スカウト狙うも…石出奈々子が語るAD時代「下着を裏返し」

スカウト狙うも…石出奈々子が語るAD時代「下着を裏返し」

AD時代に作る側の大変さを知った(提供写真)

 アニメや女優、アイドルのモノマネ・ひとりコントで人気の女性お笑いタレントの石出奈々子さん(32)は、デビュー前にテレビ番組のADを経験。お金のない日々を送りながらも、パンだけで乗り切った時期も……。

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 ずっと千葉の実家住まいだから、衣食住の貧乏はなかったけど、若い頃は女優志望で「ホリプロスカウトキャラバン」や「国民的美少女コンテスト」や「モーニング娘。オーディション」とかいろいろ受けたら全部落ちちゃって。でも、テレビの仕事をしたくて、大学を出てから制作会社に入ったんです。

 夢もまだ捨ててなくて“もしかしたらスカウトされるんじゃないか”って気持ちもあって制作会社に勤めたけど、そんなこと言ってられないくらい超忙しくて! 弁当の手配からリサーチ、テープを届けるのに局と編集所を行ったり来たり。とにかく何でもやりました。一番下っ端だから、仕方ないんです。

 先輩から頼まれる仕事にはメチャクチャなのもあって、「UFOにさらわれたことがある人を今から1時間で渋谷で探してきて」とか。探せませんよ(笑い)。

 今はADを休ませないといけない決まりだけど、当時は休みもなく、実家に帰る時間もない。会社で仮眠をとって朝という生活。トイレで10分寝たりエレベーターの前でちょっと目を閉じて少し休むとかしてましたよ。

 食事はロケの時に弁当を食べられますけど、ふだんは自腹。毎食に500円かけてたら1日で1500円かかる。給料が安いのにそんなに使えないから、「スイートブール」っていう丸くてでかい100円のパンを持ち歩き、1日3回に分けて食べてました。あと「チョコチップスティック」っていう棒状のパンが何本も入ってるので1日もたせるとか。パンは持ち運べるから便利でした(笑い)。

■下着のリバーシブルにして履くのは“あるあるネタ”

 特番を抱えてた1カ月間はお風呂も3回だけしか入れなかった。それも漫画喫茶のシャワーを浴びに行っただけ。髪はベタベタで不潔なまま。精神的にも一番追い詰められましたね。

 会社に置いてある着替えもストックがなくなる。下着を買うとお金がなくなるので、リバーシブルにしてはいたりして。裏返しではくと股の部分が風に当たって乾く。これって、“ADあるあるネタ”なんですよ。

 女性のADも多く、みんな頑張ってディレクターを目指してた。「生半可な気持ちではできない仕事だし、私は出るほうのタレントをやりたい」と考え直し、制作会社は1年で辞めました。

 その後、タレント養成所に通いましたが、養成所のお金を払うため飲食店のバイトを掛け持ち。タレントの仕事は通販番組のリポーターをやってクビになったり、結婚式の司会をやったりとその程度。そのあとに今の事務所に入って、やっとモノマネを始めるようになったんです。

「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出た時に、勤めてた制作会社の先輩がたまたま見ていて、「えっ!」と驚いたらしい。タレント志望とは言ってなかったから。すぐに電話をくれて「ちょっとでも売れたらウチでたくさん使うから、それまで頑張れ」と言ってくれた。最近、その会社から仕事をもらえたんですよ。すごいうれしかった! 制作会社には感謝です。作る側の大変さを知ったのはタレントとしても大きい。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

 (聞き手=松野大介)

☆いしで・ななこ 1984年9月、千葉県松戸市生まれ。明治学院大学卒。テレビ制作会社やリポーター等を経てピン芸人デビュー。今年の「R―1ぐらんぷり」(フジテレビ系)決勝で3位になり話題に。バラエティーやモノマネ番組等で活躍中。

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