奄美出身の中孝介さん 黒糖の香りで蘇る祖父の家と夏の記憶

奄美出身の中孝介さん 黒糖の香りで蘇る祖父の家と夏の記憶

歌手の中孝介さん(C)YOSHIMOTO MUSIC CO.,LTD

【今だから語れる涙と笑いの酒人生】

「花」などのヒット曲でおなじみの歌手・中孝介さん(38)。酒はかなりイケる口で、好みは地元・奄美で幼少の頃に嗅いだ黒糖の香り漂う、30度以上の焼酎だという。

 ◇  ◇  ◇

 初めてお酒を飲んだのは21歳の時に、地元の奄美で。自分が酒を飲める人間とは思ってなかったので、それまでまったく飲まなかったけど、周りの友だちが酒飲みばかりなので、焼酎を飲まされたんです。

 友だちはみんな奄美の黒糖焼酎を延々と飲むんですよ。最初は決しておいしいとは思わなかったけど、付き合わされて飲んでいるうちに、どんどん飲めるように。アルコール30度の焼酎が好きになりましたよ。それもロックで(笑い)。

 21歳から大学に入って沖縄に行くと泡盛をおもに飲みましたね。ロックはもちろんですけど、泡盛のコーヒー漬けも好きになりました。コーヒー豆に漬けて3〜4日置いて、豆がすべて瓶底に沈殿したら飲みごろ。梅酒みたいな感じ。味はコーヒーの方が勝ってますから結構、飲みやすいけど、つい飲み過ぎると次の日ヤバイんです(笑い)。ミルクを足してラテっぽくして飲んでる女性もいましたね。

 仲間とワイワイ飲む方が好きですけど、騒いだり乱れたりはしません。酒席では寝ちゃう方です。歌手になってから飲み過ぎて、翌日起きれなかったことは多々ありました。

 デビューしてから仕事を“飛ばした”ことはないけど、危機一髪だった時は何度か。体調がよくて、翌日何もなければ、大瓶を一人で空けますかね。最後は寝ちゃって何も覚えてないけど(笑い)。

■祖父の隣家が黒糖の製造工場だった

 飲んで騒ぐより焼酎の味が好きなんです。とくに黒糖焼酎。もともと、祖父がサトウキビ畑を持っていたので、子供の頃、刈る時期は手伝いに行ってましたから、サトウキビが大好き。もうなくなりましたけど、僕の祖父母の家の隣がサトウキビから黒糖を造る製造工場でした。サトウキビを裂いて大鍋で煮詰めて、チョコレートみたいな黒糖ができていくのですが、夏休みに泊まりに行くと毎日、工場の煙のいい香りを嗅いでました。

 だからか、黒糖焼酎の味もよくわかります。30度の黒糖焼酎からはそんな黒糖工場の煙の香りが感じられるというか。25度ではなくて30度になるとフワッと感じられるあの香りがたまらない。だれもがこの香りを感じられるわけじゃないと思う。できれば一度は黒糖の製造工場に見学に行って嗅いでほしいと思います(笑い)。行って黒糖焼酎を飲んでくれたらわかると思います。

 泡盛でもとくに「残波」は若者向けの洗練された感じですが、黒糖焼酎は泡盛よりもうちょっとスッキリしてますね。僕の印象では泡盛はまろやか、黒糖焼酎はスッキリとストレートって感じ。

 奄美の黒糖焼酎でいうと「長雲」に「龍宮」「朝日」が三者三様の3大銘柄。違いも楽しめます。それぞれがいろいろな銘柄に分かれてます。いい焼酎は割りたくないので、ぜひ30度以上の黒糖焼酎をロックで楽しんでほしいです。

 これから年を重ねるにつれ、酔っぱらって粗相をしないように飲みたいですね(笑い)。できれば奄美の焼酎のような、自分のオリジナルのお酒を1本造れたらいいなとも思います。

(聞き手=松野大介)

▽あたり・こうすけ 1980年7月、鹿児島県奄美市出身。99年から歌手活動。2007年発売の森山直太朗・御徒町凪コンビの書き下ろし曲「花」がロングヒット。

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