『ねほりんぱほりん』マッチングアプリ第2弾は“ヤリ目”の印象を一層強める結果に……

 2月5日に放送された『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)のテーマはマッチングアプリ。実は、同番組がこのテーマを扱うのは2度目である。

 昨年10月、初めてマッチングアプリを取り上げた放送回では、本命彼氏がいながら遊び相手を探すためにアプリに登録し、「7本同時」に男性と交流した女性が体験談を語るなど、その内容はかなり過激なものだった。すると、放送後には「切実に結婚がしたくてマッチングアプリ使っているのに、周囲からは“ヤリ目”だと思われてしまった」「マッチングアプリに対する偏見を強めるような内容で残念」といったお叱りの声が番組に殺到。

 だから、今回は仕切り直しである。アプリで真剣に婚活する人をゲストに招いての“マッチングアプリ完結編”が放送されたというわけだ。

「独身だ」と身分を偽る既婚男ばかり

 1人目のゲスト・アユミさん(32歳)がマッチングアプリを始めたのは、4年前の28歳の頃。大学時代の元カレが結婚したという噂を聞き、焦りを感じて登録したそうだ。つまり、彼女は初めから結婚を意識していたのだ。

「入会すると初日から100人くらい“いいね!”が来て、ドクターフィッシュかな? みたいな(笑)」(アユミさん)

 彼女が初めて会った同業他社の男性は、実は既婚者だった。初っ端からだまされたアユミさん。ドクターフィッシュは雑魚だったのだ。気を取り直して今度は消防士の男性と出会うと、その彼はなんとFacebookのアイコンを我が子とのツーショットにしていた……。

「消防士のくせに炎上の香りがするっていう……」(山里亮太)

 既婚男性は、なぜ独身のふりをしてマッチングアプリに登録するのか? 恐らく、理由は複数ある。妻子がいるので、合コンや婚活パーティには顔を出しづらい。身近な女性と関係を持つと、足がつきやすくなる。だから、アプリで関係性の遠い女性とつながろうとする。そんなところだろう。

 婚活女子が餌食になりやすいのは、彼女たちが真剣に相手を探しているため。だから、ヤリ目の男からすると手っ取り早い。そして、独身のふりをする……という構図だと思う。

 アユミさんはアユミさんで対策を練り始めた。“既婚者を見極める5つの方法”を編み出したのだ。

(1)本名を聞きFacebookで検索
(2)土日にデートの約束
(3)夜に電話をかける
(4)結婚してるかズバリ聞く
(5)実家暮らしか確認

 この5つがあればバッチリな気もするが、それでも出会った男性の4人に1人は既婚者だった。細心の注意を払っても、25パーセントは妻帯者なのだ。

 そんな中、やっと彼女も素敵な男性と出会えた。広告代理店勤務で遠方に住む長身の男性だ。毎日LINEはしているし、何度もデートを重ねるし、最高に楽しい日々。そんなある日、正座をした彼が「妻がいる」とカミングアウトしてきた。それでも、彼は「妻に押し切られて結婚したけど、今うまくいってないんだよね」と甘い言葉をかけてくる。よく聞く、ド定番のそれだ。

「いつか奥さんと別れて、もしかしたら一緒になれるんじゃないかと期待をしちゃってまして……」(アユミさん)

 そんなバカな。浮気男は、いつまでも奥さんとは別れないと相場が決まっているのに……。

 ある夜、異変が起きた。アユミさんの家に遊びにきていた彼は、珍しく「今日はホテルに帰らなくちゃいけない」と言う 。怪しさを感じたアユミさんが問い詰めると、なんとその日の彼は出張ではなかった。実は、結婚式の前撮り写真を撮るために妻とホテルにやって来ていたのだ。アユミさんとの逢い引きは、そのついで……。

 この日の出来事を契機にLINEで彼をブロックしたアユミさんだったが、3カ月後、ふとブロックを解除してしまう。すると、すぐに彼のほうから連絡が来た。でも、よりを戻したいわけじゃない。「誰かに言いふらしていないか?」という確認の連絡だったのだ。その確認が終わると、今度は向こうのほうがアユミさんをブロックした。

 腹が立った彼女は彼の妻のFacebookアカウントを探し出し、メッセージを送りつける。以下がその内容だ。男性の名前は仮に「カズヤさん」とする。

「私とカズヤさんは4月末にマッチングアプリで出会いました。関係を持った後、ご結婚されていることを知りました。私は悲しみ、苦しみ、どうすればいいのか悩み、このようなことが二度と起こらないようにするにはと考え、ご連絡させていただきました。この話が信じられないというのであれば、ベッドに一緒に入っている写真があります。カズヤさんは出張のたびに私の家に泊まってくれていました。私の手づくり料理、特にハヤシライスはいちばん好物で『おいしい』と喜んで食べてくれたり、お笑い番組を見て一緒にゲラゲラ笑ったり、サッカーを見たり、aikoの曲を一緒に歌ったり、朝食を食べるときには、赤いストローを差してあげると、カズヤさんはすごく喜んでくれて、『赤いストローのおかげで仕事がうまくいったよ』と連絡をくれました。そんな私はカズヤさんにてっきり愛されているものだと思っていました。私のようなつらい思いをする人はもういてほしくないです。今後同じようなトラブルが起きることのないよう、どうかお気をつけください」

 文面をじっくり読んでいただきたい。カズヤさんへの復讐というより、対・奥さんの嫉妬心から来るマウンティングに見えてしまうのだ。そもそも、「〜くれました」という語尾の多用が気になる。明らかに、ラブラブアピールの度が過ぎている。「あなたより私のほうがふさわしい」と、奥さん相手に張り合っているように読めてしまうのだ。

 そもそも、相手が既婚者とわかっても、アユミさんは彼との関係を続けていた。奥さんから彼を寝取れると信じていたからだ。でも失敗して、逆上し、突撃したような気がする。ヤリ目の既婚男性に苦労していたアユミさんなのに、結局、自分も不倫女子になっているから業が深い。冷静に考えたら被害者は奥さん1人だけで、アユミさんもカズヤさんもどちらも加害者になっていたというオチである。

 ちなみに、こんな目に遭ったアユミさんは、今もマッチングアプリを続けているとのこと。なんか、マッチングアプリって男も女も地雷しかいなそう だ……。

「偏見を強めるような内容で残念」という声を受け、再びマッチングアプリを取り上げた今回だったはず。しかし、「マッチングアプリ=ヤリ目」という印象は強くなる一方である。というか、前回以上のネガティブキャンペーンになっている。

 そんな中、登場したのは2人目のゲストのリコさん(42歳)だ。体の事情で子どもを持つことに不安があった彼女。20代の頃に結婚前提で交際していた彼とは、その不安が原因で破局してしまった。しかし40歳が近づいた頃、「この年で子どもを求められることはないかも」と肩の荷が下り、マッチングアプリに登録したという。

 すぐに彼女は、会社経営者との交際をスタートさせた。会って2回目でプロポーズされたし、実家の両親にも挨拶に来てくれた。あまりのトントン拍子に警戒したリコさんだったが、相手の高収入に目がくらみ、いつしか結婚に前のめりになる。……が、相手の男性がなぜか徐々にトーンダウン。連絡しても返事は遅いし、デートはドタキャンされるし。こっちから電話をすると「うるせえ、ゴキブリ!」と怒鳴られることもあった。この一言で、彼女は目が覚めたという。

「マッチングアプリは自己申告が全てで、プロフィールを盛ったり良く見せる方が多いので、なかなか悪い面に気がつきにくいんですよね」(リコさん)

 その後、リコさんは「男性の見る目を磨こう」と決意。場数をこなすことを自らに課した。なんと、およそ500人との男性とやりとりを重ねたのだ。

「マッチングアプリってドラクエみたいなもので、いろんな男性ともっと触れてみて、経験を積まなければいけないなと思いました」(リコさん)

 彼女の経験談も、微妙にマッチングアプリへのハードルを高めている。数をこなし、ウソをウソと見抜ける人でないと、使いこなすのは難しいということ。っていうか累計500人って、前回の「7本同時」よりも強烈だな……。

 そして昨年7月、リコさんはようやく運命の人と出会う。誠実そうな男性と山下公園で散歩デートをしていた彼女は、履き慣れないヒールのせいで足をつってしまった。すると、彼は自分のジャケットを芝生に敷き、リコさんをそこに座らせ、足をマッサージしてくれたのだ。そのシチュエーションにときめいたリコさんは結婚を望み、3カ月後、無事に彼にプロポーズされた。よかった、ハッピーエンドで終わった……。

 ろくでもない男ばかりでなく、マッチングアプリには真剣婚活している男性もいるということだ。今回の内容だけだと、マッチングアプリは「女性がクズ男に振り回されるばかり」という印象に終わってしまう。もし次の機会があるならば、真面目に婚活をしている男性の意見も聞いてみたい。

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