山上兄弟をプロデュース キャッチフレーズで考えたのが「てじなーにゃ」です【北見伸 大いに語る】

山上兄弟をプロデュース キャッチフレーズで考えたのが「てじなーにゃ」です【北見伸 大いに語る】

「てじなーにゃ」で人気者になった山上兄弟(提供写真)

【北見伸 大いに語る】#6

 伸には2人の男の子がいる。長男が佳之介、次男が暁之進という。まるでお侍のような名前だ。

「古風な名前にしようと、そう名付けました。長男が6歳の年に、僕のマジックショーに子役として舞台に出したのが最初です。1つ違いの次男が小学生になった年にコンビを組ませ、山上兄弟として売り出しました。ちょうどハリーポッターが出た頃なので、『日本のハリーポッター』というキャッチフレーズがよかったのか、マスコミが食いつきました。小学生のマジシャンなんて初めてですから」

 平成14年、日比谷公会堂で、「山上兄弟のハッピーマジック」というショーを催した。2人の愛らしい兄弟が、マジシャンらしい衣装を着けてマジックを演じる。受けないわけがない。

「マジックの次にやらせたのがイリュージョンです。それが評判になったので、ギネスブックに、『世界最年少イリュージョニスト』としての認定を申請しました。それが受理され、また話題になりました」

 父親でありながら、伸はやり手のプロデューサーなのである。

「兄弟が3、4年生になった年に、DVDを制作することになりました。撮影の際、マジックをやる前に、何かキャッチフレーズになるような言葉はないかと考えたのが、『てじなーにゃ』という掛け声です。これを宣伝ポスターに書かせたんです」

 これから手品をやりますと言う代わりに、子供らしく「てじなーにゃ」と言わせたのは見事なアイデアである。兄弟はたちまち人気者になった。伸が構成演出した山上兄弟のハッピーシリーズ、「てじなーにゃの森の仲間たち」と題した公演は大成功で、DVDもよく売れた。

「同世代の小学生だけじゃなくて、中学生、高校生の女の子がファンになって、楽屋口で出待ちするほどの人気でした。出口から車に乗り込むまで時間がかかったのを覚えてます。平成18年には、『てじなーにゃの大冒険』というタイトルの全国公演を行いました。とにかく忙しくて、分刻みのスケジュールで動いてましたね。それでも、学校だけは休ませなかった。ただ、土日祝日は営業があるので、遊ぶ暇なんてなかったはずですよ」

 子供たちの活躍は、親として複雑な心境ではなかったかと拝察する。  =つづく

(聞き手・吉川潮)

■出演予定
浅草演芸ホール…8月上席 後半(8月6〜10日)
池袋演芸場…8月中席(8月11〜20日)
浅草演芸ホール…8月下席 前半(8月21〜25日)

▽北見伸(きたみ・しん)マジシャン・イリュージョニスト。1962(昭和37)年、大阪府出身。本名・山上民夫(やまがみ・たみお)。「てじな〜にゃ」でおなじみのマジシャン山上兄弟は実子。79年に北見マキに入門。マニプレーターでデビューし、世界大会などで数々の賞を受賞。その後女性グループ「魔女軍団スティファニー」を結成し、イリュージョンを手掛ける。近年はアイドルのプロデュースも行っている。

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