YouTuber活動は「キングコング梶原」の壮大な野望の種まき

YouTuber活動は「キングコング梶原」の壮大な野望の種まき

キングコングの梶原雄太(C)日刊ゲンダイ

【今週グサッときた名言珍言】

「『カジサックくん』っていうコントがあったんですよ。あまりにもスベりすぎて、思い出に残っちゃって」(梶原雄太/テレビ朝日「しくじり先生」9月3日放送)

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「2019年末までにチャンネル登録者数が100万人を超えなかったら、芸人を引退します」と宣言し、YouTuberになったキングコングの梶原雄太(39)。「YouTuberをなめるな」などとバッシングを受けながらも今年7月、その目標を達成した。

 YouTuberとしては「カジサック」を名乗り活動しているが、その名前の由来を語った言葉を今週は取り上げたい。彼らが名を上げたコント番組「はねるのトびら」(フジテレビ)で生まれたキャラクターの名前だったのだ。

「はねるのトびら」は12年に終了し、梶原はテレビ出演が激減した。一部では「干された」と噂されたが「単純にボクの実力が足りなかっただけ」(Cyber Now「新R25」18年10月19日)と本人は言う。ひな壇バラエティーが全盛の中、そこで笑いを取ることができなかったのだ。

 15年ごろには真剣に引退を考えた。独自の路線で活動の幅を広げている相方の西野亮廣の足を引っ張っていると感じたからだ。だが、ちょうどその頃、関西ローカル「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)のレギュラーに抜擢された。そこで上沼恵美子に「あなたはスターにならないといけない」と言われ奮起した(テレビ朝日「しくじり先生」19年9月10日)。

 自分のパフォーマンスを100%発揮できる「自分の居場所」を模索していた梶原は、あるイベントに参加。その際、人気YouTuberの「フィッシャーズ」と「水溜りボンド」が登壇すると、芸人に対するものとは比べものにならない歓声が上がった。時代が動いているのを感じ、自分の居場所はここだと直感した。

 その第一歩として、ノーギャラで人気YouTuberの「ラファエル」や「ヒカル」とコラボ動画に出演した。「ある程度知名度のある芸能人がYouTuberと絡んでいる動画がない」と気づいたからだ。それは、自分がYouTuberとして動きだすための「種まき」だった。

 順調に登録者数を増やしていても、停滞する時は必ずやってくる。それを打破するような動画も、前もって準備していた。そうやって綿密に準備をし、本気で取り組んだことで目標を達成したのだ。

「僕は今あるテレビの座組みをぶっ壊したい」(EXIT「REBOOT」18年12月17日)と梶原は言う。ひな壇で、スターである司会者にツッコまれることで笑いを生むばかりでは、新たなスターは生まれにくい。「僕のように『体を張ったお笑い』が得意な芸人でも、パフォーマンスを100%発揮できるテレビ」(同前)をつくりたい、と。

 壮大な目標のためには「種まき」や「準備」が不可欠だ。そのひとつこそ、YouTuber「カジサック」だったのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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