「幸福の科学による嫌がらせ」説も……公取委の“奴隷契約”有識者会議は芸能界・スポーツ界を変えるか

「幸福の科学による嫌がらせ」説も……公取委の“奴隷契約”有識者会議は芸能界・スポーツ界を変えるか

幸福の科学・大川隆法総裁

 タレントやスポーツ選手などが交わすプロダクションとのマネジメント契約の内容について、移籍などを制限する“奴隷契約”の疑いがあることで、公正取引委員会が独占禁止法に抵触するかどうかの有識者会議を行うことになった。しかし、これに対して芸能プロ側からは「幸福の科学の嫌がらせだ」なんていう声も聞かれる。

「幸福の科学の連中が清水富美加の出家騒動のとき、東京労働局とかに不当な契約だとか通報していたので、その影響だろう。それがここまで尾を引くとは……」(芸能プロ関係者)

 清水は2月に突如として宗教団体、幸福の科学での活動に専念するとして千眼美子(せんげんよしこ)に改名。予定されていた仕事を次々にキャンセルして、所属事務所との契約を終了させた。

 その過程で浮上していたのが清水の待遇問題で、デビュー3年目の頃に「1カ月、休みなく働いても給料5万円だった」と明かし、これに所属事務所側が「仕事に見合う報酬を払ってきた」と反論していた。

 そんな中、幸福の科学に近い関係者らが「芸能人の労働環境を糺す会」を発足させ、東京労働局に芸能人の労働環境の是正を求めるよう請願書を提出。一般の会社員のように給与などの待遇をハッキリさせて雇用するよう求める動きを取った。そんな経緯から今回、公取委が動き出したことには、芸能界から「幸福の科学のせい」と見る向きがあるわけだ。

 日本の芸能界は古くは暴力団が取り仕切っていた歴史があり、芸能プロが暴力団傘下にあったことから、タレントの引き抜きに関しては互いに縄張りを守る“しきたり”が出来上がり、1950年代には大手の映画会社同士が所属俳優について「貸さない、借りない、引き抜かない」という協定を結んでいた時期もあった。

 このタレントの奴隷化は暴力団の影が見えなくなった現在でも、システムとして残り、タレントの移籍や独立は基本タブーとされ、背いたタレントが業界から干されるというケースも相次いでいる。

 プロスポーツの世界でも一部で、同様に所属先を自由に移籍できない傾向を見受けられる。例えばプロボクシングでは選手と所属ジムの契約を仲介するマネジャーが定められ、表向きは1年契約としているが、その実態は決してフェアなものではない。マネジャーはジムに雇われているケースが大半で、移籍しようとした選手には巨額の移籍金を求め、それを支払わなければ飼い殺しにできてしまう一方的な力関係にあるのが現実だ。選手がどんなに出世しても、それを操る所属ジム会長がその上に君臨しているため、その立場は変わらない。

 日本の芸能界やスポーツ界では、所属事務所側が「大金をかけて育てたのに、売れてから独立されたら商売にならない」という言い分で正当化することが多いが、例えばアメリカなどではその手のシステムは「奴隷契約だ」と悪しきものとして扱われ、さまざまな法律によりタレント側の権利が守られる仕組みが確立されている。

 今回の公取委の動きが幸福の科学に押されてのものかどうかは定かではないが、すでに公取委の関係者が一部芸能プロやスポーツ選手の所属先などに不当な契約がないか、ヒアリング調査を実施中だ。

 その結果が今後の方針に影響を与えることになるが、前出の芸能プロ関係者は「調査といっても強制的な捜査じゃないし、表向きの一般的な契約書はあるから、うまくごまかせる部分はある」と抵抗色を強めている。

 世間から見れば奴隷契約であっても、業界内では何十年もやってきた「当たり前の慣習」であることから、公取委がどこまで実質的に踏み込めるか注目される。
(文=片岡亮/NEWSIDER)

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