「フライデー襲撃」取り調べの真っ最中 後の妻は何を…?

「フライデー襲撃」取り調べの真っ最中 後の妻は何を…?

モテていた(?)ころ(ダンカン氏)(提供写真)

【ダンカンの笑撃回顧録】#7

 もちろん、俺も他のたけし軍団メンバーと同様に、取り調べを受けていた。

「えー、フライデーの編集部に殴り込むというのは……その、なんていうか、あらかじめ計画を立てていたんですか」

「いえ、深夜にたけしさんの付き人からみんなのところに集合の電話が入ったんですよ!」

「えっ? じゃ電話で集合してそのまま襲撃ってことなの? ちょっと段取りよすぎるよねぇ?」

 正直なところ、想像したほどの緊迫感も緊張感もなく、同じような質問を何度となく繰り返しているようで、退屈でさえあったのだ。その退屈さを俺も打破したかったのだろう……。

「刑事さん、机をバーンとかやって襟元あたりをこうグイッと締め上げて、いい加減にすべて吐いちまわねーか!! とか、ホラ『太陽にほえろ!』なら熱血漢の塊のゴリさん(竜雷太)みたいな刑事さんがいて、それを渋く優しい山さん(露口茂)が静かに制して、まあまあゴリさん、我々が熱くなってどうすんだ……。だれだって罪を犯そうと思って犯すわけじゃないだろう……なあ、たまたまその抑え切れない気持ちが変な方に行ってしまっただけなんだろう? そばに君の気持ちをわかってくれる者がいなかったのが不幸だっただけで、なあ……申し訳ないと思っているんだろう、とか。罪を憎んで人を憎まずと説得してくれるとか。そういうなんていうか『動』と『静』みたいなのをやって欲しかったんだけどなあ……」

 と、要求してみたのだが、残念ながら最後まで取調室にゴリさんも山さんも登場することはなかったのだった。

 事実、取り調べは何ひとつとして厳しいことはなく、世間でイメージする取り調べとは違い、全体的に確認作業という感じだった。

 さて、場面は文京区音羽2丁目の大塚警察署から直線距離で5キロほどしか離れていない中野区中央2丁目のマンションの一室にいきなりワープするのである。

 その朝、そのマンションの一室にひとりの若き20歳の女性が異性のために初めて作ったお弁当を大事に抱え、千葉の稲毛から始発電車に乗り、訪れていた。その女性こそ後に、俺の妻となる初美(旧姓能勢)である。

 当然、俺は不在。しかし、玄関のドアに鍵はかかっていないので、部屋に上がり込んだが、待てど暮らせど帰らない。

 仕方なく暇つぶしにテレビのスイッチを入れた。するとその途端、画面に映し出されたのは逮捕された俺の顔写真、そして俺の本名「飯塚実」の文字であった……。 (つづく)

(ダンカン/お笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家)

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