

川北 Aマッソさんと阿久津大集合さんが主催でやってた「バスク」というライブがあるんですよ。

――やたらいいメンツがそろった地下ライブですね。

川北 売れる前のメイプル(超合金)さん、金属バットさん、虹の黄昏さん、スーパー3助さん、街裏ぴんくさんとか出ていて。なんでかわからないですけど、それに第1回から出させてもらって、袖で見てきた影響はあるかもしれないです。

――「こんなことやっていいんだ」と?

川北 そうですね。「何やっても面白ければいい」みたいな。それでAマッソは悪いほうに行ってしまいました(笑)。

――ちなみに今後、『ラフターナイト』の優勝を機に売れていく青写真は持ってます?

川北 これを足掛かりにとは思ってるんですけど、なんせ彼がメディア出るのに前向きじゃないんで。

ガク そういう気難しいタイプじゃないよ。なんでも出たいです。

川北 僕も声かかったら出ます。

――「〇〇芸人」みたいなくくりで、露出したい枠はありますか?

ガク 妖怪好きなんで、「妖怪芸人」があったら出たいですね。妖怪検定で博士認定はされているので。

川北 僕は妖怪詳しくない側で、ホトちゃんの横に座りたい(笑)。

ガク あそこはタレントさんが座るところなんだよ。

川北 早くMEGUMIポジションにいきたいです。

真空ジェシカ
2011年結成。ガクカワマタ(1990年生まれ、神奈川県出身)と川北茂澄(1989年生まれ、埼玉県出身)のコンビ。同じく人力舎所属の肉体戦士ギガと3人で、YouTubeにて「ギガラジオ」を配信中。12月15日には『ラフターナイト』 チャンピオン大会の優勝特典としてラジオ特番『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』(TBSラジオ) を放送した。〈https://www.youtube.com/channel/UCePaZ2UkSfEUarY2HNm52fw/featured

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