『孤独のグルメ Season6』第11話 ゴローちゃんに強力ライバルが出現? もっとも食べたい料理は水煮牛肉

『孤独のグルメ Season6』第11話 ゴローちゃんに強力ライバルが出現? もっとも食べたい料理は水煮牛肉

テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより

 気がつけば、暑い季節がやってきました。

 そんな季節に食べたいのは、冷たいものとか辛いもの。そんな視聴者の気持ちに合わせてテーマを決めてくれるスタッフには、感謝の気持ちすら湧くのが、今回です。

 さあ、今回ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)がやってきたのは、文京区は茗荷谷。つくづく思うのですが、初見の人にはまったく読めない地名です。だいたいの読めない人は「……(読めない)……たに?」とかいうのですが、一度だけ「いらにや」と読む人に遭遇したことがあります。

 ともあれ、今回ゴローちゃんがこの街にやってきた理由は取材。片桐仁演じる編集者にインテリア雑誌の取材を受けることになったのです。初っぱなから「撮影のほうから始めさせていただきます」と言われて「こんなハズじゃなかった……」と戸惑うゴローちゃん。おまけにインタビューになれば「モテそうな部屋のデザイン」を聞かれてしまい、苦笑するしかありません。

 なお、このシーンの冒頭で挿入される出版社の外観と編集部は文溪堂。学校教材とか児童書の出版社なんですが、どういう都合でこちらを借りたのでしょうか。

 慣れないだけでなく、アホな取材ですっかり疲れたゴローちゃん。播磨坂桜並木をトボトボ歩けば腹も減ります。ああ、取材のシーンで使っていたカフェとかもそうなんですが、播磨坂桜並木あたりは、文京区でもっともスカしたハイソな人々(笑)が集うところなので、ぜひ見物にお出かけください。

 いつも通り店を探しに歩き始めたゴローちゃんですが、今回はあまり迷わず。播磨坂桜並木の突き当たり、共同印刷のある信号を左に曲がって歩くこと100メートルあまり。見つけたのは「中国料理 豊栄」です。

「今の腹ぺこ具合には、やっぱり中華の油が欲しいかな」

 この年齢でなお身体が油を求めるゴローちゃんを見習いたいと本気で思う、今日この頃。

「お、黒板メニューか……冷やしタンタンいいなあ」

 いきなり、この店は美味しそうではありませんか。入る前、隣の蕎麦屋と迷ったゴローちゃんは「一挙両得」と喜びます。

 迷うことなく注文するのは、冷やしタンタン麺とウーロン茶。ホント、ゴローちゃんてば、ランチで1,000円札を消滅させるのに躊躇がありませんよね。普段から儲かっているのか?

「よし、とりあえず冷やしタンタン確保。お次は……」

 ランチタイムなのに、どれだけ頼むんだよ。今さらだけど。

 一風変わったメニューの名前に、いろいろと迷い始めるゴローちゃん。「アボカドのせいろ蒸し」「中華茶碗蒸し」「回鍋肉」「白ご飯」。

 水沢エレナ演じる店員は、涼しい顔で注文を受けているわけですが、この客は明らかにオカシイ。

 近くのテーブルを見て「昼間っから大胆に店を広げちゃってるなあ〜」というけど、アンタもな。

 そうして届いた「食卓のプール開き」である冷やしタンタン麺。器もしっかり冷やされている逸品です。汁なしタイプのそれを、ゴローちゃんはとにかくまぜまぜ。

「うん、うまい、あれ……ぜんぜん辛くない。ていうかなんだ? 見た目は確かにタンタン麺だけど、味は冷やし中華っぽいぞ……んおほお、これメチャクチャうまい……」

「これ、ひょっとして大傑作じゃないの?」

 とにかく褒めまくりながら、えらいスピードで食べ進めるゴローちゃん。

「冷やしなのに食欲を燃え上がらせる……全然、まだ食える」

 こうしてゴローちゃんは、いつも以上に不穏なセリフ。

「オレ、今さらながら相当腹が減っていた。ここがゼロ地点だ……」

 並べられるのは、「アボカドのせいろ蒸し」「中華茶碗蒸し」「回鍋肉」「白ご飯」。

「まずは、チャイニーズアボカド」

 タレに浮かんでいるアボカドという、未知の美味さを視聴者にアピール。

「わほう、何これ? アボちゃん蒸すと、こんなに美味くなるの……とろっとろ、アボの大トロだ……」

 それをご飯にのせれば「アボカドゴロネーゼ……おお、これ最高! さいこうたかもり!」と、例えようのない美味しさは、例えようのない寒いギャグで煽られます。

 続く「中華茶碗蒸し」は日本の茶碗蒸しとは違う食べ物。

「これはいくらでも入るヤツだ」

 何せ、この料理。旨みは凝縮されているけど具はないのです。自信がなければ出せない料理であることは間違いありません。

 でも、こんなのはまだ前座。今日のゴローちゃんのメインは回鍋肉なんですから。

「うん、うまい。これぞ空腹にクサビを打ち込む男メシだ。中華の中の中華キングオブ中華……座っているのがやっとなほど美味い」

 この回鍋肉、使っている肉がバラ肉を厚めに切ったもののよう。そりゃ、味が染みこんで美味くなるのは必然ではないでしょうか。

 本来なら、ここでラストスパートに入るハズが、今回はちょっとイレギュラー。栗原英雄演じる常連客が、水煮牛肉を注文するのです。水煮牛肉といえば、最近はちょっとメジャーになった辛い料理。この店では特に辛いのか、周囲に唐辛子に味と臭いをまき散らし店員も恐れおののいています。

「ここの水煮牛肉好きなんですよ……」

 ガチでむせながら食べる栗原。

 これはズルイ……。このシーンで、いつものラストスパートのゴローちゃんの印象が、まったく吹き飛んでしまうのです。

「ああ、腹パンパン……」

 次回は、あの辛いヤツを着替え持参で汗ダラダラかきながら食べてみようと決意するゴローちゃん。いや、このままじゃレギュラーの座がヤバイ?

 ま、単に食べるだけなのにライバルが出現する展開は『食の軍師』でもやってますしね。
(文=昼間たかし)

関連記事(外部サイト)