『孤独のグルメ Season6』第8話 中華系の羊……? 想像のつかない味で視聴者の胃袋が大混乱

『孤独のグルメ Season6』第8話 中華系の羊……? 想像のつかない味で視聴者の胃袋が大混乱

テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより

 さあ、今週もやってきました深夜の飯テロの時間。今週のゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)は、どれだけ食べてくれるのか。どうせ番組を見たら夜食を食べちゃうのはわかっているので、今回からは夕飯を食べずにオンエア待機をしてみることに。みなさんも、番組視聴のために夕飯を抜いてみてはいかがでしょうか?

 さて、今回ゴローちゃんがやってきたのは御徒町。「この通りか……」とメモを見ているあたり、新規顧客のようです。「電話の話の通りなら、けっこうな大仕事になりそうだが」と、今回のゴローちゃんはやる気です。

 いや、いつもやる気はあるのでしょうが、あんまり儲けようとギラギラしていないんですよね。でも、その誠実さこそが、仕事がうまく回っている理由かもしれません。

 その新規顧客は、宝石加工の会社。社長を演じるゲストは岡田浩暉です。今回、デパートの催事に出店するということになり「どこからどう手をつけていいのやら」ということなのです。ゴローちゃん、雑貨商かと思いきや、内装込みのトータルな仕事の多いこと。要は、手広くやってるんですよねえ。社員を使えばもっと儲かりそうなものでしょうが、人を使うことのストレスを考えると、今の状態がよいのでしょう。

「原石を加工するところを見せたい」などなど、希望や情熱を語り続ける岡田社長。キャラクターが、社長というにはちょっと怪しげな雰囲気なのが、味があってよいです。でも、そんなキャラだから、情熱的な言葉もホントかな? と、ちょっと疑わしい。おそらく、それもワザとなんでしょうけどね。

 ともあれ、情熱を語られ大仕事だと気合を入れたゴローちゃん。気合が入れば腹も減ります。

「飲食店は……宝石街にメシ屋はないか」

 いろいろとメシ屋はあるはずですが、ゴローちゃんのお眼鏡にかなう店がないということなんでしょう。ラーメン、インド料理に、居酒屋ランチとピンとこないままにさまよっていたところに、飛び込んできたのは「羊」の文字。

「中華系の羊料理ということか……」
「いいような気がする。いやきっといい……ぜんぜんわかんないけど……この胸騒ぎを俺は抑えられない」

 期待値優先で、果敢に店に飛び込むのが松重ゴローちゃんの持ち味です。

 入ったお店は、おやキレイ。「台湾の洒落た食堂っていった感じ」と、感想を一言。

「ここ、俺的に前例のない店だ、ここは注文の組み立てが難しい」

 ランチタイムでも、ただセットを注文してお茶を濁したりはしないのがゴローちゃんなのだと、その精神をあらためて知る瞬間です。

「前菜から順にいくか、先回りでメインを決めるか……」

 ええと、まだランチタイムですよね。今日の仕事はもう終わりという気分で食べるのでしょうか。いや、それができるのも、個人経営者の特権です。

 まず、目についたのは点心。それすらも、餃子か小籠包か、おやきか……。とにかくこちらのお店、ラム推しなのですが、それが余計にゴローちゃんの迷いを呼ぶのです。

 いろいろとメニューを読むゴローちゃんですが、中華料理ならではの、文字だけでは想像できないもの多数。「アウトオブ想像力……」という言葉が出るのも当然です。

 かくして、ようやく決まったファーストオーダーは、ラム肉と長ネギ炒め、ラム肉焼売、白身魚とラム肉のスープ、白いご飯。加えて、オススメの3番。そこに薬味の醤も3種類まとめて注文です。

「吉と出るか、凶と出るか……」

 いやいや、いつも大満足で食べているんだから、今回も大丈夫でしょ。

 果たして、この店、配膳は結構早い。瞬く間に注文したメニューがテーブルに並びます。

 ここで気づくのは、けっこう白いご飯の量が多いこと。この時点で早くも頼みすぎているような気も。

「おお、すごい。テーブルに羊の群れだ」
「まずは、大将から頂こう」

 箸を付けるのは、ラム肉と長ネギ炒め。

「おお、よしよし、中華の炒めもの界に、まだこんな逸材が隠れていたのか……」

 これは、ご飯も進む味。見るとご飯は、麦ご飯ではありませんか。

「やっぱりドンピシャ、麦飯ってのも案外いいぞ……」

 ああ、とんでもないスピードで、ご飯が……。

「ほうら、これは間違いないヤツだ」
「ここで醤投下……」

 長ネギ炒めに投入されるのは、山椒しょうゆ。

「初めてだが、使える……」

 今回のゴローちゃん。スゴく駆け足で満足に至っている感じです。

 続いて手を付けるラム肉焼売は、黒酢で。

「こいつはたまげた。いわゆるシュウマイとは別物。こいつは確かに羊、だがうまい……」
「ラムで点心。そんなワザがあったのか、まるで底なし沼だ」

 ううむ、見ているほうは、まったく味が想像できません。ただただ、うまいことだけはわかります。もう視聴者の脳内は「いつ、この店に行こうか」だけなのではないでしょうか。

 ここで「何にかけてもおいしい」といわれた山椒しょうゆを、白ご飯にかけるゴローちゃん。一気にご飯は進みます。

「俺は今、猛烈に感動している。衝撃の山椒しょうゆご飯……」

 いや、いったいどんなうまさなんだ!? 続いて手をつけるキノコの醤もおいしそうだけど、味の想像がつきません。そんな感じに視聴者を置いてけぼりで、ゴローちゃんの箸は進みます。

 そして、漬け物で口をリセットしつつ、箸は動き続けます。スープを口にすれば「こういうタイプ初めてかも」と、またまた感動。

「透き通るようにうまい、魚と羊が奏でる弦楽二重奏……」

 いや、だからどんなうまさなんだろう。

「中華料理の中で、羊たちが、こんなにも生き生きと輝いている……ラム醤の食卓最高」

 満足に次ぐ満足のゴローちゃんですが、こうなれば胃袋は全開。

「御徒町ラム肉フェスティバル。これでお開きは寂しいな……」

 さあ来た。ゴローちゃんの本気モード。スペアリブのハーフサイズと麦ご飯のハーフサイズを追加注文し、祭りはさらに続きます。

 かくてやってきたスペアリブは、クミンまみれという視聴者の胃袋を直撃する見た目。もうダメです。飯テロでどうしようもなくなった胃袋を、ラーメンか何かで満たそうと思っていたんです。でも、猛烈に食べたいのはラム肉。思わず、深夜にラム肉を食べられるところはないのかと検索してしまうではありませんか。

「落ち着け落ち着け、散々食ってるのに何を焦ってるんだ」
「油がガツンときた。この強烈なパンチこそスペアリブだ。うまいな〜」

 この「うまいな〜」の一言が、ガチモード。ホントにおいしかったのでしょう。

 そこに唐辛子の醤をつけて「これだ!」と開眼するゴローちゃん。まったく落ち着きを失い、ただただ食らうのです。

「おほ〜きた、クミンの刺激かける唐辛子の刺激……」
「豚のスペアリブとは異次元のうまさ」

 そして楽しんだラストは、残った長ネギ炒めをご飯に載せた特製ラム丼です。そこに、残った山椒しょうゆもまぜれば、完全に至福の味。

「この丼いいぞ〜、どんどんかっこみたくなるうまさだ……」
「御徒町でこんな店を発見できたのは、偶然というより奇跡だ……」

 通常の感動を10とすれば、今回のゴローちゃんの感動は30くらいというところでしょうか。

 ゴローちゃんは満足ですが、困ったのは視聴者。何しろうまいのは明らかなのに、想像できない味に困惑したハズ。登場店は、放送後は混雑するのが常。行列はしたくないとは思いつつも、今回ばかりは行ってみなくてはと心に決めた神回でした。
(文=昼間たかし)

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