トム・ブラウンみちお、井之頭五郎になりきり「孤独のフィリピンパブ」

トム・ブラウンみちお、井之頭五郎になりきり「孤独のフィリピンパブ」

YouTube『チャンスの時間』チャンネルより

 ヒットドラマやヒット映画が作られると、かつては『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)や『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(同)がすぐさまパロディにし、我々を楽しませてくれたものだった。しかし、コント番組の数が減るに従い、そうした笑いを見る機会も少なくなっていく。

 そんな中、久しぶりに秀逸なパロディを目にした。2月5日放送『チャンスの時間』(AbemaTV)はトム・ブラウンのみちおをリポーターに起用し、彼を亀戸へ派遣。みちおの趣味に直結した、少し変わり種のロケを行ったのだ。

「皆さん、おわかりだと思うんですけど、亀戸といえば……そうです。フィリピンパブです。私もフィリピンパブがとても大好きでですね、月に2度3度は行きます」(みちお)

 前口上だけ聞けば、単なる夜のディープスポット紹介に思えるかもしれない。早速、みちおは目当ての店の前に到着した。店の外観を眺めるみちおの表情をカメラはアップで捉える。そして、挟み込まれるは、みちおのモノローグだ。バックには、アコースティックギターが奏でる、味のある曲が流れている。

「なかなか良さそうな店だ。この細長い雑居ビルの2階という立地。不安とワクワク感を一気にあお る。はっきり言って嫌いじゃない」(みちお)

 おわかりだろうか? このロケ、実は『孤独のグルメ』(テレビ東京系)のパロディなのだ。ただ、みちおが求めているのはグルメではなくフィリピンパブ。だから、タイトルは「孤独のフィリピンパブ Season1」である。

松重豊になりきったみちおのモノローグ

 みちおがお店の人とやりとりをし、フックとなるポイントにはみちおのモノローグが適宜挿入されるという形でVTRは進んでいく。まさに、『孤独のグルメ』の世界観だ。

 テーブルに案内されたみちおは、80席はあるであろう店内を見渡し、満足げな表情を浮かべた。

「雰囲気は申し分ない。あとは、女の子次第だ」(みちお)

 みちおのテーブルに、2人の女性がやって来た。イシャさん(24歳)とサラさん(31歳)である。

「ノリのいい女の子が2人も! どんなふうに楽しませてくれるのだろうか? まずは乾杯だ」(みちお)

 女の子と笑顔でやりとりをしながらも、みちおの頭の中は至って冷静。フィリピンパブの手だれとして、店のあちこちを鋭く分析していた。

「イシャちゃんはハッキリした顔立ちにスベスベの肌……。まさに、アジアンビューティ。こちらのサラちゃんも美しい。ほぼパンティが見えている」(みちお)

 最低な感想を井之頭五郎ばりに語るみちお。ナレーションの文言は、決してセーフではない。でも、構わず松重豊になりきり、パブの良さを堪能しようとした。

みちお「日本はどれくらい?」

サラ「私は3年」

イシャ「私は11年」

みちお「11年!? 長い!」

イシャ「でも、まだ若い。24歳」

みちお「じゃあ、13歳から。お店に不満はない?」

イシャ「大丈夫。頑張る! 家族のために頑張ります」

みちお「仕送りとかしてるでしょ?」

サラ「家族のためにね」

イシャ「だって、もともと貧乏な国じゃないですか? 地元の人たちにいい人生あげたいから、こっちで仕事頑張って稼いで」

「いい娘だ。フィリピンパブのいいところは、女の子が家族のために稼ぎに来ているところ。ただ若くてかわいい女と飲むだけのキャバクラとは訳が違う」(みちお)

 酒が入ると、話題はディープになっていく。フィリピンパブ大好きのみちおに、女性2人はフィリピン人との交際歴を質問した。でも、みちおにフィリピン女性との交際歴はなかった。

みちお「番号教えてくれても、デートとかしてくれない」

イシャ「なんで? (サラを指さして)全然してくれるよ!」

サラ「もちろん!」

みちお「結婚する?」

サラ「結婚する。明日結婚する」

イシャ「ちょっと待って、私どうする?」

みちお「じゃあ、明日結婚して、あさって(サラと)離婚して、しあさって結婚(笑)」

イシャ「じゃあ、3Pしかないじゃん(笑)」

サラ「じゃあ、3Pにしようか!」

「突然の3P。これだ。急に繰り出される下ネタ。これこそフィリピンパブの真骨頂」(みちお)

 ゲスいやりとりで得た高揚感まで『孤独のグルメ』に寄せて独白するみちお。大丈夫なのだろうか? しかし、一度踏み込んだみちおのアクセルが緩む 気配はない。勢いに乗り、ついに最低の質問を繰り出した。

みちお「バージン?」

イシャ「お尻はバージンね。あと、鼻も(笑)」

サラ「私は鼻も耳も。お尻もバージンだよ」

「この時代に、どの穴がバージンかでこれだけ盛り上がれる……。フィリピンパブは下ネタの治外法権だ」(みちお)

 最後にみちおは伝家の宝刀を抜いた。

みちお「お笑いとか見たりする? (自分を指さして)コメディアンなの」

サラ「コメディアンなの?」

みちお「そう。日本のお笑いとか見ないでしょ? (自分を指さして)知ってる?」

イシャ「見ない、見ない」

サラ「テレビでしょ、出るでしょ? 本当だよ、見たことあるよ」

「急に合わせてきた。サラちゃんの対応力、侮れない……」(みちお)

 空気を読んで合わせにきたサラに続き、今度はイシャがスマホを手に取った。どうやら、芸能人と記念撮影をしたいようだ。

イシャ「写真撮ろう!」

サラ「(みちおの肩に抱きついて)写真撮るよ、芸能人だから!」

イシャ「なんで先に言わなかった!? (笑)」

「テレビに出ているとわかった瞬間、あからさまに態度を変える……。この瞬間が一番、お笑いをやっていてよかったと思える」(みちお)

 ちなみに、昨年末の『M-1』グランプリで準決勝敗退したトム・ブラウン。今、みちおは傷心の身なのだ。

みちお「M-1っていう大会があって、こないだ負けちゃった。慰めて」

イシャ「あら、まあ〜。応援してあげる。次あるから、また頑張るしかない。大丈夫。(サラの股間を指さし)マン毛あげて、財布入れてお守りに」

みちお「ハッハッハ! マン毛くれるの?」

イシャ「次の大会、絶対勝つから!」

サラ「あげるよ!」

「最高だ。“慰めてほしい”に対して“マン毛あげる”。日本人は絶対に言わない。それより“マン毛”、久しぶりに聞いた」(みちお)

 2人の女性に見送られ、みちおは店を後にした。味のあるBGMをバックに、最後も井之頭五郎っぽくモノローグで締める。

「今度はいつ来ようか? ……そうだ。次のM-1が始まる頃、マン毛をもらいに来るとしよう」(みちお)

 VTRを一通り見終わった番組MCの千鳥は、このロケ企画に手応えを感じた模様。大絶賛するだけでなく、企画のシリーズ化まで宣言した。

大悟「最高でした。芸人が1人で行くロケ史上、1位かもしれません」

ノブ「『孤独のグルメ』みたいに編集すると、よく見えるねえ」

 さらに、「夢ですけど、いつかは本人にも来てもらって」と大悟は発言。松重豊でフィリピンパブロケを行いたいという、大それた目標まで掲げてみせた。

 何にせよ、意外な角度から放たれた秀逸なドラマパロディだった。

関連記事(外部サイト)