大塚署での取り調べは「太陽にほえろ!」談義で盛り上がる

大塚署での取り調べは「太陽にほえろ!」談義で盛り上がる

本人と松尾伴内(提供写真)

【ダンカンの笑撃回顧録】#4

 たけしさんとたけし軍団12人による「フライデー襲撃事件」の取り調べが大塚署内で始まった。

 最初に一人一人、身長の横線が刻まれた壁の前に直立させられ、人相写真を撮られたのだが、何しろ我々たけし軍団12人(たけしさんはすでに別の部屋にいたと思われる)にとって、逮捕、取り調べなど、人生初体験ですべてが新鮮であったから、「えーっ! ホントに写真を撮るんですねぇ? なんか刑事ドラマみたいすね!? オレ、写真の下に『WANTED』とか入れてもらっちゃおうかな!」と妙にウキウキしている輩がいた……。

 かと思えば、「じゃ、撮りますよ、ハイ」、カシャ!! とシャッター音と同時に変な顔をしたオレに対し、何事もなかったような冷静な声で、「ハイ、それはダメですよ、ちなみに、それはそのまんま東さんもやってましたから!」と指摘され、「しまった! ネタがかぶった(ネタじゃねーだろ!!)」と落ち込むオレであった。

 全員の人相写真が撮り終わると、刑事部屋に一同が集められ、「それではみなさん、この後、一人一人個室でお話を……まあ、みなさん、ご存じの取り調べをやらせていただくことになります」と説明を受けたのだが、誰も彼も「ふ〜ん、ここが刑事ドラマに登場する刑事部屋かあ……本物はちょっと地味だけど何か興奮するなあ、ワクワク……」という具合だから、そこに神妙さの「シ」の字もなかったのだった。

 皮切りは、当時まだたけし軍団の一員であった大森うたえもんだった。

「『太陽にほえろ!』のドラマだとマカロニ(萩原健一)やジーパン(松田優作)、スニーカー(山下真司)とか、それぞれニックネームがありますよね? 刑事さんたちは、そういうのあるんですか」

「えっ、いや、別にそういうニックネームってのは……」

「ダメですよ、これから取調室で1対1で向かい合うんですから、そういうの絶対にあった方がいいですよ、ね、みんな?(うなずく一同)。フレンドリーな方がペラペラしゃべりますよ」

 そんな不思議な持論を繰り広げ、「『革靴』でどーかな? そこの刑事さん」と言うと、グレート義太夫が若手の刑事さんが履いていた黒いピカピカの革靴を指していたのだった。「いや、スニーカーのパクリみたいでカッコ悪いよ、髪形から『七、三』(七、三分けでした)は……」と松尾伴内。そうなると、もうハチの巣をつついたように「色白は?」「ポッチャリ刑事がよくない!?」とニックネーム論争が始まり、取り調べどころではなくなっていったのだった。 

=つづく

(ダンカン/お笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家)

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