鈴木亮平「レンアイ漫画家」はドラマ化に不向きだった? 視聴率上向きのカギは4回目以降

鈴木亮平「レンアイ漫画家」はドラマ化に不向きだった? 視聴率上向きのカギは4回目以降

主演の鈴木亮平(C)日刊ゲンダイ

(文=水野詩子/ライター・コラムニスト)

 4月8日放送スタートの「レンアイ漫画家」(フジテレビ系)の初回は6%台のスロースタートとなった。原作は、モーニングKCで連載されていた少女漫画。愛を知らない天才少女漫画家・刈部清一郎(かりべ・せいいちろう)と、「ダメ男ホイホイ」と呼ばれるほどロクでもない恋愛ばかりしてきたアラサー女子・久遠(くおん)あいこの二人が織りなすラブコメディーとなっている。

 主演を務める鈴木亮平(38)は、ドラマでのラブコメ主演は初めてということもあり、期待しながら第1話を視聴してみたが、90点台の面白さで来週も早く見たい!という気持ちにはならなかった。少し辛口になるが、70点台の可も不可もない面白さなので、とりあえず来週も見てみようというのが、正直な感想だった。

 ネット上の感想でも<毎週録画してみるほどじゃないけど、流し見しているぐらいの距離感なら面白い。><あと数話見て、視聴を続けるか考えよう>という見方が多いようだ。

■設定と描写に点在するツッコミどころ

 ラブコメ枠のドラマは、「ヒロインに自分の思いを乗せられるか(共感できるか?)」というポイントと、「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)の佐藤健(32)や「この恋あたためますか?」(TBS系)の中村倫也(34)のようなイケメン俳優を”眼福”として眺める楽しみ方がある。しかし、ドラマの前提となる設定や描写にツッコミどころがあるとそのポイントに集中を絞ることができず、気が散り没入感を失ってしまう。

 ストーリーは、恋を知らない天才少女漫画家が、高額な報酬を支払うことを条件に漫画のネタになるように、アラサー女子に疑似恋愛をさせるというもの。これは漫画だと成立するのかもしれないが、ドラマというリアルに近い媒体になると急に”荒唐無稽に思えてしまう”という良い例になってしまったようにも感じる。

 一見あり得ない設定は”夢”や”ときめき”を与えることにつながるが、「なぜそのような状況になっているのか腑に落ちない」とか「登場人物がなぜそのような性格になっているのかが見えなさすぎて、いまいち気持ちが入れられない」などのデメリットにも転じやすい。

 前期ドラマの中で視聴率が振るわなかった「ウチの娘は、彼氏ができない!!」(日本テレビ系)も、オタクな娘に彼氏ができないことを心配する母の構図だが、ドラマ内で描かれているオタク像が古すぎて違和感だったり、実は血の繋がらない母娘だったことがバレる展開など、話数を重ねるごとについていくのが大変な部分が非常に多かったように思う。

 平成時代のドラマならばそれが「ドラマらしさ」として評価されていたであろう”荒唐無稽”な部分が、視聴率低迷の理由と言えるかもしれない。

「レンアイ漫画家」にしても、初回を15分も拡大するのであれば、ヒロインがダメ男ホイホイになってしまったバックボーンや、鈴木亮平が演じる漫画家がなぜ、あんなにひねくれているのか?ということが少しでも垣間見れるシーンなどが欲しかった。今後それらが描かれることに期待したい。

■前期放送の「知ってるワイフ」は4話以降に変化

 しかし、フジテレビ系の木曜22時枠はもともと視聴率が高いわけではない。前期放送の「知ってるワイフ」同様、放送を重ねるごとに視聴率が伸びる可能性もある。「知ってるワイフ」も初回6%台でスタートし、4話以降に7%台が定着。最終話で9%近くまで一気に数字を伸ばした。

 現在の妻が気に入らないから、やり直すためにタイムスリップしたという一見、あり得ない設定だが、ワンオペ育児の妻の苦しみをリアルに描いたり、大切なことに気づいていく夫側の気持ちを丁寧に描くなど、回を重ねるごとに思い入れやすいポイントも見えてきたというのも視聴率を伸ばした理由の一つだろう。「レンアイ漫画家」は決して面白くないわけではないが面白いとも言い切れず、どの登場人物にも思いを入れられるポイントも見つからないので、いかに視聴者が根気よく見続けられるかにもかかってくる。

 ヒロイン役の吉岡里帆(28)は今作初回放送後「コメディーに向いてる!」という感想も多く見られ、ヒロインとして好感触。鈴木亮平も演技力には定評のある俳優であるため、キャスト陣の問題というよりは純粋に構成や設定の違和感が、今後の視聴率を握るカギ。

 とりあえず筆者も、今後に期待しながら視聴を続けてみようと思う。

関連記事(外部サイト)

×