次回“セミファイナル”も、伏線ぶん投げまくりで回収は大丈夫? ドラマ『小さな巨人』第8話レビュー

次回“セミファイナル”も、伏線ぶん投げまくりで回収は大丈夫? ドラマ『小さな巨人』第8話レビュー

TBS系『小さな巨人』番組サイトより

 前回、視聴率が微減してしまった長谷川博己・主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)ですが、4日に放送された第8話の平均視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と復調しました。

 さて、まずは前回のおさらい。学校法人早明学園と政治家との癒着関係について内偵していた警視庁警務部人事課職員・江口和夫(ユースケ・サンタマリア)が殺害された事件を追う香坂真一郎(長谷川博己)。学園専務・富永拓三(梅沢富美男)が江口を殺害し、学園の裏帳簿を持って失踪した経理課長・横沢裕一(井上芳雄)に罪をかぶせるため、横沢の髪の毛を現場に残す裏工作をしたのではないかと疑います。

 地道な捜査の結果、江口が殺害された日の富永のアリバイを崩す証拠をつかんだ香坂は、捜査一課長の小野田義信(香川照之)をたきつけ、富永を任意同行させることに成功。しかし、証拠不十分として小野田はすぐに富永を釈放してしまいます。元・捜査一課長の富永は、小野田を捜査一課に引き上げた恩人。そのため、小野田が富永に手心を加えたのではないか? と香坂が疑いをもったところで第7話は終了となりました。

 第8話は、富永を釈放した理由について、香坂が小野田に問い詰めるシーンからスタートします。小野田によれば、江口が殺された当日、学園の裏口に設置された防犯カメラの映像に横沢が逃走する姿が映っていたため、富永を釈放することになったとのこと。また、富永は横沢が学園の金を横領したと吹聴しているため、小野田は「横沢は300%クロだ」と断言し、横沢逮捕に全力を注ぐことになります。

 横沢が、妻の亜美(中村アン)に接触してくるに違いないと睨んだ捜査一課と豊洲警察署刑事課の合同捜査チームは、所轄の刑事・三島祐里(芳根京子)を亜美に近づかせて横沢の情報を引き出す作戦を立てます。

 しかし、亜美は逆に三島を利用。自分の携帯電話に送られたメールは警察へと転送されてしまうため、三島の携帯電話を使ってこっそり横沢と連絡を取り合います。そのことに気づいた三島は香坂に相談。香坂は、三島の携帯に送られてきたメールを自分の携帯に転送されるように設定してトラップを仕掛けます。

 そうとは知らずに亜美は横沢と待ち合わせをし、香坂はその現場を押さえます。ところがそこへ、香坂の同期で捜査一課の指揮を執る藤倉良一(駿河太郎)が現れ、横沢を横取りしてしまいます。藤倉は、所轄よりも先に横沢を逮捕して、横沢が持つ学園の裏帳簿を隠蔽するよう小野田から命じられていたのです。香坂は、「俺たちは何のために警察官になったんだ?」と、正義感を盾に訴えますが、藤倉は「そんなもん、もう忘れた」と聞く耳をもたず、横沢を本庁へと連行します。

 しかし、本庁へ移動する途中、香坂の言葉を思い出して良心の呵責に苛まれた藤倉は行き先を変更。小野田の命令に背き、香坂に横沢の身柄を預けます。香坂は、これで江口殺人事件の真相と学園の不正問題が明らかになると安堵します。しかし、喜んだのもつかの間、取調室から横沢が失踪。手引きしたのは山田春彦(岡田将生)であることが発覚したところで第8話は終了となりました。

 今回で『豊洲署編』の3話目が終了ということで、ふと気になったのですが、初回から第5話目までの『芝署編』で問題になっていた、IT企業・ゴーンバンク社社長の中田和正(桂文枝)と小野田との癒着問題はどうなってしまったのでしょうか? 『豊洲署編』が始まってから完全に放置されてますが、まさか大風呂敷を広げたままということではないですよね? 今回の山田の裏切りにしろ、視聴者の興味を惹き付けるために行きあたりばったりでどんでん返し演出をしているように思えてならないのですが。伏線をぶん投げるだけぶん投げたまま回収しないで終わるのはやめてくださいね。

 それと、第1話のサブタイトルにも使われた「敵は味方のフリをする」というセリフが毎回何度も出てくるのですが、聞き飽きました。今回のドラマは、2013年に同枠で放送された『半沢直樹』のスタッフが集結したということで、半沢が連呼した「やられたらやり返す。倍返しだ!」と同じように流行ることを狙っているのでしょうが、流行りません。むしろ、そのセリフに縛られて無理にでも裏切り者を用意しなければならず、ストーリーに矛盾が生じるという悪循環に陥ってしまっているようにも思えます。

 同ドラマは全10話ということで、次回で早くも“セミファイナル”を迎えます。予告では、「17年前の真相」「怪物の正体」などといったテロップが流れ、小野田の過去を掘り下げるようなストーリー展開となるようですが、伏線回収を含めクライマックスに向けて盛り上がりを見せることができるのか注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

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