苦しんで暴れて死んだ愛犬イブに動物病院は「老衰」と診断【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】

苦しんで暴れて死んだ愛犬イブに動物病院は「老衰」と診断【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】

(撮影:吉田隆)

【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】#55

 ゴールデンウイーク前に来たばかりの田辺に10日ぶりに戻ってきた。

「あ〜ら、お久しぶり。お元気そうね」

 玄関で出迎えてくれたのは、家政婦の大下さんだった。彼女は月に2度程度やって来て10日間ほどいるのだが、今回は連休の最中にお手伝いとして来たらしい。

「イブちゃん、残念でしたね」

 リビングのソファに腰掛けて聞いた。

「そうなのよ。日曜(5月6日)の晩、10時半ごろに突然苦しみだしてね。動物病院を探したけれど日曜の夜なのでどこも開いていなくて。さっちゃんがネットで検索して大阪市内の大学付属病院を見つけて運んだの。マコやんは酒を飲んでいるからダメだと断られて。それでさっちゃんが『運転をする』って言いだしたんだけど社長が『ダメだ』って怒って、結局、私が2人を乗せて向かったのよ」

 免許を取って10日ほどしか経っていない早貴被告にハンドルを握らせるのは無謀だと私も思ったが、大下さんの運転はかなり危なっかしいことも知っている。深夜に片側1車線の区間が多い高速道路を運転させるのは無謀だったとしか思えなかったが、事故がなくて幸いだった。

「社長がイブちゃんを胸に抱いていたんだけど苦しみだして暴れてね、かわいそうだった。結局、動物病院に着いた時には意識がなくて『亡くなりました。老衰と思われます』って先生に言われて戻ってきたというワケなの」

 私は犬を飼った経験がないから、うかつなことは言えないが、老衰で亡くなる前に暴れることがあるのか? と疑問を感じた。老衰ならば、動かないで静かに亡くなるものだという先入観があったからである。とはいえゴールデンウイーク前のイブの動きが悪かったのは事実で、そのことをドン・ファンには伝えていたのでイブが亡くなったことに関しての違和感はなかった。

「早貴ちゃんは?」

「2階にいるんじゃないの?」

■安らかな死に顔

 私が2階に上がると、誰もおらず、キングサイズのベッド前に祭壇のような棚が置かれていた。イブは50センチ四方ぐらいの大きさのエルメスのオレンジの箱に眠ったように横たわり、その体には真っ白な胡蝶蘭などの花がかけられていた。自宅には数多くのエルメスのオレンジ色の空箱が積まれていたが、これは前妻のCさんが買いまくった名残であった。

「おい、起きろよ」

 頭をなでながら思わず声が出るほど、イブは安らかな表情をしていた。

 午後2時半前にイブの葬儀が始まった。早貴被告とドン・ファンが祭壇脇のソファに腰掛け、私と大下さん、そして元従業員で60代のDさんが反対側に座った。マコやんは酒の配達の仕事があるので顔を見せなかった。 =つづく

(吉田隆/記者、ジャーナリスト)

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