『未満警察』炎上シーンはなぜ生まれた? ドラマの舞台・神奈川県警は取材協力していないと回答

『未満警察』炎上シーンはなぜ生まれた? ドラマの舞台・神奈川県警は取材協力していないと回答

(c)日刊サイゾー

 6月27日からスタートしたドラマ『未満警察』(日本テレビ系)。今をときめく人気アイドルKing & Prince 平野紫耀とSexyZone 中島健人がW主演とあり話題を呼んでいるが、一方で第1話のあるシーンが物議を醸した。

 そのシーンは、警察学校の寮で過ごす本間快(中島)が、窓から女性の部屋をのぞき見。さらに、そこに一ノ瀬次郎(平野)も加わり、「湯上りの美女」だ「人妻ちゃん」だと大はしゃぎしながら、双眼鏡を使って2時間にわたって監視するといった場面だ。

 このシーンに対し「のぞきは犯罪なのに、こんな軽い調子で描くのはどうなのか」「性犯罪に対して鈍感すぎるんじゃないか」と批判が相次ぎ、BPOに抗議のメールを送ったと報告する声も多数あがった。また、設定上「神奈川県警察学校」を舞台としているため、「神奈川県警的にのぞきのシーンはOKなのか?」といった声もあった。

 実際、神奈川県警といえば2011年に警部補が署内の女子更衣室や女子トイレなどに侵入し盗撮していたとして書類送検、12年には巡査部長が電車内で女子高校生を隠し撮りして現行犯逮捕、さらに14年に本部交通総務課長補佐が民家の浴室に対する覗き行為で逮捕されるなど、過去にこの手の不祥事を何度か起こしているため、『未満警察』ののぞきシーンでもこれらの事件を思い出した視聴者もいたようだ。

 そこで、神奈川県警に対し『未満警察』に取材協力などはあったのかと質問状を送ったところ「行なっておりません」という回答が返ってきた。とすると、今回の騒動も神奈川県警としては寝耳に水といったところか。映画制作会社のスタッフはこう語る。

「警察なんかは基本、よっぽど何かない限りドラマや映画なんかには取材協力しないんですよね。制作サイドがOBを探して取材をしたり……ということはありますが。今回の作品は韓国映画の原作があるし、警察学校をリアルに描くというよりは『それっぽく見せられればいい』っていう軽いノリなんでしょう。神奈川県警からのぞきで逮捕者が出てることも、少し調べればわかることなのに、そういう下調べもしなかったんでしょうね」

 さらにドラマでは、生徒2人ののぞき行為は事件解決の糸口になったことを理由に不問になったが、これについても神奈川県警に質問したところ「(実際に警察学校でのぞき行為があった場合は)犯罪行為であれば看過することはできません」と回答している。

 現役警察官のA氏は「警察内でもドラマが炎上したことが話題になった」と語る。

「まあ、警察組織は男性も多いし上のおじさんがたも『フィクションに目くじらたてるほうがおかしい』って言ってましたね。これまでも過剰な警察もの作品はたくさんあったし、今さらなんでこんなに問題視されるんだ? って感じなんです。でも、これは警察ものがどうとかって話じゃなくて、フィクションを創作する上で、もう『のぞき』だとか『スカートめくり』だとか、そういうセクハラ行為を軽視して描くのは時代遅れなんじゃないかって話ですよね。世間のそういう雰囲気を警察のおじさんたちがわかるわけもないんです(苦笑)」

 A氏が言う通り、作り手の意識の低さが今回のような表現を招いたともいえるが、制作サイドはどうしてこうも鈍感なのだろうか? 前出の映画制作会社スタッフは「映画は監督、ドラマは脚本家の作家性によるところが大きい」と語る。

「映画は監督、ドラマは脚本家の作家性に左右されるというのは昔から言われている話。そう考えると、やっぱり売れてるドラマ作家さんは時代の空気を抜群に読める人が多い。今期でいえば『ハケンの品格』(日テレ系)の中園ミホさんとか、『MIU404』(TBS系)の野木亜紀子さんなんかは、時代性を作品に反映させるのが上手いんですよね。ですが『未満警察』の渡辺雄介さんは、そういう力はそもそもない作家さん(苦笑)。この方は、過去にも映画やドラマで原作ものを手がけてますが、どれもこれも評判が芳しくないんですよね……。

 でも、じゃあどうしてそんな人に仕事が回るのかというと、例えばスタッフや事務所の要望をきちんと飲んでくれるとか、絶対に締め切りをやぶらないとか、そういう能力が長けているとそれはそれで重宝されるんです。もちろん、こうした能力も才能だし大事ですけどね。特にジャニーズの子が出るドラマは、事務所が脚本に口出す場合が多いという話が昔からあるわけで。そうなるとテレビ局サイドも『作家として優れた作品を書く人』より、『こちらの要望を素直に聞いてくれる人』を選んじゃうんですよ。で、結局こういうしょうもない表現して、炎上する。情けない話です」

 こうした話を聞くと、テレビ局側の苦心もうかがえる。しかし、テレビドラマは「時代を描く」という役割も大きく担っているだろう。時代に合った表現を探求していく──そうしたことに鈍感になってしまっては、良い物語は生まれないのではないだろうか。

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