敵も味方も多いが 周防郁雄は芸能プロ経営者の“最高カリスマ”

「芸能界のドン」周防郁雄氏が創業 「バーニングプロダクション」の後継者は難航か

記事まとめ

  • 周防郁雄氏創業の「バーニングプロダクション」の後継者は難航か
  • 同事務所に所属するのは郷ひろみ、内田有紀、藤あや子ら歌手・俳優を中心に10人程度
  • ナベプロなどは2代目が後継し、ジャニーズもメリー喜多川副社長の娘が引き継いでいる

敵も味方も多いが 周防郁雄は芸能プロ経営者の“最高カリスマ”

敵も味方も多いが 周防郁雄は芸能プロ経営者の“最高カリスマ”

郷ひろみと2018年独立した小泉今日子(C)日刊ゲンダイ

【芸能プロの「光と影」】(14)

 バーニングプロダクション

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 商店街はスーパーなどの出現で個人商店は軒並み閉店。「シャッター通り」が当たり前の光景だが、芸能界は個人商店のような事務所が根強く残っている。自社ビルは持たず、所属タレントも少なく、仕事の幅も広げない。それでも老舗らしい伝統の力を保持する。

 象徴的な事務所が「バーニングプロダクション」。演歌事務所でマネジャーとして実績を積み上げた周防郁雄氏(78)が1971年に創業した。

 現在、所属するのは郷ひろみを筆頭に内田有紀、藤あや子ら歌手・俳優を中心に10人程度と少数精鋭。各ジャンル、若手からベテランまで抱える大手と比べると見劣りするが、中身はなんら遜色ない。バーニングは関連会社や企業グループを数多く持ち、社長個人が役員を務める会社もあり、一大グループを形成。大手と肩を並べる芸能界の一大ブランドとして知られる。

「自身の会社を大きくしないのは、マネジャー時代に学んだことからでしょう。自身の会社は広げないが、有能なマネジャーやタレントを暖簾分けの形で独立させて傘下に収め、バーニングを頂点とするピラミッド型のグループを確立した」(芸能関係者)

 芸能界は会社よりも社長個人の実績と信頼がモノをいう世界。周防氏の実績は多岐にわたる。特にテレビやメディアとのパイプは太い。それが時には、「紅白など番組へのキャスティングまで影響力を持つ」と喧伝されることもあるが、グループ内にとってこれほど頼りになる人はいない。業界内でも「困った時の赤坂詣で」という話も伝わってくる。赤坂とはバーニングが古くから借りている事務所が赤坂にあることからそう呼ぶ。音楽関係者の話。

「昔かたぎの職人みたいな人。怖いというイメージの強い人ですが、好きな者にはとことん尽くす。特にタレントに対する愛情は人一倍強い。昨年、独立した小泉今日子はメロメロといわれるほど可愛がっていた。タレントに対する愛情が深すぎてスキャンダルを巡りメディアとの衝突を起こすことも少なくない。敵も味方も多いが、芸能プロ経営者の最強カリスマでしょう」

■混沌とする後継者問題

 絶対的な力を持ち芸能界に君臨することから「芸能界のドン」と呼ばれ順風満帆に見えるが、ドンは今、後継者問題に直面しているという。

 芸能プロが構築されすでに半世紀を過ぎた。ナベプロ、ホリプロ、サンミュージックの老舗はすでに娘や息子が2代目として後を継いでいる。ジャニーズもメリー喜多川副社長の娘が引き継ぎ、本格的に動き出している。身内に後継ぎがいない事務所も実績あるマネジャーを昇格。伝統を引き継いでいるが、バーニングは後継者が難航している。一時は「音楽出版」の代表を務めていた長男が後継ぎとみられていたが、最近になって長男は週刊文春の取材に「僕はそんな器じゃない。バーニングは周防郁雄一代のもの」と発言。後継ぎを否定している。昨年8月には、事務所立ち上げから片腕としてやってきた番頭格の人が亡くなっており、後継者問題はさらに混沌としている。

「社長のショックは大きかったようで、元気がなくなっている様子。長男の後継も諦めたようですし、グループ内から誰かを社長にするのも難しい。本当に社長一代で終わってしまう可能性もある」(テレビ関係者)

 バーニングの今後の動向はグループ内の事務所やタレント、さらには芸能界全体にまで影響を与えるともいわれている。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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