金字塔・矢沢永吉の自己プロデュース力と“成りあがり”伝説

金字塔・矢沢永吉の自己プロデュース力と“成りあがり”伝説

矢沢永吉(C)WireImage/ゲッティ/共同通信イメージズ

矢沢永吉(69)がまたひとつ栄冠を手中に収めた。最新アルバム「いつか、その日が来る日まで…」で、オリコン週間アルバムランキング初登場1位を獲得。小田和正が「あの日あの時」で初登場1位となった68歳を上回り、最年長1位獲得アーティストになったのだ。

 これは「数々の金字塔を打ち立ててきた矢沢ならではのプロモーションが冴え渡った」と、業界関係者から称賛の声が上がっている。

「たとえば、8月にオンエアされたNHKの『ドキュメント矢沢永吉』。米ロスでのレコーディングを初公開して、通訳なしで向こうの凄腕ミュージシャンと渡り合い、ハーレーでツーリングしたり、所有するクルーザーなどで『これで最後かも知れない』と例の巻き舌で語る姿はインパクトが強かった。もともと矢沢さんは自ら動いて、自らを売り出していくスタイルですけど、今回もPRとしてピシャリとはまった。さすがですよ」と、あるプロデューサーはうなる。

 もちろん、肝心のアルバムの仕上がりも上々だから売れているのだろう。そんな矢沢の仕事術について、あるマスコミ関係者は「矢沢さんというと、勢いとか、ノリやハートの部分の印象もありますけど、事務所スタッフも関係者もオフィスでスーツをビシッと着こなし、ビジネスマンみたいなんです」と言う。

 芸能リポーターの城下尊之氏がこう話を継ぐ。

「実際のところ、一流ビジネスマンのような面も矢沢さんにはあると思います。アルバムのセルフプロデュースのほか、コンサートの興行、演出、照明やPAといったところまで全てご自身の会社で行い、取り仕切っている。別の会社に頼んでしまうミュージシャンが多い中、そのあたりもきちんと目を行き渡らせ、管理されているのですから、凄いのです」

■銭勘定とセルフプロデュース

 音楽関係者によると、矢沢はこれまでも、ビートルズにならって自らの音楽出版社を設立し出版権を管理しているほか、肖像権もコントロール。08年に自らのインディーズレーベル「GARURU RECORDS」を立ち上げて以降は、音源制作から流通まで全て自前で行うスタイルを貫いているという。当初、音楽業界にはミュージシャンが「銭金」のことにタッチするのはやぼというような風潮があり、反発もあったが、矢沢は「カネが儲かると聞いたから歌手になった」と明言し、自ら道を切り開いていったのだという。

「自分が正しいと思ったことを信じて行動し、違うと思ったら、それが慣習であっても、従わない。矢沢さんの仕事でもうひとつ凄いところは、リスクや逆風からも逃げず、真っ向から受けて立つような姿勢です。オーストラリアでの元側近による巨額横領事件が明らかになり、34億円もの詐欺被害と報じられた数年後、毎年のコンサートツアーをやりつつ、さらに初のアコースティックコンサートツアーを行っているんです。ギター一本で、バラードなどを聴けるとなれば、ファンの方は大喜びで会場に駆け付けたでしょう。そうやって、借金返済のためとは一言も言わずに、自分の力で完済したのです。これは本当に凄い」(城下氏)

 街場の中華でひとりギョーザを頼み、ビールを飲むこともあるという。そんなところまで計算しているのか定かじゃないが、そんな姿にファンはしびれて快哉を叫ぶのかも知れない。今月14日の誕生日で古希を迎えるYAZAWA。生きる“成りあがり”伝説である。

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