小室圭さん宅前に報道陣ベタ張り…これは私人へのメディアスクラムだ(成城大学教授・森暢平)

小室圭さんの自宅前に報道陣詰めかける 大学教授は「人権侵害行為」と指摘

記事まとめ

  • 隔離期間が明けてから小室圭さんの自宅前に、50人ほどの報道陣が詰めかけているという
  • 筆者である森暢平教授は「行動を読者・視聴者に伝える必要があるのだろうか」と指摘
  • 自宅前のベタ張りは、小室さんの家族の生活を妨げる人権侵害行為であるとも

小室圭さん宅前に報道陣ベタ張り…これは私人へのメディアスクラムだ(成城大学教授・森暢平)

小室圭さん宅前に報道陣ベタ張り…これは私人へのメディアスクラムだ(成城大学教授・森暢平)

小室圭さん(C)日刊ゲンダイ

 小室圭さん(30)の帰国後、隔離期間が明けてから横浜市内にある小室さんの自宅マンション前に、50人ほどの報道陣が詰めかけている。12日は、TBS系「ゴゴスマ」や、フジテレビ系「イット」が生中継まで行っている。
 
 小室さんは、眞子さま(29)との結婚とその準備、眞子さまの引っ越し・ビザ取得のサポート、さらには母親と元婚約者のトラブルの仲介などのために一時帰国した。いずれも私的なことである。マスメディアは小室さんの自宅前にベタ張りし、その行動を逐一、読者・視聴者に伝える必要があるのだろうか。

 同日夕方、フジテレビ系のニュース「イット!」では竹俣紅アナウンサーが次のように伝えた。

「小室圭さんの自宅前です。小室さんは今日から外出ができるということで報道陣が集まっています。自宅周辺は今も警察官が警備に当たっています。先ほど午後1時40分ごろには制服ではなくスーツ姿の警察官3人が現れまして、今は3、4人の警察官が行き来しています」

「そして、こちら自宅前では午後2時過ぎに、少し動きがありまして、制服姿の警察官とスーツ姿の警察官が話し合う様子が見られたんですね。そして、簡易派出所の中で警察官が電話機で電話をする様子も見受けられました。小室さんは今日から外出可能ということで、本格的に2週間後の結婚に向けた準備を進めるものと見られます。こちらからは以上です」

 これがニュースなのだろうか。小室さんは犯罪を犯したわけでも、逃亡する容疑者でもない。女性皇族と結婚するために人々の関心が高いといっても、それを根拠に、自宅の出入りすべてをチェックし、プライバシーを侵すのは行き過ぎだ。

■隔離期間を終えた小室さんの行動監視

 日本新聞協会は2001年、編集委員会の見解として、集団的過熱取材(メディア・スクラム)を次のように定義した。

「大きな事件、事故の当事者やその関係者のもとへ多数のメディアが殺到することで、当事者や関係者のプライバシーを不当に侵害し、社会生活を妨げ、あるいは多大な苦痛を与える状況を作り出してしまう取材」

 小室圭さんは公人ではない。紀宮さまと結婚した公務員の黒田慶樹さんに対し、メディアが理由もなく取材できないのと同様である。

 ましてや、小室さんの母親は完全な私人である。彼女は、金銭トラブルという「事件」の当事者としてメディアに追いかけられている。その結果、社会生活を妨げられ、多大な苦痛を受けながら、今日まで声を上げられずにきた。小室さんの自宅には、母親もいるとみられる。自宅前のベタ張りは、小室さんの家族の生活を妨げる人権侵害行為である。

 金銭トラブル、眞子さまとの再会、秋篠宮ご夫妻との面会……。メディアは小室さんを追いかけ回す理由を挙げるであろう。しかし、金銭トラブルはもはやこの結婚とは無関係の私人間の争いであり、眞子さまとの再会は2人の問題、秋篠宮ご夫妻との面会は家族内の問題である。そっとしてあげることがなぜできないのか。

 お二人は10月26日に記者会見をして、説明をするといっている。それで十分ではないだろうか。

 これから小室さんを捉える報道陣は、「今のお気持ちは」「秋篠宮ご夫妻にはいつお会いになるのですか」と無用な問い掛けを続けるだろう。髪を切っていない姿をワイドショーはまた揶揄するであろう。

 プライバシーや名誉、人格権の侵害だと言わざるを得ない。知る権利の乱用といっても過言ではない。日本新聞協会、民間放送連盟は一刻も早く対応すべきではないか。

▽森暢平(もり・ようへい) 成城大学文芸学部教授。元毎日新聞記者。著書に『天皇家の財布』(新潮社)、『近代皇室の社会史』(吉川弘文館)、『皇后四代の歴史──昭憲皇太后から美智子皇后まで』(吉川弘文館、共著)、『「地域」から見える天皇制』(吉田書店、共著)などがある。

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