ラジオで激白 NHK大河「いだてん」に5年を捧げたクドカンの恨み節

ラジオで激白 NHK大河「いだてん」に5年を捧げたクドカンの恨み節

宮藤官九郎(C)日刊ゲンダイ

視聴率の低迷が続くNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」は、3月31日放送分で“ストックホルム編”が終了し一区切りついた。

 そんな中、8日オンエアのTBSラジオ「ACTION」に「いだてん」の脚本家・クドカンこと宮藤官九郎がパーソナリティーとして出演。ドラマの舞台裏について初めて口を開いた。リスナーによってはNHKに対する“恨み節”にも聞こえたのではないか。

 16時に始まったコーナーでクドカンは〈愚痴のコーナーです!〉と前置きすると、〈このドラマは2014年の暮れにNHKから三島弥彦と天狗倶楽部の資料が大量に送られてきたことが始まりでした〉と告白。その後、「シナリオハンティング」と称してストックホルム、ベルリン、さらには開催中のリオ五輪にも連れて行かれたそうだ。そのために長女の学芸会や運動会に行けず、家族旅行も潰れたという。ちなみに、クドカンはスポーツに興味がないという。それなのに、このドラマの構想に5年の歳月を費やし、そのためにさまざまなことが犠牲になったことをほのめかした。

 脚本を書き始めてからはさらに過酷な日々だったようだ。クドカンはこう証言した。

〈脚本ができるまでには5段階のプロセスがあるんです。白本→青本→準備稿→内容決定稿→決定稿。こうして脚本は完成するわけです。その間、何度となく時代考証などが行われるのです。“あの時代にこういう言葉はありませんでした”とか、“こういう文化はありませんでした”とか。明治時代の時代考証、スポーツ考証、熊本弁、浜松弁の考証とか、さまざまな考証が入ってくるのです〉

 芸能ジャーナリストの芋澤貞雄氏が言う。

「もちろんドラマ制作において時代考証などは大切ですが、クドカンのような一流脚本家にとって、自分の作品に次々と手を入れられることは面白くなかったと思います。彼はラジオの中でドラマ1話当たり4日から1週間を要したと証言していました。それが白本が決定稿になり、脚本が表紙付きの台本となった時にはほぼ原形をとどめない“別の作品”になってしまったと彼は言いたかったのかもしれません。必然的に“クドカンテイスト”も薄まってしまったはずです」

 クドカンは〈(NHKには)優秀なスタッフが何人もいて、収拾のつかなくなった私の脚本の情報整理を見事なくらい手際良くやってくれるのです〉と語っていたが、これを文言通りに受け取るのは難しい。自分の作品を“殺した”NHKに対する皮肉ではないか。

 クドカンは言わずと知れた一流脚本家である。この5年の間に自分がやりたい舞台や作りたい音楽があっただろう。リスナーには、“失われた5年間を返して欲しい”とNHKに訴えかけるようなクドカンの悲痛な叫びに聞こえたのではないか。

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