やっぱり一発屋? 「ぺこぱ」の危うい快進撃

やっぱり一発屋? 「ぺこぱ」の危うい快進撃

サンミュージック公式サイトより

 今回取り上げるのは、ぺこぱだ。『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)で3位につけたことで一躍脚光を浴び、いまや各局番組に引っ張りだこ。優勝をさらったミルクボーイよりも露出を増やしている。

 この5月からは、花王の「薬用ピュオーラ 泡で出てくるハミガキ」にマツコ・デラックスと共演(ただしマツコはナレーション担当のみ)。先月23日放送の『笑神様は突然に…春の2時間SP』(日本テレビ系)では、松陰寺太勇が「まだ放送されていないものを含めて(CMを)7〜8本撮った」と告白。相方のシュウペイも「ほんとに『M-1』、夢ある」と『M-1』ドリームに驚いていた。

シュウペイ、おバカキャラで定着するか?

『M-1』の時はいわゆる松陰寺の「やさしいツッコミ」が話題を集めたが、最近はシュウペイにも注目が集まっている。

 4月30日の『ぐるぐるナインティナイン2時間SP』(日本テレビ系)では令和の新たな“おバカスター”を発掘する企画「クイズ!愛しき令和のおバカ様」の第2弾が放送された。

 ここに2人でリモート出演したのだが、クイズに答えるのはシュウペイ。小学生レベルのやさしい問題に誤答を連発し、「目から“ウロコ”が落ちる」を「目から目薬が落ちる」「目から脂肪が落ちる」「目からまつげが落ちる」「目から鼻水が落ちる」など、めちゃくちゃ。5月21日にも、この第3弾企画がオンエアされるという。

 ちなみにシュウペイはこのクイズ企画で、ほかの解答者に対し「みんな、手を合わせていこう」と、画面の前にいきなり手を差し出し、「エイ、エイ、オー!」となぜか結束力を高めるも、周りと息が合わず、グダグダになっていた。矢部浩之が「今の収録スタイルだと難しい」と笑っていたが、いずれにしても松陰寺といい、シュウペイといい、コンビには珍しく穏やかでやさしいキャラである。

 またコンビだと、どちらかの声がカン高かったり鋭かったりするものだが、2人とも声がどちらもソフトなので聞き心地がいい。『ぺこぱのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)、『ぺこぱのラジオ聴いておくんなまし〜』(文化放送)、『ぺこぱのこんなラジオも悪くないだろう』(TBSラジオ)とラジオ特需が続いているのも、そのせいなのかもしれない。

一発屋の匂い……原因は松陰寺?

 だが、彼らに一発屋の匂いがほのかに漂ってこないでもない。まず、その理由のひとつに挙げられるのは松陰寺のメイクである。

 2001年から続く『M-1』は、神聖なる漫才バトルの場。動きやツッコミのフレーズがどれだけ変化球だとしても、これまで、メイクを施したまま登場する芸人はいまだかつていなかっただろう。

 さらに問題なのは、あの独特の動き。体に負担がかかることもあり、最近は松陰寺が省エネ化を図っているのも若干気になるところではある。フリートークで売っているわけでもないので、どこに自分のキャラとセールスポイントを定めていくが鍵になるだろう。

 また気になるのは、彼らの身の丈に合っていない番組も引き受けてしまう、所属事務所のマネージメント能力のなさだ。

 5月5日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)では、松陰寺が連続ドッキリを仕掛けられてもポジティブなフレーズで返せるのかという検証企画が行われた。だが、あのフレーズは漫才のために練られたもので、アドリブでの対応が難しいことは目に見えている。案の定、バズーカ砲によってパイを大量噴射させられ、体じゅうパイまみれになった際、「模様は悪くないだろう」と言って“不発”していた。

 また、200リットルの熱湯が降りかかった時は「温泉に入りたい僕にはちょうどいい熱さだ」と、これまた平凡な返し。結局、急きょシュウペイのドッキリに切り替わるという異常事態が発生した。

 また、4月18日放送の『モノシリーのとっておき〜最強ビックリ映像祭2時間SP〜』(フジテレビ系)では、彼らが、海外から届いた面白映像を巻き戻し、その理由を紹介するコーナー「ビックリ映像なんでこうなった!? 時を戻そう」がオンエアされた。

 例えば、数人の警察官が何やら盛り上がっている映像。これを見たシュウペイが「きっと寝起きドッキリが成功したんでしょうねー!」とボケる。すると松陰寺は「いや屈強な男の寝起きドッキリが見てみたいという人(なんているのか)?……そうだろう。兵士たる者。どんな時も気を抜けないんだ。時を戻そう」と、ツッコミを入れた。

 おそらくこの映像に対する会話は彼ら自身が考えたものではなく、放送作家による台本だろう。彼らの「構文」に十分になっていないため、笑いどころが難しく、スタジオで見ていたアンタチッチャブル山崎弘也も「どういうことだよ」と困惑していたほどである。ちなみに正解は、訓練で新人が手りゅう弾を投げて足元で誤爆したことに、ほかの警察官たちが狂喜している様子であった。

 いずれにしても、過剰な露出が彼らの芸人生命を縮めているということだ。それを考えたとき、彼らが所属しているのが、小島よしおやダンディ坂野やスギちゃんなどを擁するサンミュージックプロダクションであることに大いに納得してしまう。事務所のせいだ!……では済まされない問題だ。これからの奮起を祈るばかりである。

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