HKT48・指原莉乃は、本当に「友達がいない」のか? 自虐発言ににじみ出る“生臭い野心”

HKT48・指原莉乃は、本当に「友達がいない」のか? 自虐発言ににじみ出る“生臭い野心”

HKT48・指原莉乃は、本当に「友達がいない」のか? 自虐発言ににじみ出る“生臭い野心”の画像

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「友達にはなりたくない」HKT48・指原莉乃
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、9月13日)

 “友達”という存在に重きを置くのは、男性より女性なのではないだろうか。女性誌や女性週刊誌は、定期的に「オンナの友情の良さ」を説くが、その一方で「オンナの裏切り」も一大テーマである。男性週刊誌や月刊誌で、オトコの友情を特集したものを私は見たことがない。芸能界においても、友達エピソードを披露するのは女性であり、男性芸能人が紹介する交友エピソードは、「先輩が良くしてくれた」というふうに、上下関係に言及する場合が多い。

 ただ、視聴者が“リア充”を嫌う今、「友達がたくさんいる」ことを公言する女性タレントはほとんどおらず、たいていが「友達がいない」「寂しい私生活」アピールに余念がない。しかし、この「友達がいない」アピールが有効なのは「誰がどう見ても人気者」なタレントのみである。恋愛スキャンダルで左遷の憂き目にあうものの、AKB48選抜総選挙で前人未踏の3冠を成し遂げたHKT48・指原莉乃は、数少ない「友達がいない」アピールが“決まる”タレントだろう。

 9月13日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)では、「友達ほぼゼロ女」として、シンガーソングライターの柴田淳、元モーニング娘。の石川梨華、タレントの水野裕子がゲスト出演した。「友達ほぼゼロ」と銘打っているものの、石川は「家族さえいれば満足」、水野も特定の友人とほぼ一緒にいるという“狭く深い”人間関係が好みだといい、柴田も「ただただ寂しい女」と紹介され「友達がほしい」とは言っていなかったので、「友達がほぼゼロ」な現状に満足していないのは、「友達、全然いないですよ」「友達ほしいです」と公言するMCの指原だけである。

 「友達がいない」ことの信憑性を高めるためだろう、指原は「卒業アルバムの最終ページが白紙だった(誰からもメッセージを書いてもらえなかった)」「何かの間違いでボーリングに行くはめになり、投げた後、振り返るのが怖い(友達がリアクションを取ってくれない)」という、ゲストの上を行く「友達がいない」実体験エピソードを披露していた。「友達がいない」ことは、一般的には“非リア充”のカテゴリに属する話で、友人関係に悩む若い視聴者には、心の支えとなるのかもしれない。

 しかし、この番組の「友達が全然いない」アピールをする指原に対して、私が抱く感想は、「野心がすごい」「生臭い」である。

 指原は「友達がいない」と言うが、気兼ねなく誘えるメンバーとして「峯岸みなみ、柏木由紀、AKBの社長」といったAKB関係者と、「シソンヌの長谷川忍」の名前を挙げた。AKBの社長はさておき、一般的には同じ業界で仕事をしていて、気兼ねのいらない関係であれば“友達”と呼ぶと思うが、指原は「友達がいない」と言い張る。名前を挙げられた面々が、指原を“友達”と思っていたら失礼な話だが、指原の言う「友達がいない」とは「友達かもしれないけど、いろんな意味で満足していません」という“上昇志向”“野心”の別表現ではないだろうか。

 指原は「友達がいない」エピソードの1つとして、同番組共演者のフットボールアワー・後藤輝基を飲みに誘ったのに、断られたことを挙げた。もう1人の共演者であるチュートリアル・徳井義実を誘わないところに、私は指原の“野心”を感じる。なぜなら、徳井より後藤の方がキー局のMC番組数が多く、徳井より後藤と親しくなっておく方が、指原にとってメリットが多いことは明らかだからだ。

 実際に交流があるメンバーは無視して、“友達”の新規獲得に励む指原。その“友達”の条件とは「自分よりポジションが上」「業界でチカラがあるかどうか」なのではないだろうか。指原は、柴田とは「友達になりたくない」と発言していたが、友達がほしいと言いつつも、相手が自分にふさわしいか冷静に吟味しているように見える。

 かつて、指原は同番組で自分のウリを「オレにも手が届くと思わせること」と語っていた。指原が自虐を多用するのも「たいした存在ではないので、あなたにもチャンスがある」と思わせるためだろう。この「手が届く」作戦と「友達がいない」アピールは地続きであり、男性に「友達にたくさん囲まれたリア充には気後れしてしまうが、友達がいないひとりぼっちの子であれば、自分が優位に立てる」と錯覚を起こさせやすいのではないか。

 指原に本当に「友達がいない」とは思わないが、“野心”が強すぎる人は、どんな友達を持っても、結局は満たされないと思う。かつて松田聖子も「芸能界に友達がいない」ことを公言しているアイドルであったが(唯一の例外は、モト冬樹だそうだ)、その代わり、奔放な恋愛遍歴で知られていて、ウワサになった芸能人は数知れず、現在の結婚も3回めである。

 トップアイドルがトップで居続けるために必要なのは“友情”ではなく、“恋愛”ではないだろうか。おニャン子クラブの高井麻巳子が、秋元康と結婚して芸能界を引退したのは22歳。23歳の指原も、それくらいのビッグネームとの熱愛(と破局)を経験して、アイドルとしてのマンネリを打破していい頃のように思う。


※仁科友里(にしな・ゆり)

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