『やすらぎの郷』、遺産相続問題を描いた脚本に「現実としての死を考えされられる」の声

『やすらぎの郷』、遺産相続問題を描いた脚本に「現実としての死を考えされられる」の声

『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)公式サイトより

ニッポンのお茶の間をわかし続ける“昼ドラ”――そのあらすじと視聴者からの反響を、サイゾーウーマンが週2回(月・木曜日)お届けします!

『やすらぎの郷』(テレビ朝日/月〜金、昼12時30分) テレビ業界人専用の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」を舞台に、家族、財産(遺産)、過去の栄光、恋、死への恐怖、芸術への心残り……、さまざまな思いを抱える老人たちと、彼らに翻弄される脚本家・菊村栄(石坂浩二)の姿を描く物語。

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■5月26日(金)/40話〜5月29日(月)/41話
 40話では、遺産相続について見つめ直す栄の姿が描かれた。秀次(藤竜也)の部屋から見つかった遺言書と遺産をきっかけに、遺産相続についてあまりに無知であると気づいた栄は、コンシェルジュである松岡伸子(常盤貴子)のデスクを訪ね、相談する。伸子から、相続権を持つ親族、相続の対象になる財産などについて聞くにつけ、栄は今さらながら遺すことの難しさ、そして死ぬことの大変さについて考えさせられるのだった。これには「おお……、何か老人ホームっぽい話してる」「『死ぬためには』をシリアスじゃなく、こんなにさっぱりしっかり描くドラマなかなかない!」「物語じゃなく、リアルに考える『死』を描いていてすごい」「現実としての死を考えされられる回だった」と絶賛の声が。

 また伸子との会話の中で、栄は昭和48、49年以前のテレビドラマ作品はテレビ局に消されてしまって、全て残っていないと発言。「犯罪だ」「テレビ業界の所業」と、我を忘れて怒りを見せる姿に「石坂浩二の口を借りてテレビ局への鬱憤を晴らす倉本聰、もうやりたい放題」「テレビ業界に物申すことが多すぎる(笑)」との声が。同ドラマは実際に起きたことなどをモデルにしていると思えるエピソードも多いため、「これは現実に起きたこと? 倉本聰の創作?」「ドラマと現実の境目がよくわからなくなって来た」という視聴者も多いようだ。

 その日の夜、バー・カサブランカで、マロこと真野六郎(ミッキー・カーチス)、大納言こと岩倉正臣(山本圭)と一緒に相続税を簡易的に計算した栄は、相続税の“ぼったくり感”に驚き、税金の無駄遣いへの憤りを感じるのだった。

 41話では、遺産相続の煩雑さを知り、死を身近なものとして考えざるを得なくなった栄が、お嬢こと白川冴子(浅丘ルリ子)や水谷マヤ(加賀まりこ)にも、死や遺産についてどう考えているのか聞いてみる。豪胆なマヤは、自分が死んだ後のことなど知らない、後の者が勝手に処理すればいいと、栄の憂いを一笑に付す。また、マヤと概ね同意見というお嬢は、先輩女優の例を挙げ、財産を遺すから相続問題が起こる、死ぬまでに稼いだお金を使い果たすという、浪費計画を打ち明ける。実際、60歳の時点で75歳まで生きると想定し、1日3万6500円のペースで使っていたお嬢だが、75歳を過ぎてしまい、「私の人生って何なんだろう?」と嘆くのだった。

 一方、マロや大納言と死後の世界について語り合っていた栄は、大納言が、「会えるなら、若い時より死ぬ間際の老けた女房に会いたい」と言うのを聞いて、亡き妻を思い浮かべ、その気持ちに強く共感していた。

 老人たちの姿を描いた作品に必要不可欠な「死」について触れた今回の『やすらぎの郷』。エンタテインメント作品としてだけでなく、「死」に向かう老人たちを描いた人間ドラマとしても一級品かもしれない。

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