人斬りから妖艶なベビーシッターに 大野拓朗「ギン!」での怪演が話題

人斬りから妖艶なベビーシッターに 大野拓朗「ギン!」での怪演が話題

大野拓朗(C)日刊ゲンダイ

男性でありながら、英国淑女の装いに身を包み、英国ナニー協会認定のベビーシッターとして活躍する主人公ギンを俳優・大野拓朗(30)が演じているドラマ「ベビーシッター・ギン!」(NHK・BSプレミアム)が6月30日からスタートした。

「はいからさんが通る」や「あさきゆめみし」で知られる大和和紀による同名漫画が原作。ギンの妹役をゆりやんレトリバーが演じ、「白線流し」や「女王の教室」の岩本仁志が演出を担当するということもあり、注目を集めていたが、放送開始後は、作品以外の視点からもクローズアップされている。

 例えば、情報サイト「アサジョ」7月6日付の〈大野拓朗主演ドラマ『ベビーシッター・ギン!』に“不憫すぎる”の声があがるワケ〉という記事。女装した大野の美形ぶりを称えつつも、〈(アイドルグループTOKIOの)松岡昌宏主演でシリーズ化されているドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の二番煎じのようだとするネット民の声があり(中略)『大野が不憫だ』とか、『ミタゾノのパクリだと言われても強く否定しにくい』といった声もうなずける」と結んでいる。

「女装した男性が主人公を演じるドラマといえば、確かに『家政夫のミタゾノ』が代表的ですが、前クールでは、日本テレビ系で古田新太が女装の教師を演じた『俺のスカート、どこ行った?』も放送されました。ミタゾノは家族の再生、俺のスカートは学校教育、ギンは子育てがテーマです。扱っている内容も違えば、描き方も違い、類似要素は主人公が女装家というだけ。そこだけにスポットを当てて『パクリ』だの『不憫だ』というのは無理があります」(ドラマ制作関係者)

■「家政夫のミタゾノ」とソックリという指摘も

 ドラマ初回は、近所ではイクメンとして知られる夫が実は全く育児を手伝わず、育児ノイローゼ直前まで追い込まれた妻の元にギンが派遣されるところから始まる。お試し期間の一週間の間に、ギンが赤ちゃんの面倒だけでなく、夫婦間の溝もコーチングしながら改善していく様が描かれた。重いテーマと真正面から向き合い、説得力を持って物語が進んでいくが、暗くならないようにコメディーの要素もあり、見どころたっぷりだった。

「その中でも特に大野の演技は注目です。説明されなければ女性にしか見えないし、美しいだけじゃなく色気もある。しかも、英国仕込みという触れ込み通りの気品が立ち居振る舞いに現れています。ドラマの途中で唐突に、出演者全員が歌って踊るシーンもありますが、まるでハリウッド映画の『ララランド』や宝塚歌劇団のようで、楽しい。大野の歌も踊りも完璧です。大野はもともとカメレオン俳優としての評価も高く、様々な役柄を演じてきましたが、このギン役で新たな境地を開いたと思います」(芸能ライター・弘世一紀氏)

 大野は、2010年にホリプロが開催した「キャンパスター★H50」でグランプリを受賞し芸能界入り。その前年には、在学中の立教大学でミスター立教に選ばれており、デビューの仕方としては完全にアイドル俳優だったが、そうならなかったのは、大野の卓越したキャラクター力だ。

「2015年に主演したテレビ東京系のドラマ『LOVE理論』では、オタキャラのチェリーボーイを演じ、変顔のオンパレード。NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』では、明るい性格ながらもクセのある若者役を演じました。NHK大河ドラマの『西郷どん』では、人斬り半次郎役で見事な殺陣を見せた上に、狂気な部分も持ち合わせた難役を好演。全くタイプの違う役をいくつもこなすことで、役者としてのキャリアを確実に伸ばしていった印象です。賀来賢人や佐藤健のような主演もできる個性派俳優として、今後もっとも期待できる俳優の一人です」(前出・弘世氏)

 一度でもドラマを見た人は、「不憫」どころか、ギン=大野の魅力にたちまち虜になるはずだ。

関連記事(外部サイト)